栄光あるジオンの名の下に、わたしは生き延びることができるか?:「ガンダムタクティクスオンライン」リポート(4/4 ページ)
この風、この肌触りこそ戦争よ!
いよいよ戦場へ馳せ参じるわけだが、実戦には2つのプレイモードがある。
まずは「任務」。先述のように、コンピュータ相手にさまざまなシチュエーションを戦うもので、単純に時間切れまでに敵以上の戦果を挙げるだけで達成できるものもあれば、こちらの(NPCが操作する)味方機を撃墜されないよう守りきるというミッションもある。
例えばジオン軍の任務2戦目がまさにこれで、味方のPグフを規定時間護衛するというもの。いつもの編制で臨んだところ、護衛対象はあっけなく撃墜されてしまった。ならば全力で敵を排除するしかない、と思い、4機中3機を格闘主体にし突撃させてみたところ……上手い具合に護衛対象の前で戦闘を展開することができ、なんとか任務を達成することができたのだ。
続く3戦目は、北米における精鋭部隊の撃破というもので、現有戦力では到底ムリという結論に達し、もう少しユニットの充実や戦術の研究を進めてからのリベンジを誓った。いずれアムロなんかとも戦うことになるのだろうけど、こんな調子で果たして大丈夫なんだろうか?
一方の対戦は、プレイヤーの実力に合わせマッチングしてくれるということで、さっそく対人戦に臨んでみたのだけど…えーと、連邦のMSはやっぱりバケモノですか? 全くもって歯が立ちませんよアレ。それとも、認めたくはないけど、やはり戦術が甘いのだろうか? 我が軍が圧されているという現状の一端が自分にあることを再認識して、そそくさと戦場を後にしましたとさ。
補給チケットと課金の悩ましい関係
さてさて、今回は初期配備ユニットのみで戦ってみたのだけど、さわりだけなら十分楽しめた一方で、やはり「もっとステキなユニットを!」という心の声が大きくなるのも事実。ここではそのシステムをご紹介しておこう。
新たなユニットは、「補給チケット」で交換できる。この補給チケットは、プレイ料金の支払に応じて付与されるほか、10枚あたり525円で購入することで入手できる(当然ながら、アカウントに対し所有データが加算されるという意味であって、具体的な紙片があるわけではありません。念の為)。
公式サイトの「補給・ユニット交換」ページにアクセスすると、チケットで交換できるユニットのメニューが並んでおり、新たなユニットはここで入手することになる。
この交換がまた悩ましいシステムになっており、「単品交換」と「セット交換」とに大別される。単品交換は、MSやパイロットについて、メニューに並んでいるユニット1つをチケット1枚で交換することができるというもの。ただし現状そのメニューに、初期配備ユニット以上の性能があるようなものや、B以上のレアリティのものは並んでいない。
より良いMSや戦術ユニットを入手するには、もう一方のセット交換を利用することになる。セット交換は、2チケットで3ユニットを入手できるというもので、交換してみるまで中身が分からないというものだ。「MS・パイロットセット」と「アイテム・戦術セット」の2種類があり、それに応じたユニットが入手できることにはなっているが、後は完全に運任せである。実際のカードゲームをほうふつとさせるシステムと言えよう。
このほか、「エクスチェンジ」というシステムで、手持ちのユニットを他のユニットに再交換することが可能だ。1日に1回分その権利が付与され、最大で5回分まで貯めることができ、さらに対人戦30戦するごとにも1回分権利が追加される。交換元のユニットを1つ指定し実行すると、完全ランダムで1つ入手できるというもので、元のユニットと同じものが当たる場合もあれば、よりレアリティの高いユニットを引くこともあるとか(Pランクのユニットだけは引く事ができないが、交換元に指定する事は可能)。重複したユニットを所持している場合、積極的に活用していきたいところである。
要求されるのはジオンへの忠誠心?(←連邦も可)
こんな感じで本作を一通り楽しんでみた筆者だが、戦闘における迫力のシーンもさることながら、本作の魅力はその直前の“編制”にこそあるというのが、率直な感想だ。
戦闘結果画面のデータとにらめっこしながら戦術を練り、MSとパイロットをチョイスし、そして再び戦場に赴く。入力(編制)に結果(戦果)はダイレクトに反映され、そしてアタマを使った分、勝利のカタルシスはより大きなものとなる。実際の戦闘時間は5分にも満たないのに、編制中も含めると、一戦あたりにどれだけの時間を注ぎ込んでいることだろうか。
一方で、1回あたりの戦闘が短いというのは、ちょっとした合間に遊ぶことができて非常に手軽でもあり、ライフスタイルに合わせたプレイが可能というのも魅力のひとつだろう。
ユニットの収集欲をかき立てたり、“一年戦争”を追体験するという面白さもこれらに華を添え、そして何より、自分の戦果が所属軍の戦況に直結しているというのが、特にジーク・ジオンな筆者にはたまらなく感じた。いずれ必ず戦況をひっくり返してやろうではないか、全国の同胞よ。
あえて不満な点を挙げるとすれば、1つのアカウントにつき連邦かジオンいずれかしか所属できないというところかもしれない。とはいえ他方から見れば、それだけ所属軍への愛(?)が要求されていると解釈することもでき、またプレイヤー同士の仲間意識を掻き立てる設計だとも言える。このあたり、ゲームセンターでヒット中の「戦場の絆」に通じるものがあると思うのだが、過言だろうか?
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