Wiiリモコンのチューニングが最大の鍵――「ソウルキャリバー レジェンズ」インタビュー「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」

先日北米で開催された「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」において、本作制作プロデューサーの大久保人氏からお話をうかがう機会を得た。

» 2007年06月28日 14時31分 公開
[加藤亘,ITmedia]

「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」のミッシングリンク――「ソウルキャリバー レジェンズ」

 バンダイナムコゲームスは現地時間の6月12日、北米サンフランシスコにおいて今後北米、および全世界で発売するタイトルラインアップの発表を目的とした「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」を開催したのは記憶に新しい。その会場では、世界初となるWii用アクションゲーム「ソウルキャリバー レジェンズ」の実機によるデモンストレーションが行われていた。「ソウルキャリバーIV」が発表されるなど、にわかに動きが慌ただしくなったソウルプロジェクトの一翼となる「ソウルキャリバー レジェンズ」について、制作プロデューサーの大久保人氏に話をうかがった。

 今回、デモンストレーションとはいえ、実機で動いているのを見れたのは収穫だった。日本と北米で今冬発売予定のWii用ソフト「ソウルキャリバー レジェンズ」は、Wiiリモコンを剣に見立てて、簡単な操作で敵を倒しながらステージをクリアしていくという、サードパーソンビューのアクションアドベンチャーとなっている(ゲーム紹介についてはこちらの記事を参照)。

 会場では御剣とジークフリートを入れ替えながら、Wiiリモコンを振る度に敵を倒して進んでいく姿を確認することができた。

 「ソウルキャリバー」は、1998年にナムコ(現、バンダイナムコゲームス)が発売した3D武器格闘ゲームで、1995年に発売された「ソウルエッジ」の続編にあたる。会場ではナンバリングタイトルとなる純粋格闘ゲームの「ソウルキャリバーIV」の製作が明かされたが、本作「ソウルキャリバー レジェンズ」は新たなジャンルを模索した新機軸の製品という位置づけとなっている。ストーリー的には「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」をつなぐミッシングリンク的な役割を果たすとのこと。

 ストーリーが進むにつれて仲間も増え、使用する武器も多彩になっていく。攻撃でステージ中のオブジェクトが破壊でき、トラップから放たれた火矢を弾き返したり、仕掛けを解除していくことで進む場面も確認できた。

 キャラクターによっては技の出し方が異なるようで、その組み合わせで強力な技にもつながっていく。特有の武器によっては、必殺技が出せるとのこと。本作からの新キャラクターも登場する。また、敵も従来のイメージとは異なり、異形の者たちが多数襲いかかってくることになるとのこと。デモ画面ではミイラのような人型がザコ敵として登場していただけでなく、巨大な分離する棺桶のようなボスも見受けられた。

 本作では2人同時プレイも可能で、協力しながらクリアしていくモードも搭載される。価格は未定。


最大の鍵はWiiリモコンのチューニング

制作プロデューサーの大久保人氏

―― なぜWiiで開発されたのでしょうか?

大久保氏 ソウルキャリバーのアクションゲームをやってみたいというユーザーの皆様の声もあり、いつか機会があれば作ってみたいと思っていました。本作の開発は「III」が終わった頃から進めていたんですけど、ハードを限定せずに、まずはアクションゲームの研究を行っていたんです。その矢先、Wiiが発表されて、その誰もが直感的に操作が出来るというコンセプトに、我々が考えていたアクションゲームとしてのソウルキャリバーのコンセプトが合致したわけです。Wiiならば従来のボタンとコマンドでやっていた操作を、Wiiリモコンで誰もが簡単に直感的に操作できるものになるのではないかと。実際にWiiでの開発に入ったのは昨年の前半くらいだったと思います。

―― ストーリー的に「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」の間という設定らしいですが。

大久保氏 そうですね。ストーリーとしての時代設定を遡っています。それというのも、今までソウルキャリバーを作っていて、ストーリー展開が駆け足だった感があったんです。常々、ストーリー上補完しておきたいものがあって。例えば「ソウルキャリバー」と「ソウルキャリバーII」あたりで、ジークフリートがナイトメアになった理由などを紐解いてあげなくてはならないんじゃないかと思っていたんです。そういった、ファンにとって気になっていたであろうストーリー上の空白部分を埋める話が詰め込まれているわけです。

―― 今回、新キャラクターのイスカが公開されましたが、その他の新キャラクターなどは? またオンライン機能なども気になるところなのですが。

大久保氏 キャラクター数は今の段階では言えないのですが、ある程度満足してもらえる数は用意しています。オンラインについては現状言える段階ではないのですが、検討はしていますよ。

―― Wiiで遊ぶということで、Wiiリモコンでのプレイを重要視していますが、普通のコントローラでのプレイは可能なのですか?

大久保氏 もしかしたらという可能性はありますが、本作を楽しんでもらう前提としてWiiリモコンがあるわけですから、あくまでもヌンチャクスタイルが一番楽しいプレイを提供できると思います。Wiiリモコンでのプレイでは、リモコンから音も出ますし、振動もします。実際ユーザーが触って楽しいという部分に注力しているんです。今回Wiiリモコンということで、実際に剣を振っているかのような気持ちよさを追求しています。そのため、チューニングには長い時間をかけているんです。現段階でも気持ちよく技を出せるようにはなっているのですが、ユーザーが剣士になりきれるように、デバイスを生かして、さらなる没入感を得られるよう調整しているところです。

―― 各キャラクターでWiiリモコンで出せる技が違うということですが、何パターンほど技数があるのでしょうか?

大久保氏 これまでのソウルキャリバーに負けないくらいは用意しています。しかし、間口という意味で、いきなり冒頭から技が全部出てしまうというのもプレーヤーが混乱してしまうので、あくまでガチャガチャやっても技は出ますし、Wiiリモコンを振るだけでも技が出るようにしています。そこから練習してもらって、出し方のコツのようなものを得られたら、さまざまな技へと発展させられるようになるんじゃないかと。振るタイミングや振り方でも技は変わります。例えば、コンボ一つとっても、左、右、左で3段コンボとなったり、左、左、左と連続して振るとキャラも同調して技を出してくれる。それに、ヌンチャクとの組み合わせでさらに奥深い技が出せるというわけです。

―― 格闘ゲームとしての従来シリーズ作品から引き続き導入されているものなどありますか?

大久保氏 元々あった自由に空間を走り回れることですね。ただ、三人称視点でのプレイになるので、移動は今までと違った感覚になりますし、違った遊び方ができると思います。あと、踏襲しているところといえばシステム面でしょうか。相手の武器を弾いたり、ガードや、防御など、従来のソウルキャリバーにおいてできたことは極力Wiiでもできるようにしています。

―― 前作の「III」ではキャラクタークリエイションなどありましたが。

大久保氏 カスタマイズに関しては方向性を変え、装飾ではなく、武器を集めていくことで、キャラクターが成長していくようにしています。武器の持ち替えも頻繁にできるので、集めた武器をどう使いこなすかが重要となるでしょうね。格闘ゲームではバランスが重視されており武器に極端な性能差を付ける事は難しかったのですが、本作では武器ごとに特性を持たせることができ、さらに武器に応じた技が出せたりと、さまざまな仕込みがされています。武器を集めるだけでも楽しめると思います。

―― ストーリーモードでは、状況に応じて2人のキャラクターを入れ替えて進んでいましたね。

大久保氏 2人が交代していくことで、それぞれ特性を生かすことができるし、その局面で有効なキャラクターに切り替えて打開していくという謎解きのようなこともできるようになっています。そのため、よりキャラクターの個性化がなされています。本作はアクションゲームということで、これまでの格闘ゲームファンにはモノ足りないと思われるかもしれませんが、実際手に取って遊んでもらえれば、確かにソウルキャリバーだと実感してもらえるものになっています。もちろん、アクションゲームとしても磨かれています。先ほども言いましたが、現在Wiiリモコンのチューニングを最重要として取り組んでいるところです。いろんな人が触っても誰しもが楽しめるものにするため操作面を強化し、先ほど見ていただいたデモンストレーションよりもさらにグラフィック的にもエフェクトや演出を取り入れて派手にしていきます。音も入ると臨場感もぐっと変化すると思います。今冬発売予定ですので、楽しみに待っていてください。

―― ありがとうございました。

「ソウルキャリバー レジェンズ」
対応機種Wii
ジャンル体感剣劇アクション
発売予定日今冬
価格未定
プレイ人数1〜2人
(C)NBGI

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