一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part4:Xbox編その2(1/5 ページ)
気がつけば「Xbox 360」の発売はもう目前。うかうかしてると「現行機で次世代機の気分を先取り」どころではなくなるので、前回のXbox編の続きを少し慌てながらのお届け。マニアックな印象が強いXboxだが、HDTV+5.1ch環境をベースに遊んでみると、意外に良作揃い?
Xbox 360にはD端子ケーブルが標準付属
前回のPart3掲載後に「Xbox 360プレス発表会」が開催され、それに合わせて日本におけるXbox 360の発売日などが明らかにされた。発売日は12月10日、価格は税込みで3万9795円とのこと。北米での予定価格は399.99ドルだから、ここ最近の為替相場(1ドル=113円)で換算すると約4万5000円に相当するが、それを日本では4万円以下に抑えてきたあたり、マイクロソフトの「日本市場最重視」の言葉に偽りなしといったところか。
今回明らかになった情報の中で、個人的に最も注目したのが、その同梱物。北米のXbox 360にはコンポーネントケーブルが付属するのに対し、日本向け本体にはD端子ケーブル(名称は「D端子 HD AVケーブル」)が付属することになった。これは、国内のHDTVユーザーにとって朗報と言えそうだ。前回も書いたことだが、日本のHDTVではコンポーネント端子よりもD端子を装備したものが圧倒的に多い。現行のXboxの場合、別売りの「コンポーネントAVパック」を購入し、さらにD端子への変換ケーブルも用意する必要があったので、かかるコストや接続のややこしさがネックになっていたように思う。Xbox用ソフトとの互換性がどの程度確保されるかがまだ不透明ながら、Xbox 360なら買ってきてすぐにHDTVのD端子に接続できるというのは素直に喜ばしい。
HDTV+5.1ch環境で俄然おもしろくなる「Halo 2」
さて話を当連載の本旨に戻して、前回に引き続き、HDTV+5.1ch環境で次世代機の片鱗を感じさてくれるXboxソフトをいくつかご紹介したい。まずは、やはりこのソフトは外せないだろうということで「Halo 2」(マイクロソフト)から。
いまさら説明するまでもなく、HaloシリーズはXboxを代表する大ヒット作で、1作目は全世界で500万本、続編のHalo 2はそれをさらに上回るセールスを記録している。内容は、人類と“コヴナント”なる地球外生命体との壮絶な戦いを描いたスペースファンタジー。多彩な銃器の数々を使い分けたり、敵の乗り物を奪取して操縦できるなど、様々な要素が盛り込まれた一人称視点のアクションシューティングだ。とりわけ北米での人気は凄まじく、すでに映画化の話が進んでいるほか、主人公“マスターチーフ”の等身大フィギュアまで売られているほど。
白状すると、筆者自身はHaloシリーズにさほど熱くなれなかったクチで、2作とも発売日に勇んで購入したにもかかわらず、中途半端にプレイした程度なのである。Xboxのキラータイトルだけあって、非常に凝った作りであることはわかるのに、最後までプレイするモチベーションがどうにも続かない。Haloファンには叱られてしまいそうだが、強く惹きつけられるものを感じられなかったのだ。
ところが、HDTVと5.1ch環境を導入してからは、とりわけHalo 2の印象が一変した。Halo 2は480p対応の16:9ワイド表示が可能で(前作のHaloはワイド非対応)、HDTVに映し出してみると、モデリングの精緻さや、テクスチャが細部まできっちり描き込まれていることなどがよくわかる。また、大画面のワイドTVでは映像のダイナミックさが強調され、世界観に没入しやすい。
HDTVによる映像の美しさ以上に効果を実感しやすいのが、5.1chシステムを使用した際の音響効果だ。Xboxにはドルビーラボラトリーズが開発した「Dolby Interactive Content Encoder」がハードウェアに組み込まれており、ゲームの進行に合わせてマルチチャンネル音声をリアルタイムに生成することができる。Halo 2は、この機能を効果的に活用していて、プレイ中の気分をいっそう盛り上げてくれる。
例えば、自分の近くで誰かがしゃべっていると、そのキャラのいる方角から声が聞こえてくる。キャンペーンモード序盤のシーンで、シールドチャージテストなどの説明を受ける場面があるが、このときに自分の向きを変えると声が横から聞こえたり後ろから聞こえたりする。これがおもしろくて、話しかけられている間、あちこち向きを変えたりその場でぐるぐる回っていたら、「こっちだ、チーフ!聞いているのか!?」と叱られて、少ししょげた。小学生の頃、通信簿に「落ち着きがない」と書かれたのを思い出した……。
この音響効果は、場の臨場感を高めるのみならず、ゲームのプレイにも有利に働く。銃声やコヴナントの声から敵の方角がつかめるので、視覚にのみ頼る場合よりも敵に素早く対処しやすくなるからだ。Halo 2を含め、「一人称視点のシューティングゲームはちょっと苦手」という方こそ、5.1ch環境でプレイしてみるとよいかもしれない。
余談だが、3万本限定で販売された「リミテッドエディション」や、5千本限定の「リミテッドエディション Xbox Live同梱版」に付いている“プレミアムDVD”には、ドルビーデジタル5.1chのテストサウンドが収録されている。コヴナント軍の“アンゴイ”が5つのスピーカーに音を振り分け、“レクゴロ”がサブウーファーを鳴らすという内容。これがなかなかおもしろいので、リミテッドエディションを入手できた方はぜひ5.1chシステムでお試しあれ。
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