レビュー
2006年09月01日 14時02分 更新

「タマラン」レビュー:

夢をあきらめない気持ちが大事――「タマラン」 (2/2)

前のページへ 1|2       

カメラアングルを華麗に操れるようになれば、集中力が備わってきた証拠?

wk_060831tama13.jpg 登場するキャラの中には、マーキュリーを食べてしまう敵も存在する。もちろん、食べられればボリュームが減ってしまうので、的確に逃げたい

 プレーヤーはアナログパッドでマーキュリーを操作するわけだが、それ以外のボタンで何をするのかというと、カメラアングルの調節。LRで画面が回転するのはもちろん、○と□で拡大縮小、△と×はアングルの高低。方向キーの左右を押せば、分裂したときに1つのマーキュリーに注視した視点になってくれる。

 序盤から微妙な操作を要求されるステージも多いが、カメラワークを上手に使えないと、見えないところでマーキュリーをこぼしたりすることになるのだ。ボリュームが多いほど、クリア時に得られるボーナスも多くなるので、あまり失いたくないところ。巧みにカメラを操り、常にマーキュリーの動向を把握しておきたいもの。

 ただ、これが思ったよりも一筋縄ではいかない。あれこれカメラワークを変更しているうちに、マーキュリーが落ちたり減っていたり、挙げ句の果てには敵に食べられていたりすることもしばしば。カメラワークを変更しているときでも、集中力を切らしてはいけないのだ。もっとも、電車内で集中してプレイしたために駅で降り損なったとしても、当方は一切責任は取れないが。

 ただ、操作に慣れても、マーキュリーを移動させながら華麗にアングルを動かすのは、かなり難しい。かといって、1方向からだけ見ていると、影になった部分からマーキュリーがこぼれていたりするわけで、まさに全神経を集中させてのプレイが要求されているのかもしれない。

 なお、1つのワールドに用意されているのは16ステージ。全部で8ワールドあるのが確認できるので、基本ステージだけでも128ある。最初は、ワールド1以外はロックされて選べないが、数多くのマーキュリーをゴールへ運ぶと集中力達成度と呼ばれる数値が増加。ゲージが一杯になると、次のワールドが解除されたり隠しステージが登場したりする仕組みだ。

 同じように、ステージに配置されているボーナスを集めていくとミニゲーム解除ゲージが増えていき、一杯になれば新たなミニゲームが遊べるようになる。ところが、ボーナスは各ステージの取りづらい場所に配置されているので、注意が必要。ステージの端に置かれているときは、上手に回収しないとマーキュリーをこぼしてしまうことにもなりかねない。一度クリアしてから、ボーナスを回収するために再びプレイすれば、スコアを気にせずに遊べるだろう。なお、ステージは自由に選択できるので、クリアできなければ後回しにするのもあり。何度プレイしてもゴールインできない所でも、1日経ってから遊んでみると簡単にクリアできるかもしれないので、無理をしてプレイする必要はない。最初のうちは長時間集中力が続かないのだから、できる範囲でのクリアを目指したいところ。

 こうして遊べるようになるミニゲームだが、ロデオやレースなど、全部で5種類が収録されている。どれも息抜きにはピッタリで、本編で行き詰まったときなどにプレイすれば効果てきめんだろう。とはいえ、こちらも本気でプレイするとなると、並々ならぬ集中力が要求される。マジメにいくか、それともリフレッシュのために遊ぶか、各プレーヤーにとっての難しい選択肢が迫られることになる。

wk_060831tama14.jpg 各ワールドに用意されているステージは、好きなところから自由に遊べる。これは親切な設計だ
wk_060831tama15.jpg これがボーナス。思ったよりも意地の悪いところに配置されているので、回収には細心の注意を要するだろう。集中力を最大限に発揮したい。
wk_060831tama16.jpg ミニゲームで、すり減らした集中力を回復させるのもいいし、さらに集中力をつぎ込んで、ハイスコア狙いにいくのもありだろう

集中力だけでなく、一緒に根性も鍛えられそう

 遊んでみると分かるのだが、各ステージのプレイ時間は長くても2分弱。その間、集中力を途切れさせずにマーキュリーをフィニッシュパッドへと導くわけだが、中にはなかなか上手くゴールインできないステージが出てくることもある。すると何度もやり直すことになるわけで、その場合は集中力よりもむしろ、ねばり強くプレイするという根性が養えるのかもしれない。ついでに、アナログパッドを操作する左手親指も、かなり鍛えられそうだ。

 気になったのは、各ステージごとに入るロード。非常に長いというわけではないが、毎ステージごとに入るためちょっとテンポがよろしくない。洋ゲーはロードが長いという定説はあるものの、せめてこのあたりは何とか改良して欲しかった。とはいえ、実は前作「ハイドリウム」から約1.5倍以上の高速化を実現しているらしい。

 今や、脳を鍛える系のソフトが雨後の竹の子のように現れているが、本作はそれらとはまったく違うアプローチ方法で、集中力または根性をトレーニングできるようになっている。このような方向性は、非常に感心すべきところだろう。長時間、集中力が続かない人や、何かをしていてもすぐに飽きてしまう人は、秋の夜長をつぶす覚悟でプレイしてみてはどうだろうか。今のうちに集中力を鍛えておけば、これから本格的に始まるであろう受験シーズンに向けても、何か良い効用があるかもしれない。少なくとも夢を諦めない気持ちを養える。

 ふた昔以上も前のおもちゃを、今風に復刻したと表現するのが、意外にもしっくりきている本作。集中力を付けたい人だけでなく、「マーブルマッドネス」や「キャメルトライ」、プレイステーションやセガサターン登場と同時期に発売されていたタイムワーナーインタラクティブの「TAMA」といったタイトルに引っかかる人ならば、長いこと楽しめるだろう。

wk_060831tama17.jpg これをきっかけに、水銀の勉強をしてみるのもいいかもしれない。その不思議な性質に、ゲーム以上にのめり込めれば、化学のテストは完璧!

 蛇足ではあるが、プレーヤーがゴールまで導くことになるマーキュリー、その意味は原子番号80番の水銀(英語名のマーキュリー)からきている。水銀の「Hg」という元素記号は、ギリシャ語由来のラテン語である、水のような銀という意味の「hydragyrum」から。常温で、液体で存在できる唯一の金属というだけでなく、毒性が強く蒸気を吸い込むと神経が冒されることも。かつて体温は水銀計で計るものだったことを覚えている人はいますか?(家庭向けの電子体温計が登場したのは1984年とか)。でもこんなトリビア、本作をプレイしなければ覚えなかったかもしれない……。

タマラン
対応機種PSP
メーカーソニー・コンピュータエンタテインメント
ジャンル集中力育成ころがす液体パズル
発売日2006年8月24日予定
価格3800円(税別)
(C)2005 IGNITION ENTERTAIMNET LTD. ALL RIGHTS RESERVED. DEVELOPED BY IGNITION BANBURY(UK). PUBLISHED BY SONY COMPUTER ENTERTAINMENT INC.


前のページへ 1|2       

[篠崎薫,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.