380(種類以上)×1000(回遊べるRPG)の面白さ。もぐって集めて遊び尽くせ「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」レビュー:(1/5 ページ)

もはや説明の必要もないほどの人気タイトル「ポケットモンスター」シリーズと、根強い人気で常に続編が待たれる「不思議のダンジョン」シリーズが夢のコラボレーションを実現した。その名も「ポケモン不思議のダンジョン」。青と赤の同時発売でニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスで遊べる本作について熱くお伝えしよう。

» 2005年12月13日 09時30分 公開
[仗桐安,ITmedia]
画像

面白さの融合! ポケモン×不思議のダンジョン

 「よくできてるなー」

 これが筆者が「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊」(以下「青」)と「ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊」(以下「赤」 ※2作の総称は「本作」と表記する)をプレイしてみた結論だ。これはもちろん肯定的な意味だし、大きな賛辞である。

 人はあまりにもすごいものを見るとボキャブラリーが減るらしい。自分の10倍もの大きさを誇る巨像を見れば「うわー」とか「でかー」という言葉しか出なかったりするだろうし、目もくらむほどに美しい光景を見たらため息しか出なかったり、「いやぁ」とか「すごいなぁ」とか口から出てくる言葉もシンプルになるだろう。

 筆者の「よくできている」もそれに近いものがある。プレイしている間「うわーよくできてんなー」「よくできてるわー」と何度頭のなかで連呼したことか。とにかくよくできたゲームなのだ。しかし「よくできている」という単語だけでは他者に本作のよさを伝えることはできない。うむ。あれやこれやと言葉を駆使してみよう。

 「よくできている」という言葉は時として「無難にできている」「手堅く仕上がっている」というニュアンスから「保守的で冒険心の低い大人しい作り」というやや否定的な意味として扱われることがある。しかし本作に対する筆者の「よくできている」はむしろその逆だ。作りこまれたキャラクターと、作りこまれたシステムがただ融合するだけではなく、1+1が5にも10にもなっている。そんな面白さの相乗効果を感じることができたのである。

 そもそも筆者は「ポケットモンスター」シリーズにもひと通りハマり、「不思議のダンジョン」シリーズもほぼ全作プレイしてきた、両者のファンだった。だからこの2シリーズがコラボレートするというニュースを聞いたときには非常にうれしかったものだ。ただファンゆえに「変にいいとこどりして中途半端なものになったりしないか」という一抹の不安もあった。しかしそんな不安が杞憂であることは数時間のプレイで分かった。ポケモンと不思議のダンジョン。両者の魅力がそれぞれに出ており、しかもお互いを損なうことなく最大級に面白さを引き出している。素直にそう思えるタイトルである。

 さて。それではどこがどう「よくできている」のか。本作の魅力をお伝えできればと思う。

画像 ポケモンになってしまった主人公はパートナーとともに果てしない救助の道を往く

揃いも揃った主人公たち。組み合わせは無限大?

 青と赤はそれぞれニンテンドーDS(以下、NDS)とゲームボーイアドバンス(以下、GBA)という異なるプラットフォームで発売されたが、今までのポケットモンスターシリーズがそうであったように、青と赤という異なるバージョン同士が相互にかかわり合う遊び方が提供されている。その点については後述するとして、まずは両者共通の部分に触れよう。

画像

 ゲームを初めてプレイする場合、プレーヤーは9つの質問に答えることになる。質問は簡単な心理テストのようなもの。変にひねくれずに感じるままに答えていくほうが、あとあと納得できるだろう。最後に「おとこ」か「おんな」かを選ぶと自分が何というポケモンになるのかが示される。

 主人公ポケモンの種類は全部でなんと16種類。つまり別の回答をすれば、なれたかもしれないポケモンが15種類もいるということだ。さらにプレーヤーは自分のパートナーとなるポケモンを10種類から選ぶことができる。この2匹の組み合わせは相当なバリエーションが産まれるだろう。10人がプレイして10通りの主人公チームができると言っても過言ではない。

画像 主人公チームの個性で戦略も変わってくる

 こういった最初の選択肢の広さにはポケモンの血脈を確かに感じることができる。ポケットモンスターシリーズでは、最初に連れて行くポケモンを3匹から選ぶことができた。逆に言えば残りの2匹は選べない仕様だ。通信で交換ができるという前提でそういったシステムが採用されていたのだが、本作も同様、残りのポケモンが今手に入らないもどかしさと、後で仲間にできる楽しみが備わっている。

 ちなみに筆者の場合、青のほうがゼニガメとピカチュウ、赤のほうはヒトカゲとミズゴロウだった。このようにパートナーポケモンは主人公とタイプの違うものにすることをお勧めする。なぜならストーリーをたどる間、パートナーは常に主人公と一緒にいるからだ。バランスのよさそうなパートナーを選んでゲームスタートだ。

画像
(C)2005 Pokémon. (C)1995-2005 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. (C)1993-2005 CHUNSOFT.
Illus. Ken Sugimori
ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
「不思議のダンジョン」はチュンソフトの登録商標です。
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた