この爽快感はクセになる?――2D生まれの3D格ゲー「KOF マキシマムインパクト2」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年05月19日 00時00分 公開
[中山琢満,ITmedia]
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「スタイリッシュ・アート5→風方拳→スーパーキャンセル→幻影雷神流星拳」。アルバを使用した場合すべてヒットするとこれだけのダメージが与えられる

 MIシリーズでは今回「スーパーキャンセル」が新たに採用された。本作ではこれにより、MI1に比べて連続攻撃がさらにパワーアップしている。MI1では通常攻撃やスタイリッシュ・アートの後に必殺技を繋げるとそこで連続技は終了していた。しかしこのシステムにより必殺技の後にさらに超必殺技が出せるようになっている。技の組み合せによっては相手の体力ゲージを半分以上減らすことも可能だが、1つ注意することはこのシステムを使用する場合、別にもう1本のパワーゲージが必要となること。要はスーパーキャンセルで超必殺技を使用するには最大4本のパワーゲージが必要となる。

 ここまでが攻撃側のシステムで、ここからは防御側を紹介していく。まず基本的な防御・回避行動として通常ガードのほかに「前転・後転」がある。この行動中は打撃や遠隔攻撃に対して無敵状態となるが、終了後に少し隙が生じるので多用は禁物だ。

 そして3Dフィールドを使った回避・移動も可能となっており、奥側・手前側にそれぞれ移動できる「サイドステップ」。方向キー入力(奥側へは上、手前側へは下)と弱パンチ+弱キックボタンを短く押すとそれぞれの方向へステップ移動することができ、相手の直線的な攻撃を回避することが可能。さらに上記の前転・後転よりも隙が少なく、移動後すぐに攻撃することが可能なのでこちらは覚えておくと多用できる技である。そして押したままにすると相手を中心に円を描いた移動をしながら距離を詰めていける。

 そして、スタイリッシュアートなどの連続攻撃に対抗する技として「ガードキャンセル」がある。これにより相手の連続攻撃をガード中に「吹っ飛ばし攻撃」、もしくは前転・後転を行うことが可能となる。しかし、これらもパワーゲージを1本消費するので使いどころを考えないと結果的に不利になりかねない。壁際に押し込まれている場合などに仕切直す意味で使用するのがいいだろう。そして一部の攻撃(必殺技や超必殺技等)や連続ガード中は無効となることにも注意したい。


写真は相手の下段攻撃をさばいた瞬間。しかしこれだけでは優位に立てたとは言えない、ここからさらにプレイヤー同士の読み合いが続く

 回避行動の上級テクニックとして、本作から追加された新システム「さばき」がある。これは文字通り相手の攻撃をさばく(受け流す)ことが可能で、出しかたは方向キーとL2ボタン(もしくは方向キー+弱キック+強パンチ)といった簡単な操作で発生する。しかし、相手の攻撃をさばくには、それが上・中段なのか下段なのかを判断し、なおかつ対応しなければならない。操作は簡単でも実際さばくことは容易ではないが、それが成功すれば相手はその瞬間無防備状態となる。そこで攻勢に転じるチャンスが生まれるわけだ。今までは相手の連続攻撃が始まるとこちらは防御一手だったのに対し、防御側から攻勢に転じるチャンスが作れるようになった。それまで劣勢だったプレーヤーも、一瞬の読み次第で大逆転することも不可能ではない。

 そして「さばき返し」。これも文字通りの技だが、目まぐるしい攻防の最中に自分がさばかれた一瞬を判断して、さらに相手の反撃をさばき返すのはなかなか難しい。しかし練習を積み、それが見切れるようになれば、対戦相手とさばき合いを行うようなプレイも可能だろう。こういったことができれば今後一番の見せ場となってくる。しばらくプレイしてある程度さばくことになれてくると、その読み合いが非常に緊張していて楽しい。

 さばき返しには上記よりも比較的容易に対応することが可能な方法がもう1つある。それが攻撃をさばかれた瞬間に前転・後転、もしくはふっとばし攻撃を行えるというもの。しかし、どちらもパワーゲージを1本消費するので、ガードキャンセルと同様に自分の状態を常に把握しておく必要がある。

 今回本作をプレイしてまず感じたのは、システムとキャラクターのバランスが非常に良く調整されていること。さらに攻防があらゆる場面で逆転する可能性があるので対人戦が非常に緊張感があって楽しめることだ。勢いだけで攻撃をしていても容易には勝てなくなっていて、プレーヤーのスキルがそのまま勝敗に繋がるようにでき上がっている。

ネットワーク対戦の魅力

 本作ではMMBB(KDDIの提供する定額有料制のオンラインゲーム用ネットワークシステム)を使ったオンライン対戦が可能となっている。最近になってPS2でも対応するタイトルがようやく増えてきているが、オフラインで練習した成果をオンラインですぐに試せるのはうれしい限りだ。

 オンラインに繋ぐとまず大きく4つの部屋に分けられている。これは、それぞれプレーヤーのレベル(プレーヤーには強さを示すレベルがあり、対戦で得られるポイントをためることで上がっていく)によって入れる部屋が分かれており、ここですでに対戦希望を出しているプレーヤーに対戦を申し込んだり、自分が対戦条件を指定して希望を出すことができる。これにより初心者でも比較的近い強さの人と対戦することができるので初めての人にも安心だ。そしてレベルやポイントを気にせず対戦や練習をしたい人のためにもう1つ部屋が用意されている。ここはすべてのプレーヤーに開放されているので、レベルの違う友達同士で遊ぶ時にはこちらを使えばいいだろう。

 やや手間のかかるネットワーク対戦だが、オンラインにつなげる環境のある人は一度オンラインプレイを試してみてはいかがだろうか。

KOFマキシマムインパクト2
対応機種プレイステーション 2
メーカーSNKプレイモア
ジャンル3D対戦格闘
発売日2006年4月27日
価格7140円(税込)
(C)SNK PLAYMORE
※「KOF」はSNKプレイモアの登録商標です。


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