連載
» 2005年10月21日 14時44分 公開

一足お先に次世代機気分――HDTV+5.1chで現行機を遊ぶススメ Part4:Xbox編その2(1/5 ページ)

気がつけば「Xbox 360」の発売はもう目前。うかうかしてると「現行機で次世代機の気分を先取り」どころではなくなるので、前回のXbox編の続きを少し慌てながらのお届け。マニアックな印象が強いXboxだが、HDTV+5.1ch環境をベースに遊んでみると、意外に良作揃い?

[小泉公仁,ITmedia]

Xbox 360にはD端子ケーブルが標準付属

 前回のPart3掲載後に「Xbox 360プレス発表会」が開催され、それに合わせて日本におけるXbox 360の発売日などが明らかにされた。発売日は12月10日、価格は税込みで3万9795円とのこと。北米での予定価格は399.99ドルだから、ここ最近の為替相場(1ドル=113円)で換算すると約4万5000円に相当するが、それを日本では4万円以下に抑えてきたあたり、マイクロソフトの「日本市場最重視」の言葉に偽りなしといったところか。

 今回明らかになった情報の中で、個人的に最も注目したのが、その同梱物。北米のXbox 360にはコンポーネントケーブルが付属するのに対し、日本向け本体にはD端子ケーブル(名称は「D端子 HD AVケーブル」)が付属することになった。これは、国内のHDTVユーザーにとって朗報と言えそうだ。前回も書いたことだが、日本のHDTVではコンポーネント端子よりもD端子を装備したものが圧倒的に多い。現行のXboxの場合、別売りの「コンポーネントAVパック」を購入し、さらにD端子への変換ケーブルも用意する必要があったので、かかるコストや接続のややこしさがネックになっていたように思う。Xbox用ソフトとの互換性がどの程度確保されるかがまだ不透明ながら、Xbox 360なら買ってきてすぐにHDTVのD端子に接続できるというのは素直に喜ばしい。

HDTV+5.1ch環境で俄然おもしろくなる「Halo 2」

 さて話を当連載の本旨に戻して、前回に引き続き、HDTV+5.1ch環境で次世代機の片鱗を感じさてくれるXboxソフトをいくつかご紹介したい。まずは、やはりこのソフトは外せないだろうということで「Halo 2」(マイクロソフト)から。

 いまさら説明するまでもなく、HaloシリーズはXboxを代表する大ヒット作で、1作目は全世界で500万本、続編のHalo 2はそれをさらに上回るセールスを記録している。内容は、人類と“コヴナント”なる地球外生命体との壮絶な戦いを描いたスペースファンタジー。多彩な銃器の数々を使い分けたり、敵の乗り物を奪取して操縦できるなど、様々な要素が盛り込まれた一人称視点のアクションシューティングだ。とりわけ北米での人気は凄まじく、すでに映画化の話が進んでいるほか、主人公“マスターチーフ”の等身大フィギュアまで売られているほど。

 白状すると、筆者自身はHaloシリーズにさほど熱くなれなかったクチで、2作とも発売日に勇んで購入したにもかかわらず、中途半端にプレイした程度なのである。Xboxのキラータイトルだけあって、非常に凝った作りであることはわかるのに、最後までプレイするモチベーションがどうにも続かない。Haloファンには叱られてしまいそうだが、強く惹きつけられるものを感じられなかったのだ。

 ところが、HDTVと5.1ch環境を導入してからは、とりわけHalo 2の印象が一変した。Halo 2は480p対応の16:9ワイド表示が可能で(前作のHaloはワイド非対応)、HDTVに映し出してみると、モデリングの精緻さや、テクスチャが細部まできっちり描き込まれていることなどがよくわかる。また、大画面のワイドTVでは映像のダイナミックさが強調され、世界観に没入しやすい。

画像 HDTVに480pで表示すると、テクスチャの詳細さが強調され、質感の高い映像が楽しめる。Halo 2からはワイド表示にも対応し、視界の広さが臨場感をさらに高めている

 HDTVによる映像の美しさ以上に効果を実感しやすいのが、5.1chシステムを使用した際の音響効果だ。Xboxにはドルビーラボラトリーズが開発した「Dolby Interactive Content Encoder」がハードウェアに組み込まれており、ゲームの進行に合わせてマルチチャンネル音声をリアルタイムに生成することができる。Halo 2は、この機能を効果的に活用していて、プレイ中の気分をいっそう盛り上げてくれる。

 例えば、自分の近くで誰かがしゃべっていると、そのキャラのいる方角から声が聞こえてくる。キャンペーンモード序盤のシーンで、シールドチャージテストなどの説明を受ける場面があるが、このときに自分の向きを変えると声が横から聞こえたり後ろから聞こえたりする。これがおもしろくて、話しかけられている間、あちこち向きを変えたりその場でぐるぐる回っていたら、「こっちだ、チーフ!聞いているのか!?」と叱られて、少ししょげた。小学生の頃、通信簿に「落ち着きがない」と書かれたのを思い出した……。

 この音響効果は、場の臨場感を高めるのみならず、ゲームのプレイにも有利に働く。銃声やコヴナントの声から敵の方角がつかめるので、視覚にのみ頼る場合よりも敵に素早く対処しやすくなるからだ。Halo 2を含め、「一人称視点のシューティングゲームはちょっと苦手」という方こそ、5.1ch環境でプレイしてみるとよいかもしれない。

画像 目の前の敵はもちろん、視界に入っていない方向から撃たれても、音で敵の位置を特定できる。ただし、敵の数があまりに多い場合は、音に頼りすぎると却って混乱するかも?
画像 戦車に乗り込んで敵を撃破していくシーンもある。5.1ch環境では爆発音などに重量感が強く感じられ、迫力が増す

 余談だが、3万本限定で販売された「リミテッドエディション」や、5千本限定の「リミテッドエディション Xbox Live同梱版」に付いている“プレミアムDVD”には、ドルビーデジタル5.1chのテストサウンドが収録されている。コヴナント軍の“アンゴイ”が5つのスピーカーに音を振り分け、“レクゴロ”がサブウーファーを鳴らすという内容。これがなかなかおもしろいので、リミテッドエディションを入手できた方はぜひ5.1chシステムでお試しあれ。

画像 プレミアムDVDのメインメニューから「設定とクレジット」−「オーディオ」を選ぶと、ドルビーデジタル5.1chのテストサウンドが再生される。“アンゴイ”がドタバタと駆け回る際の音の移動感や定位感を元に、各スピーカーの位置と出力を調整するとよい
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/08/news148.jpg DAIGOの姉・影木栄貴、ノーメイク姿の姉弟ショットで美形ファミリーぶり際立つ 「目元瓜二つ」「すっぴんでも綺麗」
  2. /nl/articles/2312/07/news024.jpg 生まれて間もなく捨てられていた保護子猫が“真っ白なエビフライ”に おなかいっぱい食べられるおうちで過ごす姿に心あたたまる
  3. /nl/articles/2312/08/news124.jpg 元・成宮寛貴ら、豪華メンバー飲み会に“元芸能人”が偶然登場 衝撃の身なりに「都内でこの格好ヤバっ」
  4. /nl/articles/2312/08/news109.jpg 小木博明の妻、52歳のサプライズ誕生日会に「負荷などありましたが嬉しくて」 “母”ら豪華メンバー集結に「みなさんいい笑顔」「ハッピーで最高」
  5. /nl/articles/2312/08/news023.jpg 赤いアロワナ(紅龍)を買ったら色が変化、「もしかして騙された?」と思ったら…… 劇的に変化した理由が興味深い
  6. /nl/articles/2312/05/news021.jpg 柴犬が見つけた瀕死の子猫、最後の力で立ち上がり…… 優しさが救った小さな命が600万再生「感動と感謝です」
  7. /nl/articles/2312/08/news026.jpg 子猫を保護して2週間、最初は警戒していた先住犬たちも…… みんなで団子寝する仲睦まじい姿に「なんて幸せな光景」「愛にあふれてる」
  8. /nl/articles/2312/08/news141.jpg 「感心しまくりでたーくさんGET」 神田うの、“初ZARA”での爆買いに感動「リーズナブルでビックリ」
  9. /nl/articles/2312/08/news147.jpg 寺田心、最新の“細マッチョ”姿に驚きの声が集まる 「体が逆三角形」「筋肉系になっていたとは」
  10. /nl/articles/2312/08/news017.jpg 柴犬、飼い主の「行ってくるね」にジワジワと表情がくもっていき……? 豊かな感情のゆれ動きに「切ない……」「押し寄せてる」
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」