380(種類以上)×1000(回遊べるRPG)の面白さ。もぐって集めて遊び尽くせ「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」レビュー:(2/5 ページ)

» 2005年12月13日 09時30分 公開
[仗桐安,ITmedia]

ベタだけど「よくできている」ストーリー

 不思議のダンジョンゆずりのゲームシステムに触れる前に、ネタばれしない程度にストーリーについて言及しておきたい。

 「自分は人間だ」という記憶を持つ主人公は、パートナーポケモンに助けられたことで「ポケモンになってしまった」という事実に気付く。困惑する主人公。しかし状況がよく分からぬままにバタフリーの要請を受けてキャタピーを助ける旅に出ることになる。最初のダンジョン「ちいさなもり」は比較的簡単だし、ダンジョン内でのいろいろな要素を把握するためのチュートリアルとして秀逸だ。これをこなすことでダンジョンを進みながら基本操作を覚えることができる。

 キャタピーの救助はおそらく難なくこなせるだろう。その後はパートナーポケモンの誘いで一緒に救助隊を作ることになる(救助隊の名前は自由に決めることができる)。本作のポケモン世界には各ダンジョンで救助を待っていたり、○○が欲しい! というリクエストを出すポケモンたちがたくさんいる。そんな依頼の数々はペリッパーが運んでくることもあるし、ペリッパー連絡所で掲示板から受けることも可能だ。

 ひたすらダンジョンに潜り、どうぐを入手し、困っているポケモンを助け、お金を貯めたりどうぐを購入したりする毎日。基本的に一度ダンジョンにもぐって帰ってきたら「疲れたから休もう」とパートナーに言われて眠ることになる。この眠りのあいだに夢イベントとも言うべきシーンが挟まれることがあり「なぜ突然ポケモンになってしまったのか」という最大の謎の核心に触れる情報が少しずつ明らかになっていく。

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 そのあいだにも、各イベントにて探検できるダンジョンが少しずつ増えていき、主人公たちのレベルもあがり、倒したポケモンを仲間にできるようになり、救助隊の活動は続く。それと平行してポケモン世界での天変地異や災害の情報が入ってくるようになり、主人公のすみかでも地震が頻繁に起こるようになる。

 そして中盤。筆者自身「えー、どうすんのこれー!」と思わず叫びそうになったビックリなイベントがあり、救助隊の2匹に劇的な展開が訪れた。この先は言わずにおいたほうがいいだろう。このあたりからがぜんストーリーの芯ががっちりしてきて、ただ救助をする、というまったりしたゲームではないことを思い知らされた。

 脇役たちもなかなかの名演で楽しませてくれる。フーディン率いる「FLB」というチームやゲンガー率いる「イジワルズ」など、個性的なポケモンたちが主人公たちの敵になり味方になり、物語の展開に華を添えている。キャタピーやトランセルなどの弱キャラたちが和ませてくれるシーンもある。今までの「ポケットモンスター」シリーズでは、ポケモンを駆使する人間が主人公だったが、本作ではポケモンが主人公。周りのポケモンたちが同じ目線で話しかけてくるのが新鮮といえば新鮮だ。

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 「不思議のダンジョン」シリーズといえば、もちろんこれまでもストーリーがあったが、どちらかというとダンジョン重視というか「始めにダンジョンありき」だったように思う。とにかくダンジョンに入って任務を遂行し、目的に向かってどうぐやお金を集めるという要素が優先される「ダンジョンのためのダンジョン」という印象があった。しかし本作ではダンジョンを探検するという行為と、中盤以降のストーリーが無理なく親和しており、かなり好感が持てた。しかも主人公チームに感情移入しやすい作りになっている。かなりベタな展開ではあるが、奇をてらわないストレートさが最近のディズニーCGアニメを連想させ、筆者としてはかなりツボにはまった。正直なところ泣くには及ばなかったが、ラストにはジーンとさせられたものだ。

 もちろん「ポケットモンスター」「不思議のダンジョン」両者の共通事項としてプレーヤーの皆さんは覚悟していることであろうが、ストーリーをクリアしたからといって冒険が終わるはずもない。むしろポケモンにせよダンジョンにせよ増えていくし、クリア後に追加される要素も満載だ。380種類以上いるポケモンを全て仲間にしようと思ったら、おそらくストーリークリアの何倍もの時間がかかるだろう。やり込みたい人は安心してほしい。その点は万全すぎるほどに万全なのだ。

画像 ほぼ全てのポケモンが仲間になるらしい。まだまだ全然足りないな…
(C)2005 Pokémon. (C)1995-2005 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. (C)1993-2005 CHUNSOFT.
Illus. Ken Sugimori
ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
「不思議のダンジョン」はチュンソフトの登録商標です。

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