次世代ハードでさらなる速さを身につけた15年目のソニック「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」レビュー(1/4 ページ)

2006年は、セガを代表するゲームキャラクター「ソニック」の生誕15周年。そのアニバーサリーイヤーを飾る作品が、プレイステーション 3とXbox360で登場した。次世代ハードという新たなステージで、ソニックはその速さにますます磨きをかけている。

» 2007年01月19日 15時52分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

1作目と同じタイトルが原点回帰を匂わせる

 1991年にメガドライブで「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が発売されたときは、本当に大きな衝撃を受けた。当時はまだ2Dの横スクロールアクションだったが、目が追いつかないほどのスピード感はかつてゲームで体験したことのなかったもので、すぐさま虜になってしまった。青いハリネズミが主人公というのが奇抜だったし、かわいいけれどどこか小憎らしい雰囲気を持っているところも独創的。それに、一度聴いたら耳から離れなくなるキャッチーでポップなサウンドがまたよかった。

画像 15周年記念作品となる「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。プレイステーション 3とXbox360で同時発売されているが、両ハードともソニックシリーズの投入はこれが初(画面はすべてプレイステーション 3版)

 この1作目と、翌1992年に発売した2作目がともに世界的な大ヒットとなったことで、ソニックの人気は確固たるものになり、セガのコーポレートキャラクターに成長。その後もさまざまなハードに関連作品がリリースされてきた。そして、ソニック生誕15周年の節目にあたる2006年末、最新作がプレイステーション 3とXbox360の2機種で同時発売となった。そのタイトルは、ずばり「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。1991年の1作目と同名だが、その内容は移植でもリメイクでもなく、完全な新作。あえてこの名を冠し、副題も付けなかったところに、今回はソニックの原点に立ち返って、その魅力であるスピード感やかっこよさを改めて追求しているように見える。


画像 オープニングムービーの一場面。次世代機らしいHDクオリティの映像が本当に美しく、これだけを観ているとまるで大作RPGかと錯覚してしまいそう

 今作の注目点は、やはりビジュアル面における進化だろう。HD出力に対応したプレイステーション 3とXbox360で初めてのソニック作品ということで、映像のクオリティがどれくらい向上しているのか、大いに気になるところだ。なお、今回のレビューに使用したのはプレイステーション 3版で、ここに掲載した画面もすべてプレイステーション 3のものだ。

 今回はソニックのほかにシャドウとシルバーも登場し、この3人が主人公となってストーリーが進んでいく。シャドウについては過去の作品にも登場しており、2005年末には彼を主人公とした「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」がプレイステーション 2など3機種で発売されているが、シルバーは今回初めて登場する新キャラ。テイルズやエミーなど、おなじみの面々もソニックたちを補佐する“アミーゴ(友だち)キャラ”として登場し、彼らを操作する場面もある。


画像 ソレアナ公国の王女エリスが今作のヒロイン的存在。人間の少女とソニックが深く関わり合うというのは、これまでの作品にはなかった要素

 さらに今回は、人間の少女がヒロインとして登場するが、これもシリーズを通して初めてのこと。1作目の企画段階でも同様のアイデアはあったようだが、それが15年を経て実現されたことになる。ソニックをはじめ、動物をモチーフとしたアニメチックなキャラクターたちの中で、人間の少女がどのように関わっていくのかにも興味が深まる。

3人のヘッジホッグが繰り広げる時空を超えたストーリー

 プロローグでは、ソレアナ公国で年に一度開かれる「炎の祭典」から幕を開ける。この国の若き王女エリスが祭壇に炎を灯し、祭りが最高潮を迎えたところに、悪の天才科学者「Dr.エッグマン」が現れ、エリスを連れ去ろうとする。そのねらいは、エリスが鍵を握る“災厄の炎”にあった。

画像 ソレアナ公国では炎の祭典が催されている。どことなく笹倉鉄平氏の描くアートポスターをほうふつとさせるような、趣のある街並みの描写が美しい
画像 祭りのさなか、エリスをねらうDr.エッグマンが突如現れる。お腹もだいぶへこんだし、足も長くなって、以前よりかっこよくなったような……?

画像 そこへ颯爽と現れるソニック。お得意の快足でエッグマンの部隊を蹴散らし、エリスの危機を救う
画像 その一部始終を見ていた新キャラのシルバー。なぜかソニックのことを「イブリース・トリガー」と呼んでいるが、果たしてその意味は?

画像 最初に選べるエピソードはソニック編のみ。序盤は、エッグマンにさらわれた王女エリスを救出することが目的となる

 前述のように、今回はソニック、シルバー、シャドウの3人が主役扱い。といっても、プレーヤーが好みのキャラを選んでプレイするというわけではなく、ソニック編、シルバー編、シャドウ編と、3人それぞれに異なるエピソードが用意されている。各エピソードは、その舞台や展開が異なるだけでなく、現在と未来の時間軸も交錯しながら進んでいくが、おもしろいのは、あるキャラのエピソードに別のキャラが登場したり、ときに敵として立ちはだかること。例えば、ソニック編でシルバーと戦う場面があったり、逆にシルバー編にソニックが現れたりする。

 エピソード本編は、ソレアナの住人たちから話を聞き、情報を集める「タウンステージ」と、ソニックの醍醐味である広大なステージを高速で駆け回る「アクトステージ」とに分けられ、基本的にはそれらを交互に進めることになる。また、途中にはボスとの戦闘もある。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/05/news100.jpg 「直ちに投稿削除を」と警告  FRUITS ZIPPERの動画巡り所属事務所が“異例の声明” 「法的措置を検討」
  2. /nl/articles/2412/05/news031.jpg 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
  3. /nl/articles/2412/04/news023.jpg 動物ギライだった父、愛猫の涙が出るほど“けなげなお出迎え”にたまらず…… グッとくる再会シーンに「こんなにされたら愛おしくて…」「鼻の下が3mくらい伸びそうw」
  4. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  5. /nl/articles/2412/04/news197.jpg 辻希美の高2長女・希空のデビューについて杉浦太陽が語り涙…… 赤ちゃん時代の姿や秘蔵エピソード明かす「そういう世界に入る気ない、と言われていた」
  6. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  7. /nl/articles/2412/05/news178.jpg イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  8. /nl/articles/2412/04/news040.jpg 「戦闘機に乗って一番怖いことは?」 “予想外すぎる”パイロットの回答に「あとで怒られるw」「正直でよろしいw」
  9. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  10. /nl/articles/2412/04/news196.jpg 複雑すぎて「プラモ化は無理」とするも……“エヴァチーム”が手掛けた新作ガンダムのプラモ発売に大きな反響 「この価格でこのクオリティーはすごい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」