アクションと格闘ゲームの絶妙なブレンド。アクション派の秋はこれでキマリ!「アーバンレイン」レビュー(5/5 ページ)

» 2005年10月13日 18時30分 公開
[水野隆志,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

観戦するだけでも楽しいマルチプレイヤーモード

 では最後に、後に紹介すると述べたマルチプレイヤーモードについて説明を行おう。本モードでは、その時点で使用可能になっているキャラクターから、自由に使用キャラクターを選んで、さまざま試合を行うことができる。格闘ゲームにもっとも近い1対1の対戦から、2対2のチーム戦、特定のオブジェクトをいかに速く破壊するかなど、一風変わった勝利条件の試合も用意されている。

 中でも、とりわけ面白いのが、多人数格闘アクションの魅力を凝縮した、4人での乱戦だろう。このモードは本当に熱い。自分で参戦するのももちろん楽しいが、全キャラクターをコンピュータ操作にし、観戦しているだけでも十分面白い。同時に4人を動かしているというのに、その動きのなめらかなこと! まるで異種格闘戦の中継でも見ているかのようだ。

 まだ使い慣れていないキャラクターの動きをチェックしたり、乱戦での戦い方を研究したりといった点でも、役に立つ。組み合わせを変えて、何度も戦わせてみると、相手によって各キャラクターの勝率がかなり変わってくることにも気づくだろう。このモードが全員コンピュータ操作可能になっているのは、制作陣の自信の現れなのかもしれない。実際、それに見合う素晴らしい完成度なのだ。

photo 4人対戦では、組み合わせで試合展開が大きく変わってくる。写真はボクシング、カポエラ、カンフー、レスリングの4人。格闘タイプが異なっているので、どこまで自分のスタイルで攻められるかが勝敗を分けるだろう。

格闘ゲームの閉塞感を打破するスタッフの意気込み

 今から10年ほど前、格闘ゲームはものすごい繁栄を遂げていた。にも関わらず、それは急速にしぼんでしまった。その最大の理由は、複雑化していくシステムに新規のプレイヤーが参入できなくなり、しかもゲームの性質上、弱者が強者に勝つことはほとんど不可能だったため、現役プレーヤーもどんどん減っていったことが挙げられる。悲しいかな、今では完全にマニアの領域と言っても過言ではないだろう。

 鉄拳、ソウルキャリバーを作ってきたスタッフには、それが良く分かっていたのではないか。だからこそ、そこで採られた選択は、格闘ゲームの持つ駆け引きの魅力を残しつつも、もっと不確定要素の強い、すなわち強者が絶対勝つという法則を崩すことだったのではないだろうか。

 アーバンレインでは、特に複数での乱戦となると、弱者が最終的に勝ってしまうこともあり得る。実際のバトルロイヤルなどでもよく見かけられるが、強者が最初に集中攻撃を受けて倒されてしまうことは珍しくない。とはいえ、一定の熟練がないと勝てないのもまた確か。すなわち、運と実力のバランスだ。

 これまでの格闘ゲームは、言ってみれば将棋や囲碁、あるいはチェスのようなゲームだった。しかし、アーバンレインはポーカーや麻雀のように、初心者が思わぬ展開によって名人級の強者を破るゲームになっている。これならば弱者も光明を見出せるし、強者は多少の運などでは左右されない、絶対的な強さを求めて鍛錬に励める。

 格闘ゲームにアクションゲームの要素を取り込んで、多人数格闘アクションというジャンルを打ち出したアーバンレイン。これは格闘ゲームが陥ってしまった閉塞感を打破する快作だ。アクション好きなら見逃す手はない。さあ、一刻も早くグリーン・ハーバーへ出立するのだ!

アーバンレイン
対応機種プレイステーション 2
メーカーナムコ
ジャンル多人数格闘アクション
発売日発売中
価格7140円(税込)
前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」