よみがえれ美しい思い出! 「タイトーメモリーズ下巻」で記憶の旅に出る(1/4 ページ)

懐かしいゲームが25本収録されている“タイトーメモリーズ”。先月の上巻に引き続き、今月は下巻が発売となる。今回は、この25本からいくつかをピックアップして、そのレビューを書いていこう。

» 2005年08月25日 20時11分 公開
[J.O.宍戸,ITmedia]

スクウェア・エニックスのタイトー買収発表に驚き

 オールドゲーム・懐ゲー・なつゲーなどなど。今や、1980年代までのゲームを呼ぶための単語が、数多く存在する。それだけ、その時代のタイトルは光り輝いていたと言うことだろう。当時は、アーケードゲームといえどもハードの制約は厳しく、今から考えるとチープなグラフィックだったと言える。とはいえ、ゲームはアーケードでリリースされ、それが遅れて家庭に入り込むという図式だった。

 しかし、完全移植されるタイトルはほとんどなく、アーケード野郎はコンシューマゲーム機を軽蔑しつつも、裏では完全移植が可能になるハードの出現を、今か今かと待っていたものだ。つまり、パソコンやファミコンでは味わえない興奮を体験させてくれるゲームセンターというのは、まさに夢を売っている場所だったのだ。

当時のハードでは完全移植できなかった「ちゃっくんぽっぷ」なども、あの頃は羨ましいゲームだった

 そんな昔からアーケードゲームをリリースしてきたタイトーといえば、ゲーム業界の中でも老舗であり、名前が変わる前は太東貿易という会社だった……という話を書いていたら、突然のスクウェア・エニックスによる買収発表が行われ、本当に驚いた。

 ゲーム業界の再編が進んでいるとはいえ、歴史あるタイトーが、昔はPCゲーム会社だったスクウェアとエニックスが合体した会社に買収されてしまうとは、世の中も大きく変わってしまったものだ。ちなみに、そんなスクウェアといえば、ゲームアーツの名作THEXDERの、ファミコン移植作品を出していたり(当時NEC PC-8801mkIISRでプレイしていた人間から言わせると、散々な出来だと個人的には思っている)するわけだが……。この辺りは、Google先生にすべてを任すとして、早速本題に入っていこう。

インタフェースなどにいくつか不満はあるものの、お買い得タイトルなのは間違いなし!

 今回発売となる下巻には、上巻と同じく25本のタイトルが収録されている。ゲーム選択方法は簡単で、一覧表示されているメニュー画面からカーソルを移動して、タイトルを選ぶだけ。簡単な説明が表示されるが、一部のタイトルを除けば詳しい説明も見られるようになっている。「インストカード」(ゲームセンターの筐体上に飾ってある、操作説明などが書かれた紙)が付いてこないので、この説明文は意外に重要だ。またボタン設定も、ある程度は自由に設定できるので、プレイしやすいスタイルに変更しておこう。

25本も入っていると、最初はどれか遊んだらいいのか、迷ってしまう
通常、基板を購入するとインストラクションカードと呼ばれる、ゲームの説明が書かれた紙も付いてくる。が、この手のゲームにはそれがないので、このような詳しい説明があるのはうれしい配慮だ
ボタン配置も、自由に変更できる。ただし、L3R3やセレクトボタンはカスタマイズ不可。個人的には、クレジットをセレクトボタンにしてほしかったところ

 このカスタマイズ、ボタン配置は変更できるのに、画面の配置を変更できないのだ。縦画面のアクションやシューティングゲームでも、横画面固定になっているという何とも残念な仕様には、正直落胆した。ここは、無理をしてでも実装すべきだったのではないだろうか? 特に、最近は液晶テレビが多いのだから、縦に配置するのも苦労しないはず。もうひと手間かけて、縦シューなどはすべて画面回転に対応させてくれれば……。

縦画面プレイ作品も数多く収録されているのに、縦画面表示が選べないのは悲しい。両脇のスペースは工夫されているものの、やはり余っているという感じがする

 もう1つ気になったのが、連射機能のオンオフがない点。連射装置付きのジョイスティックを用意すればいいという話だが、せめてそのぐらいのサービスはしてほしかったところ。当時のゲームを連射でプレイできたら……という夢も、一緒にかなえてほしかった。

「ガンフロンティア」も、連射つきで遊んでみたいゲームの1本。こういった場面で、連射ならどんなに楽なことか……

 そんな感じで各ゲームを軽くチェックしていた時に気づいたのだが、今回も最初は選べないタイトルが5つ存在している。「エレベーターアクション」と「ガンフロンティア」、「ニュージーランドストーリー」に「フロントライン」、そして「クイックス」だ。

 これらを選べるようにするには、ゲームの総プレイ時間が一定数を超えるなどの、特定条件を満たさなければならない。上巻で不評を買ったハズのシステムを、そのまま下巻にも導入するというのは非常に疑問を感じる。恐らくは、すべてのゲームを遊んで欲しいとの配慮からなのだろうけれど、それなら20タイトル収録と発表しておけばいいだけの話では? せめて、納得のいく説明をしてほしかったが……。

 一応、発売日にはロックを解除するコマンドが公開されたものの、タイトーのWebサイトを見なければ分からないため、インターネットへアクセスできない人はお手上げ状態。何らかのユーザーフレンドリーな解決方法を入れてほしかった。

上巻でも不評だったのに、なぜか下巻にもあるロックシステム。タイトーのWebサイトを見れば解決するが、一応ここでもフォローを。ロック解除方法は「タイトル画面でカーソルがSTARTにあっている状態で、L2→R2→R1→L1→セレクト→スタート」の順に入力する

 それでも、1本のソフトの中に25タイトルが入り、しかも税込5040円という価格は、間違いなくお買い得だ。単純計算すると1本あたりの単価は、たったの200円。当時で考えれば、各ゲームを2回プレイしただけで元が取れる勘定になる。これこそが、本当の破格値だろう。今まで、この手のゲームは収録されているタイトルが10本未満だったため、欲求不満を感じることも多かった。しかし、本作のようなスタイルであれば、満足度120%となること間違いなしだ。

 タイトルを選択して○ボタンを押せば、各ゲームがスタートする。当然ながら、収録されているのはアーケードゲームなので、最初にL2ボタンでクレジットを入れなければならない。次にスタートボタンを押すと、初めてゲームが遊べるようになる。

 なお、ゲーム中にセレクトボタンを押せば、いつでも各ゲームまたはメインのタイトル画面に戻れる。便利なのは、ゲーム中にもボタン配置を変更できる点。設定してみたものの合わないと思ったら、すかさず変更しよう。また、どのタイトルもハイスコアを出すと、ゲーム選択画面でハイスコアをチェックできる。点数の低いタイトルを集中的にプレイしよう、と思ったときの指針になるだろう。

クレジットを入れないとゲームがプレイできないところが、本格的。アーケードゲーマーにはうれしい仕様だ
いきなり序盤でやられてしまったときなど、この機能は重宝する。でも、そんなときこそ根性を入れてプレイすると、ハイスコアが出たりするものだ
ジャンプと攻撃ボタンなど、ジョイスティックでプレイするときには設定を変更したほうが良い場合などもある。ゲームをプレイしていて違和感を感じたら、すぐにチェンジ
タイトルごとに、個別にハイスコアが保存される。これは便利だ

 なお、初期設定ではメモリーカードにデータが保存されるようにはなっていない。最初にオプション画面で、オートセーブの設定をオンにしておくといいだろう。

ここでセーブするかオートセーブをオンにしておかないと、毎回ロック解除のコマンドを入力するハメに

収録作品を、当時を振り返りつつレビューしてみる

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/17/news033.jpg 鮮魚店で売れ残っていたタコを連れ帰り、水槽に入れたら…… ヤバすぎる光景に「こんなに可愛いなんて!」「笑ってしまった」
  2. /nl/articles/2501/14/news049.jpg ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  3. /nl/articles/2501/16/news154.jpg 「まじで終わってる」 マクドナルド「エヴァ」コラボ品“高額転売”に嘆く声…… 「結局欲しい人が買えない」
  4. /nl/articles/2501/17/news007.jpg 「やばwww」 ハードオフに「8円」で売られていた“まさかの商品”に大仰天 「田舎の負動産みたい」
  5. /nl/articles/2501/16/news011.jpg 15歳で妊娠した女性、当時は「子どもが子どもを産んで」と言われたことも…… 10年後、大人になった姿に反響
  6. /nl/articles/2501/16/news152.jpg タンクトップ姿のパパ「昔はモテた」→娘は信じていなかったが…… かつての姿に衝撃走る「『トップガン』に出ていても納得」【海外】
  7. /nl/articles/2501/17/news096.jpg 藤本美貴、“庶民的すぎる朝ご飯”に共感の声 「うちも全く一緒の朝ごはん」「今度やってみよ」
  8. /nl/articles/2501/16/news034.jpg 初めてのお風呂で「イヤー!!!」と大絶叫していた保護子猫→3年後…… 思わず涙の劇的成長に「可゛愛゛い゛ぃ」「信じられない」
  9. /nl/articles/2501/17/news050.jpg 「センス抜群」 弟から届いた結婚祝い→開けてみたら…… “粋すぎるチョイス”に絶賛の嵐 「しゃれたことをなさる」
  10. /nl/articles/2501/17/news061.jpg 「そんなバナナ!?」 値引きコーナーの「バナナ」をよく見ると…… 衝撃の中身に「大爆笑させていただきました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  2. 「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
  3. 浜崎あゆみ、息子2人チラリの朝食風景を公開 食卓に並ぶ“国民的キャラクター”のメニューが意外
  4. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  5. 中2長女“書店で好きなだけ本を買う権”を行使した結果…… “驚愕のレシート”が1300万表示「大物になるぞ!!」「これやってみよう」
  6. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”の家族に反響 ジュノンボーイの幼少期が香取慎吾似?【コンテスト特集2024】
  7. 大好きなお母さんが他界し、実家でひとり暮らしする猫 その日常に「涙が溢れてくる……」「温かい気持ちになりました」
  8. 「やばすぎ」 ブックオフに10万円で売られていた“衝撃の商品”に仰天 「これもう文化財」「お宝すぎる」 投稿者に発見時の気持ちを聞いた
  9. 「こんなおばあちゃんになりたい」 1人暮らしの93歳が作る“かんたん夕食”がすごい! 「憧れます」「見習わないといけませんね」
  10. 【今日の難読漢字】「碑」←何と読む?
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」