レビュー
2006年07月25日 13時36分 更新

「ニンテンドーDSブラウザー」レビュー:

ニンテンドーDSでのブラウジング感はいかに? (2/2)

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文字入力は予測変換機能によって軽快に行える

 文字入力は、タッチスクリーンにソフトウェアキーボードを表示した状態でのひらがな、カタカナ、英数字などの入力に加え、手書き文字認識による日本語入力が可能となっている。ソフトウェアキーボードを利用した文字入力に関しては、「おいでよ どうぶつの森」などに用意されているものとほぼ同等。ただし、DSブラウザーには、ジャストシステムのATOKがベースとなった日本語入力システムが盛り込まれており、漢字かな変換機能や予測変換機能が利用可能となっている。

画像画像画像

 これは、携帯電話に用意されている漢字かな変換機能や予測変換機能に似たものと考えていい。文字を入力すれば、その入力した文字から変換される文字を予測し、その候補がウィンドウに表示される。候補は文字を入力していくたびに絞り込まれていき、最終的に表示されている候補の中から入力したい文字を選択する、というものだ。

画像 予測変換機能も搭載

 実際に利用してみても、携帯電話と同じように、文字を入力する度に候補が絞り込まれていき、非常に軽快な入力が可能だった。しかも、この漢字かな変換機能や予測変換機能は、手書き入力時にも機能する。筆者は、ソフトウェアキーボードを利用するより、手書き入力を利用した方が、より軽快な入力が可能と感じた。もちろん、学習機能も用意されているようで、一度確定した文字は、優先して候補に表示される。

 ただ、筆者としては一点だけ気になる部分がある。それは、ひらがな・カタカナ入力用のソフトウェアキーボードの文字の並び順だ。これは、DSブラウザーのソフトウェアキーボードに限ったことではないのだが、ニンテンドーDSで文字入力を行う場合に利用するソフトウェアキーボードは、文字が左から右に向かって「あかさたな…」と並んでいる。しかし、縦書きであれば左から右に向かって「…なたさかあ」と並んでいた方が直感的に入力できると思うのだがどうだろうか。もちろんこれは人により好みがあると思うので、どちらかを選択できればベストだろう。

パスワードやi-フィルターを利用した制限機能も用意

 ニンテンドーDSは、子供が利用するゲーム機ということもあり、DSブラウザーにはパスワードを利用した起動制限機能や、有害サイトへのアクセスを制限するサービスの利用が可能となっている。

 パスワード保護は、起動時に設定したパスワードを入力しなければDSブラウザーが起動しないというもの。単純な制限機能ではあるが、子供にDSブラウザーを利用させたくない場合に有効だ。

画像 i-フィルター for ニンテンドーDSブラウザーのイメージ

 また、デジタルアーツが提供する有害サイトフィルターサービス「i-フィルター for ニンテンドーDSブラウザー」(以下、i-フィルター)が、DSブラウザーの発売に合わせて提供されることになっている。i-フィルターを利用することで、デジタルアーツが独自に構築した有害サイトデータベースをもとに、それらサイトへのアクセスが遮断される。i-フィルターを利用すれば、子どもがDSブラウザーを利用したとしても、有害サイトにアクセスすることを未然に防げるわけだ。

 なおこのi-フィルターは、月額315円の有料サービスとなっている。子供がDSブラウザーを利用できるようにする場合には、さまざまな有害情報から子供を守るという意味でも、i-フィルターの利用を考慮すべきであろう。

機能はブラウジングに必要な最低限のものに特化

 DSブラウザーに搭載されているOperaブラウザの機能は、基本的なWebブラウジングに必要となるものに特化されている。SSLで暗号化されているWebサイトへも問題なくアクセスでき、公表されている対応プロトコルは、HTML、XHTML、XML、ECMAScript、CSS。また、スタイルシートはCSS 2.0/3.0およびTLS 1.0にも対応している。

 それに対し、音声・音楽や映像の再生に加え、各種ファイルのダウンロード、PDFファイルの表示、Javaアプレット、Flashなど、プラグインの導入を必要とするデータの表示には対応していない。CPUパワーを考えるとしかたがないかもしれないが、せめて音声・音楽の再生には対応してもらいたかったところだ。

 実際にDSブラウザーを利用してWebサイトにアクセスしてみた感想だが、動作は結構重いように感じた。例えば、比較的軽い任天堂のホームページにアクセスしてみたところ、筆者の環境では、リンクをタッチしてアクセスを開始し、完全に表示が完了するまで約16秒ほどの時間がかかった。この程度なら、まだそれほど遅いとは感じないかもしれないが、画像を多用したWebサイトにアクセスする場合などは、PCでのアクセスに比べて、かなりの重さを感じてしまう。このあたりの感覚は、携帯電話のフルブラウザ機能と同様、と考えればよい。

 もちろんこれは、インターネットアクセス回線の速度によっても左右されるが、DSブラウザーに関しては、ニンテンドーDS自体のCPU処理能力やメモリ量、そしてメモリをGBAカートリッジを利用して増設していることによる、データ転送速度の遅さなどが大きく関係していると思われる。そのため、画像を多用するような重いWebサイトにアクセスする場合には、画像表示をオフにするなどの工夫が必要だろう。

 もともとゲームに特化した設計となっているニンテンドーDSなので、DSブラウザーを利用したWebアクセスが多少重くてもしかたがないし、軽い動作や完璧なWebアクセス機能を求めること自体が間違っていると思う。発売されている「PLAY-YAN micro」と同様に、店頭販売はせずにオンライン販売のみとされていることからも、どちらかと言えば実験的な意味合いの強い製品のように感じる。そういった意味では、万人にお勧めできる製品というわけではないが、普段使っているニンテンドーDSの機能が強化されるのは間違いないし、気になったときに手軽に使えるのは便利だと思う。ニンテンドーDSの可能性を見せた商品として、これからの進化に期待したい。

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[平澤寿康,ITmedia]

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