元祖大食いファイター「パックマン」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

連載第39回は「パックマン」(ナムコ)。誕生してからもう27年になりますが、ゲームの枠を超えて、いろんな場所で活躍中。仙台駅のバス乗り場に、都心バス100円均一区間「100円パッ区」のキャラクターとして描かれていたのには驚きました。

» 2007年03月08日 15時23分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

ナムコは「食」に縁がある

 「パックマン」は1980年、アーケードに登場した、ナムコを代表するゲームである。モンスターから逃げながら、迷路に散らばったエサを食べつくすのが目的だ。

画像 オシャレな街・自由が丘に、まったく似つかわしくない男が参上

 「食べる」といえば、現在ナムコは全国各地で、食をテーマとした「フードテーマパーク」を運営している。その中の1つ、「自由が丘スイーツフォレスト」へやってきた。ここのテラスで、ニンテンドーDSを取り出し、ゲームボーイアドバンス用「パックマンコレクション」をプレイしてみた。

 自由が丘でプレイしたからといって、特にスコアが良くなったとか、先の面まで進めるようになったとかいうことはなかった。

 ただ、プレイし終わった後、無性にフルーツが食べたくなってきた。特に、ゲームに出てくるチェリーやオレンジやイチゴなどを。

 なのでスイーツフォレストに入り、フルーツがいっぱい乗ったタルトを買って食べた。

パックマンと、ニンテンドーDS・Wiiの共通点

 わたしが「パックマン」というゲームを初めて知ったのは、この連載で再三触れている、マンガ「ゲームセンターあらし」。

 まず新しさを感じたのが、それまでこのマンガに登場した「スペースインベーダー」や「ギャラクシアン」「平安京エイリアン」に比べて、キャラクターが丸っこかったこと。

 「パックマン」のコンセプトは、現在のニンテンドーDSやWiiによく似ている。それまでゲームをしなかった層の人々、特に女性に遊んでもらう」こと、それに「ゲームのイメージを良くする」ことだ。

 「スペースインベーダー」の大ヒットにより、テレビゲームは急速に普及したが、その一方、不正や恐喝を行なう不良の存在がクローズアップされ、ゲームセンターは必ずしもいいイメージを持たれていなかった。そんな状況を打開しようという意識が、「パックマン」にはうかがえる。

 プレーヤーが操作するインタフェースを取っつきやすくしたところも、ニンテンドーDSやWiiと共通する。

 1P・2Pボタン以外に、コントロールパネルにあるのはレバー1本だけ。ゲームが始まったら、ボタンをまったく使わないのだ。

 プレーヤーは、この1本のレバーで、黄色くて丸いキャラクター、パックマンを操作する。4匹のモンスターから逃げながら、迷路に落ちているエサを食べていく。すべてのエサを食べ終わったら、1面クリア。

 一見すると、1979年に発売された「ヘッドオン」(セガ)に似た画面だが、プレイ感覚は全然違う。後戻りができず、どのコースを選ぶかが重要な「ヘッドオン」に対して、「パックマン」は自分も敵も小回りがきき、さまざまな局面での判断が要求される。

画像 画面はファミコン版。エサをある程度食べると、迷路上にフルーツが出現。食べるとボーナス点が得られる
画像 左右がつながっているワープトンネルでは、モンスターの動きが遅くなる

こんな女性もパックマンに魅了された

 パックマンは、弾を撃ったり剣を振ったりすることはできないが、モンスターを攻撃する手段はある。迷路上に4個落ちている、普通のエサよりひと回り大きな「パワーエサ」だ。

 パックマンがパワーエサを食べると、モンスターは一定時間、青ざめて足が遅くなる「イジケ」状態に入る。こうなるとパックマンとモンスターの立場は逆転。パックマンはモンスターを食べることができるのだ。

 しかもモンスターを食べると、得られる点数が多い。普通のエサが1個10点、パワーエサが50点なのに対し、モンスターは200点も入る。

 さらに続けてモンスターを食べると、得点がはね上がっていく。2匹めは400点、3匹めは800点、4匹めは何と1600点。モンスター4匹全部食べると、得点は合計3000点にもなる。これは大きい。パワーエサを食べるときは、なるべく多くのモンスターを引きつけておいた方がいいということだ。

 パワーエサによる、逆転の快感と、一気に高得点を得る快感。これこそが「パックマン」最大の魅力といえるだろう。

画像 モンスターがイジケている時間は、面が進むごとに短くなる。モンスターを追いかけるか? それともイジケている間にエサを食べておくか?
画像 モンスターは食べられると、目玉だけになって巣へ急行し、そこで復活する

 ちなみに「パックマン」は人気があったため、「ゲームセンターあらし」には何度も登場するが、中でもとりわけ印象に残っているのが、主人公・石野あらしの母親が、「インベーダーウーマン」に扮してあらしと対戦する話。「パックマン」はこの対戦に使われ、伝説の必殺技“ノーブラボイン撃ち”を生み出した。

 まさに“女性に遊んでもらう”という、「パックマン」のコンセプトを象徴するエピソード……かもしれない。それにレバーだけでボタンがないから、“ノーブラボイン撃ち”は比較的やりやすいだろうし。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/09/news133.jpg 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  2. /nl/articles/2410/10/news108.jpg 辻希美の高2長女、TikTokに「8時間頑張ったよ」 プロ並みのクッキー缶作りを初公開
  3. /nl/articles/2410/10/news026.jpg 相場4万円台が990円……!? なぜか洋服店で買えた「PCパーツ」が異常な破格で話題「ドッキリを疑うレベル」
  4. /nl/articles/2410/09/news196.jpg ホロライブ・音乃瀬奏、“耐久配信”中に号泣し視聴者も涙 「涙が止まらないよ」「もうどうにかなりそうだった」
  5. /nl/articles/2410/10/news136.jpg 「朝から眼福や……」 元鉄工所勤務の大食いタレントが“気になる”人続出 「くっそかわいいな」「お名前知りたいです!」
  6. /nl/articles/2410/10/news078.jpg ミスドの“箱詰め”はドーナツ何個から? 運営元に聞いた「ミスドの箱でしか満たされないものがある」
  7. /nl/articles/2410/10/news100.jpg 「生きて頑張りたい」 神田沙也加さんの元恋人・前山剛久、YouTubeやTikTokを開設し騒動謝罪&復帰希望→“厳しい意見”であふれる
  8. /nl/articles/2410/09/news190.jpg 「今すぐ広告を中止してほしい」 “ルッキズムに警鐘を鳴らす”駅広告が「逆効果」と物議 運営は取材に「回答しかねる」
  9. /nl/articles/2410/10/news101.jpg スシロー、ラーメンの“ピンクのチャーシュー”への懸念受け謝罪 「安心して食べられる」としつつも調理方法を変更
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  2. 「驚愕の修理代」の金額明かす お見送り芸人しんいち、約2000万円の愛車が故障で「終わった」「お金がないです」
  3. プロ警鐘「エアコン、夏が終わったらコレやらないと……」が530万再生 水漏れや“内部のスライム化”を防ぐコツが目からウロコ
  4. “医療ミス”で両頬に大きな火傷 「鏡見るたび涙が止まらない」フォロワー24万人のモデルが悲痛の声 「周りの目が怖い」
  5. スーパーで買ったニンニクを土に植えると…… ぼこぼこ増える驚きの簡単栽培に「たくさん出来て最高」「植えてみよう」
  6. 「これは合格出せない」 リンガーハットがジョブチューン挑戦→“まさかの不合格メニュー2品”に騒然
  7. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  8. 「本当に56歳…?」 “王騎”大沢たかお、“腕と足の太さがほぼ同じ”の圧倒的肉体を披露 「かっこよすぎる」
  9. モグラに似てる“ヤベぇ虫”を、2カ月育ててみたら…… 感動の展開に「これはマジで凄い」「学術発表レベル」
  10. カインズの「撒くだけで防草できる砂」本当かどうか検証してみたら…… 驚きの結果に「魔法のような砂、買いに行きます!」「これさえあれば」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声