Wiiリモコンのチューニングが最大の鍵――「ソウルキャリバー レジェンズ」インタビュー:「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」
先日北米で開催された「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」において、本作制作プロデューサーの大久保人氏からお話をうかがう機会を得た。
「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」のミッシングリンク――「ソウルキャリバー レジェンズ」
バンダイナムコゲームスは現地時間の6月12日、北米サンフランシスコにおいて今後北米、および全世界で発売するタイトルラインアップの発表を目的とした「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」を開催したのは記憶に新しい。その会場では、世界初となるWii用アクションゲーム「ソウルキャリバー レジェンズ」の実機によるデモンストレーションが行われていた。「ソウルキャリバーIV」が発表されるなど、にわかに動きが慌ただしくなったソウルプロジェクトの一翼となる「ソウルキャリバー レジェンズ」について、制作プロデューサーの大久保人氏に話をうかがった。
今回、デモンストレーションとはいえ、実機で動いているのを見れたのは収穫だった。日本と北米で今冬発売予定のWii用ソフト「ソウルキャリバー レジェンズ」は、Wiiリモコンを剣に見立てて、簡単な操作で敵を倒しながらステージをクリアしていくという、サードパーソンビューのアクションアドベンチャーとなっている(ゲーム紹介についてはこちらの記事を参照)。
会場では御剣とジークフリートを入れ替えながら、Wiiリモコンを振る度に敵を倒して進んでいく姿を確認することができた。
「ソウルキャリバー」は、1998年にナムコ(現、バンダイナムコゲームス)が発売した3D武器格闘ゲームで、1995年に発売された「ソウルエッジ」の続編にあたる。会場ではナンバリングタイトルとなる純粋格闘ゲームの「ソウルキャリバーIV」の製作が明かされたが、本作「ソウルキャリバー レジェンズ」は新たなジャンルを模索した新機軸の製品という位置づけとなっている。ストーリー的には「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」をつなぐミッシングリンク的な役割を果たすとのこと。
ストーリーが進むにつれて仲間も増え、使用する武器も多彩になっていく。攻撃でステージ中のオブジェクトが破壊でき、トラップから放たれた火矢を弾き返したり、仕掛けを解除していくことで進む場面も確認できた。
キャラクターによっては技の出し方が異なるようで、その組み合わせで強力な技にもつながっていく。特有の武器によっては、必殺技が出せるとのこと。本作からの新キャラクターも登場する。また、敵も従来のイメージとは異なり、異形の者たちが多数襲いかかってくることになるとのこと。デモ画面ではミイラのような人型がザコ敵として登場していただけでなく、巨大な分離する棺桶のようなボスも見受けられた。
本作では2人同時プレイも可能で、協力しながらクリアしていくモードも搭載される。価格は未定。
最大の鍵はWiiリモコンのチューニング
―― なぜWiiで開発されたのでしょうか?
大久保氏 ソウルキャリバーのアクションゲームをやってみたいというユーザーの皆様の声もあり、いつか機会があれば作ってみたいと思っていました。本作の開発は「III」が終わった頃から進めていたんですけど、ハードを限定せずに、まずはアクションゲームの研究を行っていたんです。その矢先、Wiiが発表されて、その誰もが直感的に操作が出来るというコンセプトに、我々が考えていたアクションゲームとしてのソウルキャリバーのコンセプトが合致したわけです。Wiiならば従来のボタンとコマンドでやっていた操作を、Wiiリモコンで誰もが簡単に直感的に操作できるものになるのではないかと。実際にWiiでの開発に入ったのは昨年の前半くらいだったと思います。
―― ストーリー的に「ソウルエッジ」と「ソウルキャリバー」の間という設定らしいですが。
大久保氏 そうですね。ストーリーとしての時代設定を遡っています。それというのも、今までソウルキャリバーを作っていて、ストーリー展開が駆け足だった感があったんです。常々、ストーリー上補完しておきたいものがあって。例えば「ソウルキャリバー」と「ソウルキャリバーII」あたりで、ジークフリートがナイトメアになった理由などを紐解いてあげなくてはならないんじゃないかと思っていたんです。そういった、ファンにとって気になっていたであろうストーリー上の空白部分を埋める話が詰め込まれているわけです。
―― 今回、新キャラクターのイスカが公開されましたが、その他の新キャラクターなどは? またオンライン機能なども気になるところなのですが。
大久保氏 キャラクター数は今の段階では言えないのですが、ある程度満足してもらえる数は用意しています。オンラインについては現状言える段階ではないのですが、検討はしていますよ。
―― Wiiで遊ぶということで、Wiiリモコンでのプレイを重要視していますが、普通のコントローラでのプレイは可能なのですか?
大久保氏 もしかしたらという可能性はありますが、本作を楽しんでもらう前提としてWiiリモコンがあるわけですから、あくまでもヌンチャクスタイルが一番楽しいプレイを提供できると思います。Wiiリモコンでのプレイでは、リモコンから音も出ますし、振動もします。実際ユーザーが触って楽しいという部分に注力しているんです。今回Wiiリモコンということで、実際に剣を振っているかのような気持ちよさを追求しています。そのため、チューニングには長い時間をかけているんです。現段階でも気持ちよく技を出せるようにはなっているのですが、ユーザーが剣士になりきれるように、デバイスを生かして、さらなる没入感を得られるよう調整しているところです。
―― 各キャラクターでWiiリモコンで出せる技が違うということですが、何パターンほど技数があるのでしょうか?
大久保氏 これまでのソウルキャリバーに負けないくらいは用意しています。しかし、間口という意味で、いきなり冒頭から技が全部出てしまうというのもプレーヤーが混乱してしまうので、あくまでガチャガチャやっても技は出ますし、Wiiリモコンを振るだけでも技が出るようにしています。そこから練習してもらって、出し方のコツのようなものを得られたら、さまざまな技へと発展させられるようになるんじゃないかと。振るタイミングや振り方でも技は変わります。例えば、コンボ一つとっても、左、右、左で3段コンボとなったり、左、左、左と連続して振るとキャラも同調して技を出してくれる。それに、ヌンチャクとの組み合わせでさらに奥深い技が出せるというわけです。
―― 格闘ゲームとしての従来シリーズ作品から引き続き導入されているものなどありますか?
大久保氏 元々あった自由に空間を走り回れることですね。ただ、三人称視点でのプレイになるので、移動は今までと違った感覚になりますし、違った遊び方ができると思います。あと、踏襲しているところといえばシステム面でしょうか。相手の武器を弾いたり、ガードや、防御など、従来のソウルキャリバーにおいてできたことは極力Wiiでもできるようにしています。
―― 前作の「III」ではキャラクタークリエイションなどありましたが。
大久保氏 カスタマイズに関しては方向性を変え、装飾ではなく、武器を集めていくことで、キャラクターが成長していくようにしています。武器の持ち替えも頻繁にできるので、集めた武器をどう使いこなすかが重要となるでしょうね。格闘ゲームではバランスが重視されており武器に極端な性能差を付ける事は難しかったのですが、本作では武器ごとに特性を持たせることができ、さらに武器に応じた技が出せたりと、さまざまな仕込みがされています。武器を集めるだけでも楽しめると思います。
―― ストーリーモードでは、状況に応じて2人のキャラクターを入れ替えて進んでいましたね。
大久保氏 2人が交代していくことで、それぞれ特性を生かすことができるし、その局面で有効なキャラクターに切り替えて打開していくという謎解きのようなこともできるようになっています。そのため、よりキャラクターの個性化がなされています。本作はアクションゲームということで、これまでの格闘ゲームファンにはモノ足りないと思われるかもしれませんが、実際手に取って遊んでもらえれば、確かにソウルキャリバーだと実感してもらえるものになっています。もちろん、アクションゲームとしても磨かれています。先ほども言いましたが、現在Wiiリモコンのチューニングを最重要として取り組んでいるところです。いろんな人が触っても誰しもが楽しめるものにするため操作面を強化し、先ほど見ていただいたデモンストレーションよりもさらにグラフィック的にもエフェクトや演出を取り入れて派手にしていきます。音も入ると臨場感もぐっと変化すると思います。今冬発売予定ですので、楽しみに待っていてください。
―― ありがとうございました。
「ソウルキャリバー レジェンズ」 | |
対応機種 | Wii |
ジャンル | 体感剣劇アクション |
発売予定日 | 今冬 |
価格 | 未定 |
プレイ人数 | 1〜2人 |
関連記事
- 新プレーヤーキャラクターも加わり、物語は混迷を深める――「ソウルキャリバー レジェンズ」
バンダイナムコゲームスが今冬発売に向けて鋭意開発しているWii用体感剣劇アクション「ソウルキャリバー レジェンズ」に新プレーヤーキャラクターが判明。 - 今年のバンダイナムコゲームスはこれを押さえろ
バンダイナムコゲームスが北米サンフランシスコで開催した「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」で試遊できたタイトルで、日本で未発売を中心に紹介する。新規タイトルや情報の少ないものを遊んでみた。 - 「ソウルキャリバーIV」を初公開――「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」
バンダイナムコゲームスは現地時間6月12日、北米サンフランシスコにおいて今後北米、および全世界で発売するタイトルラインアップの発表を目的とした「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」を開催。「ソウルキャリバーIV」など、新規タイトルも公開された。 - 剣をWiiリモコンに、そして物語を紡ぐ伝説の剣とともに――「ソウルキャリバー レジェンズ」
シリーズ最新作は、Wiiリモコンを剣に見立てた体感剣劇アクション。バンダイナムコゲームスは、今冬発売予定として「ソウルキャリバー レジェンズ」の新情報を公開した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
-
ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
-
人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
-
「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
-
“膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
- イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
- 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
- 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
- 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
- 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
- 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた