「エースパイロット」――男はその言葉の響きにロマンとあこがれを感じずにはいられないのだ:「ジェットインパルス」レビュー(2/2 ページ)
カンタン操作で君もエースに
このゲームでは、メインとなる戦闘画面を上画面、レーダー表示を中心とした補助情報を下画面(タッチパネル)に配してあり、下画面では、レーダーレンジの調整や搭載武器の選択、メッセージ表示の切り替えなどを操作できるようになっている。補助的な機能がタッチパネルに集められているので、機体の操縦そのものは複雑にならず、かなり感覚的に戦闘機を動かしていくことができるのだ。
まず、基本となる機体の制御は十時キーで行う。上下でピッチ(機首の上下)操作、左右でロール(機体の左右への傾き)操作を行い、これだけで、戦闘機特有の動きを行うことができる。補助操作として、Yボタンを押しながら左右へ入力することで、ラダーを使ったヨー操作(ロールせずに左右に曲がる)も可能。ただし、ヨーによる旋回は非常にゆっくりしたものなので、あくまで微調整のための使用などが中心になる。
加速と減速はそれぞれ、RボタンとLボタン。加えて、Rの2回連続押しで、急加速を行うアフターバーナー。Lの2回連続押しで、急減速を行うエアブレークも可能だ。特殊な機能としては、LRを同時に押し続けることで、機体を水平にすることができるようになっている。ドッグファイトをしていると、自分がどっちを向いているのかわからなくなることもあるので、そういう時はあわてずこの機能を使うのだ。
攻撃は、ミサイルなどの搭載武器がAボタン、機銃かBボタン。主武装となるAボタンの武器は2種類まで搭載できるので、相手のタイプなどに応じてタッチパネルで選択する。ミサイルなど、ロックオンが可能な武器を選択中で、なおかつ射程圏内に複数の敵がいる場合は、Xボタンでロックオンする相手を素早く切り替えることも可能だ。
と、以上が操作のほとんどすべて。非常にシンプルだ。さらに、ノービスとアドバンスの2つの操作タイプがあり、ノービスなら、ロールとピッチの組み合わせをすることなく、左右の入力だけですぐに旋回することができる。より手軽にプレイしたいという人にはうれしいオプションだ。また、ピッチ操作に関しても、上下の入力のどちらが機首の上下に対応するかを選択できるようにもなっている。
とにかく、シンプルかつ感覚的な操作にまとめられているので、肩肘張ることなく、すぐに楽しめるのが本作の特徴なのだ。それでいて、航空機を操縦している感覚はしっかりある。少し慣れれば、インメルマンターンやスプリットS程度は簡単にできてしまうので、エースパイロット気分に浸ってしまおう。
エースを狙いたい!
なお実際のプレイでは、先ほど述べたドッグファイト技術も重要だが、“一撃離脱”といった戦法も有効だ。とにかく、敵集団から一旦距離を取り、敵機の位置と動きを安全に把握できる距離を確保したら、よいポジションを保ちつつおもむろに接近。ロックオンが可能になった瞬間にミサイルをガンガン撃ち込むのだ。このセオリーは、実際の空戦の基本でもある。そう考えると、このゲーム、なかなか“深い”のかもしれない。
とはいえ現実と違い、エースパイロットクラスの敵機になると、ミサイルを1発2発当てただけでは撃墜されてくれないので、ドッグファイトの必要性は増してくる。ロックオン可能な距離まで近づいてから、再び一撃離脱の態勢に持ち込むまでの間に、敵の攻撃を避けつつ相手を振り切らなくてはならないからだ。また、制限時間が設けられているミッションなどでは、悠長に一撃離脱を繰り返してもいられない。
すご腕の強敵になると、もう、ずっと背後に付かれっぱなしで、ロックオンのアラームも鳴りっぱなしである。ただ、そんな時、バレルロールから敵の背後を取り返して華麗に撃墜……とかできれば、きっと何度も見返したくなるような超格好いいリプレイができあがるはず。やっぱり、エースパイロットと呼ばれるためには、ロマンあふれるドッグファイトがこなせなければいかんと思うわけです。
そんなわけで、お手軽に戦闘機パイロットの気分が味わえ、なおかつ、やればやるほどさらに上を目指したくなる、この「ジェットインパルス」で、あなたもぜひ夢のエースパイロットに挑戦してみてほしい。
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