「信長の野望・天道」連載(第3回)――「街道」を核にシステムを整理した「天道」伸ばせ街道! 戦国ニッポン改造論(2/3 ページ)

» 2009年10月02日 11時28分 公開
[Guevarista,ITmedia]

電撃的な四国統一を通して、今作を味わう

 さて、体験版の目玉であるオリジナルシナリオ「鳥なき島の蝙蝠」は、チュートリアルで憶えた事柄を実際に試す機会といえる。元親を戴く長宗我部家を率いて、一条家、西園寺家、河野家、三好家を打倒し、四国を統一するショートシナリオだ。3年というタイムリミットが、このシナリオを手ごろなサイズに収めると同時に、緊張感のある展開を演出している。実際、外交要素を除いたほとんどのルール/システムを体験できる一方で、家中の武将達にあまり余計なことをさせていると、たちまち時間が足りなくなる。各種ルールを試してみるのと、シナリオの勝利を目指すことは別に考えて、繰り返しプレイしてみるのがよいだろう。

 この記事では、難易度設定「上級」で、シナリオをクリアするまでの過程を通じて、プレイ内容を紹介してみたい。必然的にネタバレ的要素も含んでしまうため、「自分で考えてクリアしたい」という人は、ここでいったん記事を読むのを中断していただいたほうがよいだろう。

シナリオ導入部では、重臣達による状況分析に続いて当主・元親が決意を述べる。そして、おおむねこの決意表明どおり、ノンストップで四国を席巻するのがシナリオの展開である

 プレイを始めると重臣達が、現在の長宗我部家および周囲の大名家について説明し、どの順番で各大名家を攻略していくべきかアドバイスをくれる。個別の状況を確認してみても、このアドバイスはいたって適切なので従うべきだろう。つまり、まずはもっとも近い土佐西部の一条家を降し、時計回りに西園寺家、河野家と攻めていき、最後に阿波の三好家を打倒しましょう、という順番だ。三好家は城を複数持っている大勢力なので、いきなり攻めてつまずくと、シナリオのタイムリミット内にリカバリーが利かないおそれがある。また、初期状態で阿波と土佐の間には街道が通じていないため、こちらの本拠地である土佐が衝かれる心配は、比較的小さいのだ。

 そんなわけで第一ターゲットは一条家である。お隣伊予の西園寺家と同じく、藤原氏一門であるあの一条家の一派が、現地の荘園に下って直務(じきむ)支配を繰り広げるうちに、現地の豪族達を従えて戦国大名になったという名門だ。実を言うと長宗我部家から見ると主家筋に当たるわけなのだが、そういった事情はとくにゲームのプレイには影響しないので、とりあえず手ごろな征服先といえよう。

 土佐中村に陣取る一条家の兵力は8000強、こちらは2万強といったところで、家中の武将達の禄高設定から言って、全兵力を同時に動員できる。ここではとくに何も考えず、「統率」の値が高い順に武将を5人選び、全兵力で出撃すればよい。

 武将のトップ5を選ぶと、そのまた頂点が当主たる長宗我部家元親になってしまうのはちょっと寂しいものの、小大名家ではよくあることなので気にしてはいけない。そしてやや面白いのが、長宗我部家で軍事向きの武将を見ると、その「兵科特性」がほとんど「足軽」であることだ。きっと「一領具足」と呼ばれる郷士の大動員が、長宗我部家の覇業を支えていたというイメージの表現なのだろう。


一条家・中村御所の陥落にはイベントが仕込まれていて、無事に城が落ちると、イベントで兵力が補充される。こうしたことが起こるのは中村御所のみだが、安心して最初の城攻めを試せる

城を陥落させたあと、やるべきことは4つ

このシナリオでは城方の兵力が1万そこそこなら、約2万と少なめの兵力でも十分に城を落とせる

 出撃時の「陣形」は、城攻めに向いた「包囲」でよい。こちらの半分以下の兵力とあっては、一条家が迎撃を意図して野戦に打って出てくることはまずないし、途中の村々を個別に攻略していく必要もとくにない。後者については、製品版のプレイでは重要なテクニックになりそうな気もするが、このシナリオ、この状況では一直線に中村御所を目指してしまって差し支えないのである。

 2〜3カ月包囲し続ければ、中村御所は兵力と士気を減らしていき、やがて陥落するだろう。城が陥落してこちらのものになったら、ゲームの進行をいったん止めて、次のことを一通りこなしておきたい。次に陥とした城でも基本的に同じ作業を繰り返すべきなので、よく憶えておいてほしい。

  • 本拠である岡豊城から中村御所へ、主要な武将を「呼寄」せる
  • 捕虜から有用な人材を召抱える
  • 岡豊城から中村御所へ物資と兵士をほぼすべて「輸送」させる
  • 「呼寄」せたあるいは召抱えた内政系人材で、中村御所付属の武家町を開発する

 3年しかないショートシナリオなのだから、とにかく先を急ぐべきだと思う人もいると思う。だが「信長の野望・天道」の城攻めには、陥落させてある程度の時間をおくことで、負傷者が戦線に復帰し、表面上失った兵力の大半が“返ってくる”という特徴がある。要はこの、負傷兵の療養期間を利用して、次なる敵を攻めるための準備を進めるのがセオリーなのだ。また、上に挙げた四項目については、実際にこのとおりの順番で、上から下へこなすのがよいと思う。例えば人材の登用には、使者の能力や性質も影響してくるので、まずは自家のほとんどの武将を使える状態にしてから、使者を決めたほうがよい……といった具合である。

戦線を急速に前進させるこのシナリオでは、落とした城に城主格の武将を残していくと、意外に人手が足りない。敵方の有用な人材はぜひ召抱えたい
物資は順次前線に輸送させて、次なる戦いに備えたい。もっとも、このシナリオの長宗我部家では、軍馬も鉄砲もあまり活躍しないかもしれないが

軍資金は豊富にあるので、「募兵」を可能にする施設を征服地の「武家町」に建てながらプレイ進めてみた。いわば、どこかで敗北を喫したときの保険である

 まず、当主不在の岡豊城の守備をある程度任せられる武将1名、そしてそれ以外の雑事をこなす武将1名の計2名を残して、全武将を中村御所に「呼寄」せてしまおう。武将単独での移動は瞬時に済むので、タイムロスはほとんどないはずである。そして、城が落ちた段階で捕虜にした一条家の家臣のうち、「統率」や「知略」、「内政」の値に見るべきところのある武将を3〜4人くらい召抱えると、あとの展開が楽になる。

 同時に、岡豊城に残した“雑用係”の武将を使って、軍馬や鉄砲、兵士といった物資を中村御所へ運ばせることで、戦線を前に進めていく。陣取りストラテジーの基本テクニックとして、新たに獲得した領地の物資/人材を根こそぎ主力部隊側に吸い上げて、次なる領地征服に向かわせる「イナゴ攻め」という方法があるが、このシナリオでやるべきは、まさにそれだ。

 そしてこのシナリオの特殊事情だと思うが、ほかの大名家は自領内に「募兵」ができる施設をいっさい建てていない。結果論から言えば、長宗我部家としても敵の領地を吸収していく過程で十分な兵力が確保できるので、とくに「募兵」を行わなくても大丈夫なのだが、どこかで手痛い敗北を喫したときの保険として、中村御所城下の武家町に「道場」をいくつか建てておき、岡豊城ともども、夏と冬の農閑期には「民忠」を見つつ、随時「募兵」を行うと安心だ。どうせ、軍資金は有り余るほどあるのだから。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/02/news008.jpg ジャングルのようだった庭が…… 12時間かけた掃除の成果に「感動的な変貌」「素晴らしい」と称賛の声
  2. /nl/articles/2405/10/news008.jpg なかなか体重が増えない保護子猫に高カロリーフードを与え続けたら…… 約1年半後“マッチョ猫”への変貌に驚きが止まらない
  3. /nl/articles/2405/11/news006.jpg 0歳赤ちゃん、ゲップ直後にママを見た瞬間…… かわいすぎる表情の変化に「きゃあああ」「たまらないですね!!」
  4. /nl/articles/2405/09/news132.jpg 【今日の計算】「4×2−6÷2」を計算せよ
  5. /nl/articles/2405/11/news007.jpg 犬の散歩中、知らないおじいさんに呼び止められ…… グッとくる一言に「最高」「お目が高い」と称賛の声が殺到
  6. /nl/articles/2405/11/news002.jpg 7歳娘、自作の“映画泥棒”コスで踊る姿が1000万再生 「いいね1つじゃ足りない!!!」「腹ちぎれそうなくらい笑った」クオリティーの高さに絶賛の声
  7. /nl/articles/2405/08/news177.jpg プログラミング言語で書かれた謎の広告→「分かる人」が見ると……? 粋なアイデアが「おしゃれ」と話題 東急に制作背景を聞いた
  8. /nl/articles/2405/03/news025.jpg 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  9. /nl/articles/2405/11/news019.jpg 「逆に天才」 画像編集AIでポテト付近のレシートを消してみたら…… 斜め上すぎる結果に「気が利いてて草」
  10. /nl/articles/2405/11/news012.jpg カナヘビを捕獲→リリースしたのに…… 友人の手の上でくつろぎはじめた謎の姿に5万いいね「何この羨ましい絵面」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評