Wiiがなければ生まれなかった、人間と妖精の不思議な共生――「Elebits(仮)」:「Elebits(仮)」(エレビッツ)向峠慎吾プロデューサーインタビュー(1/2 ページ)
北米ロサンゼルスで開催されたE3 2006でプレイアブル展示された、KONAMIが現状唯一発表しているWii用ソフト「Elebits(仮)」を遊んでみた。プロデューサーの向峠慎吾氏を迎えて聞いてみた。
現地時間の5月9日、北米ロサンゼルスで行われたE3 2006に先駆けて行われたKONAMIのプレスカンファレンス、および任天堂のメディアブリーフィングにおいて初披露されたWii用ソフト「Elebits(仮)」は、Wiiのコントローラありきでスタートした企画だった。新しい挑戦ができると確信した本作プロデューサーの向峠慎吾氏にお話を聞きながら、触ってはじめて得られる感覚を体験してみた。
「Elebits(仮)」は、我々が住む現実世界と酷似したリアルな生活空間が舞台。ただそこには、目で見ることができる“Elebits”と呼ばれる電気の妖精が存在していた。ゲームの目的はこの妖精“Elebits”を捕獲すること。プレーヤーはさまざまな隙間や遮蔽物の奥にいる(妖精によっては丸見えの者も)彼らを、遮蔽物を排除し、捕まえなくてはならない。画面にはカーソルが表示されており、Wiiリモコンとヌンチャクを利用し、移動したり視点を変更したりしながら、部屋の中や家の外を探索していく。
ちなみに今回体験プレイできたのは、先のE3でプレイアブル出展されていたものと同じバージョン。そのため、ゲームでは序盤に位置する、キッチンと外のステージをプレイできた。
さて、簡単に操作方法を説明すると、プレーヤーがヌンチャクのコントロールスティックで移動、Cボタンで背伸び、Zボタンでしゃがむことができる。またWiiリモコンを上下左右に動かすことで視点移動をし、AボタンもしくはBボタンでElebitsを捕獲するビームを射出する。このビームは遮蔽物を動かす時にも使用する。押し続けることで空中で制止することもできるし、勢いよく振り回すこともできる。ステージが進むとお隣さんの家屋も宙に飛ぶ。また、回転させることで蛇口やドアノブなどをひねることも可能。リモコンを押したり引くことでドアや引き出しを開けることもできる。
Elebitsは電気の妖精だ。プレーヤーが彼らを捕獲するとワット数と呼ばれる電気量が加算されていく。ワット数がたまることで、スイッチを押すことができる電化製品であったり、部屋の照明が明るくなるなど、Elebitsを捕まえるのに有利になっていく。部屋が暗くてもElebitsの頭にある光が目印となり捕獲は可能だが、やはり明るい方が捕まえやすいもの。また、Elebitsはいたる所に隠れており、電化製品を好む傾向がある。このようにスイッチを押さなければ稼働しないものの中に、大量にElebitsが存在しているようだ。
Elebitsは人間と共存関係を築いてきた親しき隣人
ある時見つかった約10000年前の壁画
Elebitsと人間の出会い、そしてElebitsが暗闇の中で灯りとなったことが、この壁画の中で描かれているという。この壁画が10000年程度前のものであることから、人間とElebitsは、10000年もの間共存関係を築いていたことが判明している……と、ゲーム世界となる舞台の設定。
ゲームの世界では、壁画を元にElebitsと人間の出会いを描いた絵本が数多く出版されているそうだ。この絵は、その出版された絵本の中でももっとも人気のある作品の1ページだとか。このシーンは、Elebitsが生まれたとされる「大落雷(通称ファーストドウン)」の様子を描いているシーンと言われている。未曾有の巨大な雷が落ち、動物や人間が驚いている様が描かれている。
同様に絵本の1ページから。このシーンは、大落雷のあと、人間とElebitsが出会うところが描かれている。暗闇をそれまで恐れていた人間が、光る不思議なイキモノを見つけ、灯りの代わりにするシーン。このような出会いがあり、現代に至るまで人間とElebitsは共存してきたのだ。
Elebitsは、約10000年前に発見された不思議なイキモノ。存在そのものがエネルギーであり、この世界はすべてのエネルギー源を彼らに依存している。そのため、ガソリンやガス、電気の類は存在しない。世の中のすべてがこのElebitsのエネルギーを利用しているクリーンな世界なのだ。
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