レビュー
» 2006年04月05日 00時00分 公開

「ファイナルファンタジーXII」レビュー:一皮むけた骨太な「FF」。だからこそ今回ばかりは絶対にプレイしてほしい (2/3)

[鷲尾トモノリ,ITmedia]

キャラクターを育てるのが楽しくなる「ライセンス」システム

 ヴァンを始めとした主人公のパーティは最大6人からなるが、フィールド上に表示され、戦闘などに参加できるのは操作可能キャラクターは3人までだ。そのため、状況などによってキャラクターは適宜入れ替える必要が出てくる。例えば、飛行タイプのモンスターが多く出現する場所は、飛び道具を使えるキャラで固める。ボス戦には強力な補助・回復魔法を使えるキャラクターを入れる。金を稼ぎたい時は敵からアイテムを盗めるキャラクターを使う。といった感じだ。

 こういった使用キャラクターの入れ替えというのは、FFXIIに限ったことではないので、特筆すべき部分はないのだが、それでも改めて説明したのは、FFXIIが“各キャラクターの特徴・特性をプレーヤーが自由に作っていくことができる”から。そのキャラクターが、どんな装備を使えるのか、どんな魔法や特殊な技を使えるのか、力とHPに優れた戦士タイプなのか、魔力が高くMPも有効に使える魔術師タイプなのかといったことを、それぞれのキャラクターの成長に応じて、変化・助長させることができるのである。

photo 召喚獣は、特定のイベントをクリアすることによって、ライセンスを取得できるようになる

 ゲーム中では「ライセンス」と呼ばれるこのシステムは、戦闘によって得た「ライセンスポイント(LP)」を消費することにより、特技や特徴をキャラクターごとに購入することができる。ライセンスは200種類以上もあり、多種多様な武器のタイプ、魔法のカテゴリ、能力値やアイテム効果などの強化はもちろん、「ミストナック」と呼ばれる必殺技や、シリーズでは欠かすことのできない「召喚獣」なども含まれている。

 ライセンスを自由に選び、キャラクターをカスタマイズしていくことで、例えば戦士タイプにするにしても、威力のある武器と強固な鎧に身を包んだ重戦士なのか、スピードと手数を重視した軽戦士なのか、あるいは魔法もそこそこ使える魔法戦士なのか、といったように選択の幅が出てくる。

photo 装備や魔法、技などは、対応するライセンスを取得した上で購入するなどして、初めて使えるようになる

 それ以外にも、あくまで戦闘能力を追求していくのか、それとも便利な小技を充実させていくのか、という葛藤も生まれるし、ひとりのキャラクターにタイプの違う複数種の武器ライセンスを修得させ、状況に合わせて使い分けられるようにする、などの戦術的な面からの補強も行うことができる。もちろん“きゃしゃな女の子にごっつい武器を振り回させたい”といった粋なチョイスにも対応可能だ。

 とは言え、ライセンスシステムには注意しなければならない2つの制約がある。まずひとつ目は、LPが有限であるということ。戦闘で稼ぐことができるとはいっても、ライセンスの数はあまりにも多い。強力なライセンスほど必要なLPも多いので、あれもこれもというわけにはいかないのである。最初は問題ないかもしれないが、中盤を過ぎたころにはある程度明確な成長の方向性を決める必要があるだろう。

 ふたつ目はライセンス同士の繋がりとなる。ライセンス取得のための画面(ライセンスボード)はチェス盤のようになっており、マス目のひとつひとつが特定のライセンスに対応しているが、キャラクターごとに最初から取得済みのライセンス以外のマスには、ほとんどなにも表示されていない。

 実は、特定のライセンスを取得できる状態にするには、そのマスに隣接するライセンスを取得しておかなければならないのである。ひとつのライセンスを取得することで、そのマスの四方のマスが開き、どんな内容のライセンスなのかが明らかになるのだ。

 そのためライセンスの取得は、“点”ではなく“線”で考えていかなければならない。武器や魔法など、同じカテゴリーのものは、多くが同一線上に連なって配置されているのであまり問題はないが、それ以外のものに関しては、同種のものでも少し(時にはかなり)離れた場所に位置していることがある。

photo ライセンスボードをくらべてみれば、各キャラの成長の方向性の違い(あるいは類似)が見て取れる

 欲しいライセンスがこれまで進めてきた“線”では、素直に取りにいけない場所にあった場合、取得をあきらめるか、それとも取りに行くか。もし取るなら、そのキャラクターにとってあまり必要のないライセンスを経由してでも最短距離を進むべきか、それとも遠回りになっても、比較的必要なライセンスだけを経由して進むのか。あれこれと悩みながらライセンスを取得していくことになる。

 これは決して問題点というわけではない。そうやって一喜一憂しながら思い描いたキャラクターを完成させていく過程が、何とも楽しいのである。そこにはまさに、“自分だけのキャラクターを作り成長させていく”というRPGの醍醐味が表現されているのだ。

オート戦闘が面白くなる、一風変わった「ガンビット」システム

 FFXIIにおける戦闘は、フィールド上を行動している敵キャラクターに接触することで開始されるが、特に戦闘画面へと切り替わることなく、その場で、そのままの画面で戦闘が行われる。ただし、システム的に言えばいつも通りのコマンド選択式となっているので、複雑になったというわけではない。画面上でキャラクターを動かすことはできるが、これは敵との間合いを調整する(使用する武器にもよるが、敵との距離が離れていると攻撃が当たらない)程度と考えて問題なく、むしろシームレス戦闘となり、よりシンプルになったと言える。

 戦闘での注目点はほかにある。それがライセンスと並ぶ、FFXIIのシステム2本柱といえる「ガンビット」システムだ。ガンビットというのは、主にチェスで使われる言葉で、対局の序盤において、後の有利な形を作るために、あえて敵に駒を取らせるなどして盤面を調整する段階のこと。FFXIIに当てはめて言うと、“キャラクターをオート戦闘させるための思考ルーチンの設定”となる。

photo 混戦となることも多いが、各キャラや敵から伸びるラインで、それぞれのターゲットを判別できる

 戦闘はリアルタイムで進行する上、戦っているうちにほかの敵が加わってきたりと、状況が流動的に変化する。そのため、戦闘に参加するのが3人だけとはいえ、ひとつひとつのコマンドを、状況に合わせて選択し入力していくのは、かなり忙しい作業となり、タイムロスも発生して効率が悪い。

 そこで戦闘は完全にオートにする、3人のうちのひとりに設定する「リーダー」のみ手動にして残りをオートで動かす、という形が中心になってくるのだが、その際に、オートのキャラクターがどういう条件で、どういう行動をするのかを決めるのが、ガンビットなのである。

 ガンビットは行動の内容とその発動条件、複数の行動のうちどれがより優先されるのか、という3つの要素を専用の画面で設定していく。行動の内容とその発動条件の組み合わせのひとつひとつを「ガンビットスロット」といい、このスロットの中身と序列を決めていくのである。なお、ガンビットスロットの数は、ライセンスを取得することで増やしていくことができる。

 例えば「目の前の敵→たたかう」と設定すれば、そのキャラクターは敵が一定距離まで近づいた場合に、自動的に戦闘をしかけるようになる。勝手に戦闘を始められるのがいやな場合は、「リーダーの敵→たたかう」という設定にすれば、リーダーが戦闘を始めることで、それに追随してくれるようになる。ほかにも、「HP<70%の味方→ケアル」とすれば、HPが7割を切ったキャラに自動的に回復魔法をかけてくれるようになるし、「敵1体→盗む」などのように、特定の技を発動させることもできる。

photo ガンビットは、キャラクターごとのON・0FF、スロットごとのON・0FFが自由に行え、戦闘中も変更可能だ

 ただ、ここで注意しなければならないのが、それぞれの行動の優先順位だ。例えば「リーダーの敵→たたかう」が「HP<70%の味方→ケアル」よりも高い優先順位にあった場合、そのキャラクターはリーダーが戦っている限り、回復魔法を使ってくれない。優先順位をよく考えて効果的に設定する必要があるのである。行わせることのできる行動は、アイテムの使用なども含めて、手動で行えることならすべて設定可能で、発動条件に関しても非常に細かく設定できる。いかに有効に働くガンビットを組み立てることができるか? プレーヤーの腕の見せ所となるだろう。

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