未就学児童から中高年まで全方位で展開――「テクモ プレスカンファレンス 2008 Winter」(1/3 ページ)

テクモはプレスカンファレンスにおいて、「零」の最新作をWiiで発売すると発表。未就学児童とその親、そして女性層やゲームシニア層へ向けた新たな提案を行った。ゲストも多数登壇。

» 2008年01月30日 20時29分 公開
[加藤亘,ITmedia]

テクモは新たなユーザー獲得とブランドの確立を目標

クリエイター集団としての持ち味を生かしながら、ひとつひとつのタイトルに目標を据えて、ブランドの確立に挑戦していきたいと安田氏

 テクモは1月30日、表参道ヒルズ内イベントスペース「O:」において「テクモ プレスカンファレンス 2008 Winter」を開催。任天堂との共同プロジェクトとしてホラーアドベンチャー「零」シリーズの最新作「零〜月蝕の仮面〜」(ぜろ〜つきはみのかめん〜)をWiiで発売すると発表。そのほかにも、DSサスペンスシリーズの第2弾「DS 山村美紗サスペンス 舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル」と「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」と2つのニンテンドーDSタイトルを紹介した。

 冒頭、テクモ代表取締役社長の安田善巳氏が2007年のゲーム市場を振り返り、日本市場ではターゲットユーザーが拡大し、市場が活性化され、また同時にユーザー層の幅が広がった年だったと分析する。世界市場に目を移すと、欧米のゲーム産業の活躍が顕著になった年で、テクモとしても世界市場から見たタイトルブランドの確立の重要性を実感したというのだ。それを踏まえたタイトルが、未就学児童とその親をターゲットとした「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」と、DSサスペンスのブランドの確立をうたう「DS 山村美紗サスペンス 舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都殺人事件ファイル」となる。

未就学児童とその親をターゲット――はじめてのゲームとして開発「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」

「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」では、スケッチブックにおえかきしたものを覗き見できるモードを搭載し、親が子にメッセージを残したり、書いた絵に花マルをあげたりすることもできるようにしたいとプロデューサーの設楽氏。設楽氏の愛娘が実際に遊ぶ姿も映像で披露された

 説明に立ったのは「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」(以下、ペネロペ)のプロデューサー設楽昌宏氏。設楽氏はまず、昨年のテクモの取り組みとして、昨年10月に発売された「DS西村京太郎サスペンス」(出荷本数は22万本)を例にとり、ユーザーデータ的には30代をピークに女性比率が40%と多めに、各年代幅広く訴求しており、特にゲームシニア層と呼ばれる高年齢層が4人の1人という高い比率となっていると説明。「DS西村京太郎サスペンス」で、テクモのゲームをはじめて購入したというユーザーが購入者全体の86%に達することを報告した。

 この圧倒的な新規顧客を継続して維持していくのが、昨年から引き続き取り組む課題としながら、2008年は新たなターゲットを求めるとして、未就学児童を持つファミリー層向けに「ペネロペ」を発売することになった。

 いわゆる未就学児童(2〜6歳)のいるファミリー層が560万人いると言われている中で、ニンテンドーDSの普及率を調べてみると79%に達するというデータを設楽氏は提示。この440万人の市場をターゲットに、ゲームを提供できないかと考えたわけだ。


“あんしん”して購入できるゲーム

 しかし、未就学児童を持つ母親の声を聞くと「子供たちが夢中になりすぎて、ほかの事ができなくなりそう」や「小さいうちから『戦い』は見せたくない」、「どうせ買い与えるなら“ためになるもの”であってほしい」という意見があるとグループアンケートの結果を引き合いに出し、どうせその層をターゲットにするならば、「安心して買い与えられるゲーム」を提供したいという結論に達したのだそうだ。こうして「あんしん」をキーワードに開発コンセプトが決定され、「ペネロペ」は誕生した。


壇上には日本アニメーション取締役副社長 石川和子氏とともにペネロペも登場。その愛くるしい姿で会場のプレスや関係者を思わずにこにこしてくれた

 「ペネロペ」は、フランスの作家ゲオルグ・ハレンスレーベン&アン・グットマン夫妻による絵本シリーズ。主人公のペネロペは、3歳の小さな青いコアラで、ちょっぴりうっかりやさんの女の子だ。はじめてひとりで洋服を着たり、はじめて数を数えられるようになったときの、「はじめて」のドキドキをのびやかな色彩で描いている。2003年に第1弾が出版されて以来、世界各国で好評を博し、日本国内でも140万部が発行され、NHK教育テレビでアニメーションも放映されている。

 ペネロペは2006年には10%未満だった認知度が、昨年のアニメ放送を機に、未就学児童を持つ親の中での認知度が70%を越えており、これからも上昇することが見込まれる。また好感度調査でも、33%以上の好感度を得ており、独自調査ではアンパンマンに次いで2位となっている。


くもった鏡でお絵かき

 会場では実機で「ペネロペ」を操作して設楽氏が説明。タッチペンで操作し、マイクなども使用する設計で、子供の自由な発想を刺激するイベントも用意されている。例えば、スケッチブックを選択すると「おえかき」や「ぬりえ」が楽しめ、料理の手伝いやお風呂場でくもった鏡を使用してお絵かきしたり、マイクに息を吹きかけるとまたくもったりと、親と子のコミュニケーションにも活用できるようになっている。

 ゲームはテレビアニメーションと同じ声優を採用。オプションモードでは、プレイ時間をあらかじめ設定できたり、遊びの傾向を確認できる「保護者モード」を搭載。難易度も設定できるほか、性格分析のようなこともできるようになっている。知育や情操にも役立つため、挨拶やお片づけといったマナーも、遊びながら自然に身につけることができる。

「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」

 3歳〜5歳をメインターゲットとした“あんしん”して子供に与えることができる、はじめてのゲームソフトとして提案したいとする「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」。



「親子で遊べるDS絵本 うっかりペネロペ」
対応機種ニンテンドーDS
ジャンル親子向けレクリエーション
発売予定日2008年春
価格未定
CERO「A」(全年齢対象)
Penelope by Anne Gutman and Georg Hallensleben
(C)Gallimard Jeunesse
Licensed by Nippon Animation Co., Ltd.
(C)うっかりペネロペ製作委員会
(C)TECMO,LTD. 2008

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