楽園へようこそ!――ハワイを独り占めにできる“ドライブ”ゲームが登場「テストドライブ アンリミテッド」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年05月08日 00時00分 公開
[千早秀生,ITmedia]
前のページへ 1|2       

コンピュータ操作の一般車両がリアルさを醸し出す

こんなところを走っても意味はないのだが、つい走りたくなってしまう

 走行時の視点バリエーションが多いのも○。自車が映る遠景視点だけでも数パターンあるが、筆者のオススメは、何と言ってもフロントウインドウ越しの車内視点だ。車種ごとに異なるハンドルやメーター類、ダッシュボードなどが見られるので、違うクルマに乗ったときの楽しさも倍増する。しばらく走行していると、フロンウインドウが汚れてくるというリアリティもナイスだ。ドアウインドウの開閉(開けている時と閉めている時で、周囲から聞こえる音が変わるという凝りようや、シートポジションの変更などもできてしまう。そして、この視点の最大の魅力(?)は、怖いくらいに迫力があること! 300キロのスピードで一般車両を交わしながらの走行なんて、最初は爽快感を通り越して恐怖しかない(苦笑)。これで追突した日には心臓に悪い。

 なお、走行中は視点に関わらずラジオを聞くことが可能。さまざまなジャンルの放送局を選択でき、独自のプレイリストを作ることもできる。


この視点でのハイスピード連続巡航は精神的に疲れます
郷には入ったら郷に従え、ということで自分も信号待ち

 また、リアルなのは見た目だけではない。現実同様、ゲーム中の世界にも、交通ルールが設けられているのだ。ハワイは日本と違って右側通行のため、コンピューターが操るクルマはすべて右車線を走っている。一方通行の道では(プレイして知ったのだが、ハワイは一方通行がやたら多い)、当然逆走するクルマなんていない。交差点には信号機があり、一般車両がきちんと信号待ちしているという芸の細かさ。対向車と接触しそうになると、相手が必死でよけようとするなど、人が運転している(=この島にたくさんの人が存在する)ことを思わせる仕様に感服してしまった。

 とは言え、プレーヤーは交通ルールを守らなくてもペナルティはない。逆走に信号無視、スピード超過や器物破損をしても全然オーケーだ。ただし、一般車両に激突した場合はその限りではない。警察からマークされ、パトカーを振り切れずに捕まってしまえば、罰金を取られてしまうのだ。この警察の存在は、フリーライドにちょっとした緊張感を与えてくれることだろう。なお、事故を起こしても数十秒ほど逃げ切れば、警察からのマークは解かれる。

追突するとこのとおり、相手が無惨な姿に。でも、自分の愛車は無傷
警察に捕まり罰金……。事故を起こしすぎてお金がなくならないように!

道路をきちんと走る腕が問われる各種ミッション

賞金の獲得はもちろん、ドライビングテクニックも磨こう

 フリーライドにある程度慣れたら、レースやミッションに参加してみたい。レースには、シンプルに1位を目指す「レース」、最高速を競う「スピード」、「タイム」の2種類があり、それぞれ好成績を挙げれば賞金をもらえる。賞金自体はやや低めに設定されているが、何度でもチャレンジできるため、同じレースを繰り返して資金を稼ぐことが可能だ。

 ただし、注意したいのは、レースの最中でも一般車両が普通に走っている場合がある点だ。しかも、一般車両はごていねいに交通ルールを守って走っているため、例えば信号待ちの一般車両が邪魔になったり、十字路で横からぶつけられたりで勝利を逃がした、なんてことも……。ライバルカーをパスするだけでなく、一般車両をいかに捌けるかも、レースの重要なポイントなのだ。


初心者にとってはかなりシビアな制限時間設定だ

 一方、ミッションは全部で4種類。女性/男性を乗せて目的地まで向かう「トップモデル」に「ヒッチハイカー」、他人のクルマを運転して目的地に送り届ける「トランスポート」、荷物の運び屋となる「クーリエ」が用意されている。それぞれ成功すると、報酬がもらえる。報酬金額はレースよりも高めに設定されているが、1度クリアーすると、そのミッションは再チャレンジ不可能だ。さらに、クーリエは失敗すると保証金を支払うペナルティもあるため、ハイリスクハイリターンなミッションといえるだろう。

 また、トップモデルをクリア時の報酬は、お金ではなくクーポンをもらえる。このクーポンは、島の各所にあるブティックで、洋服や靴、アクセサリーを購入するときに必要となるものだ。衣服はフォーマルなものからカジュアルなものまで多種多彩で、自宅でいつでも着替えることができる。プレーヤーキャラクターの外観を変えられるのは、単なる自己満足なのかもしれないが、コレクション好きには嬉しい機能と言えるだろう。ちなみに、衣服だけではなく、キャラクターの顔も編集可能だ。

 こうしてフリーライドを楽しみつつ、レースやミッションをこなしていくと、“実績”が次々に解除される。本作は、解除した実績のポイントに応じて、プレーヤーのレベルが上昇する仕組みになっている。プレーヤーのレベルが上がると、機能がどんどん増えていくのだ。

 その1つが、写真撮影。走行中でも停車中でも、ポーズメニューから撮影モードに移行でき、彩度やコントラストの調整、フィルターの有無などを自由に設定して、写真を撮ることができる。撮った写真はアルバムとして自宅で閲覧できるほか、Xbox LIVEにアップロードして、公式サイトを通じてデータとして入手することもできる! ドライブの楽しみが増えるうれしい機能である。

クルマの色やフォルムに合わせるのがオシャレ?
新しいクルマを手に入れたら写真を撮る──クルマ好きなら当然です

クルマに乗ったまま挨拶──なんとも新鮮だ

 本作はもちろん、オンラインプレイに対応している。というか、Xbox LIVEに入会していれば(もちろん有料のゴールドメンバーシップだ)、モード切り替えなどせずとも常時オンライン状態なのである。

 このオアフ島には世界各国のプレーヤーが集まっており、愛車を走らせているので、各所でゲーマータグが表示されたクルマを見かけることになる。もちろん、ヘッドセットを通じての会話も可能だ。実は筆者、日本語版の発売前から英語版をプレイしていたのだが(実は1週間前からなので、そんなにやりこんだわけでもない)、当然日本人と出会えるワケがなかった。聞こえてくるのは外国語ばかりで、しかも隊列で走行しながらボイスチャットをしている人たちなんかにも出くわし、すごくうらやましい気持ちになったものだ。

 そんな悔しい思いをしつつ、とうとう本作の発売日を迎えた。当のオアフ島からは、さっそく日本語が聞こえてきて、うれしくなってしまった(笑)。すれ違い様にまずはお約束(?)のラッパコール。軽く挨拶をして2台でランデブー……そうそう、これがやりたかったのだ! なお、フリーライド中は、自分+最大7人のフレンドでプライベート走行を楽しむことができ、その際はほかのプレーヤーの音声やタグ名を消すことが可能だ。

 また、ほかのプレーヤーに対してパッシングすると対戦(インスタントチャレンジ)を申し込むことができる。そこで、さっそく日本人と思わしきタグ名のプレーヤーにパッシング。対戦を了承してもらい(キャンセルも可能)いざスタート! だが、相手がグループFのクルマに対して、こちらはグループAの車種。勝負になるわけもなく、悪いとは思いつつも圧勝だった。……いや、まあ、1週間前に始めた時は、筆者も同じ屈辱を何度も味わったわけで……と、ちょっと苦しい言い訳を。ポーズメニューのオプションで「賞金を有効にする」をOFFにしておけば、インスタントチャレンジで負けてもお金を取られることはない。

とにかくレースをしたいなら条件を緩くて間口を広げ、イコールコンディションのレースをしたいなら車両グループやプレーヤーレベルを設定しよう

 同レベルのプレーヤーとのレースを楽しみたいなら、マルチプレイ専用レースがオススメ。マップ上にあるマルチプレイ用レースポイントでは、手軽に楽しめるクイックマッチとして「プレイヤーマッチ」と「ランクマッチ」のどちらかを選択可能だ。まずは同ランクのプレーヤーが集まりやすい、ランクマッチに挑戦してみるといいだろう。プレイヤーマッチはどちらかといえばフリーなルールのため、あまりランクにこだわらずにプレイしたい場合にむいている。エントリー画面でクルマの乗り換えもできるため、他車に合わせてグループを落としてくれるような人も当然いるんですけどね。もし、どうしても条件が揃わないのであれば、カスタムマッチで自分でレースを作り、挑戦者が来るのを待てばいい。

 レースはシングルプレイ同様、各所で行われており、自分の腕に合った場所を選ぶことも重要だ。誰もが最初の拠点とするワイキキビーチ近辺のレースは、長い直線に鋭角なコーナーというシンプルなコースレイアウトもあって結構賑わっている。対戦者は事欠かないはずだ。そこから南東にある、オアフ島のシンボル的存在“ダイヤモンドヘッド”のコースも初心者向きでオススメしたい。

 本作最大の魅力はやはり、本物さながらのオアフ島を自由にドライブできることに尽きると思う。ヴァーチャルな世界とはいえ、架空の場所ではなく実在の場所というのが、「運転したい!」という気持ちにさせるのだと思う。筆者の当面の目標は、島内のすべての道路を完全制覇することだ。レースゲームがさほど得意な人でなくとも、本作をかなり楽しめると思うので、ちょっぴり気になっている人はぜひプレイしていただきたい。

「テストドライブ アンリミテッド」
対応機種Xbox 360
メーカーマイクロソフト
ジャンルレーシング/カーライフシミュレーター
発売日2007年4月26日
価格(税込み)6090円
プレイ人数1人、Xbox Live:マルチプレイヤー(2〜8人)
Test Drive(R) Unlimited (C) 2005-2006 Atari Inc.
Designed and developed by Eden Games SAS, an Atari development studio.
All trademarks are the property of their respective owners.
(C) 2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた