ボクの名前から“地獄の猛犬”が産まれた!――新たな“再生”方法が熱い「モンスターファームDS」:「かいて しゃべって はじめよう!モンスターファームDS」レビュー(1/3 ページ)
「音楽CDやDVDからモンスターを生み出す」というコンセプトが斬新だった「モンスターファーム」シリーズは、今年で生誕10周年を迎える。ニンテンドーDSで登場したシリーズ最新作で、DSならではの機能を使ってモンスターを生み出してみました。
目指すは最強モンスター! 新たな舞台で育成の日々が始まる
「モンスターファーム」というゲームをご存じだろうか? 1997年にプレイステーションにて登場したこのRPGは、音楽やゲームソフト等のCDをゲーム中に“読み込ませ”、新たなモンスターを再生(生み出す)して育てていくという斬新なシステムを採用していた。以後、続編が数多く登場し、現在はすっかり“テクモの看板タイトル”として認知されるまで成長した。またアニメ化もされており、子供たちの認知度もかなり高いことが予想される。
そして今、ニンテンドーDSにて最新作「かいて しゃべって はじめよう!モンスターファームDS」(以下、「MFDS」)が登場した。
さて、ニンテンドーDSはご存じのように、CDやDVDを読み込ませることができない。では、「MFDS」ではどうやってモンスターを生み出すのか? なんと本作では、ニンテンドーDSの特性である音声認識、タッチパネルでの図形認識、そしてGBAカートリッジからの再生という、3種類の方法でモンスターを再生することが可能となっている。
そのものズバリ「かいて」、「しゃべって」再生せよ!
というわけで、まずは3種類の再生方法を紹介しよう。
描いて再生する“魔方陣再生”
“魔方陣再生”は、タッチパネルに表示される方眼紙のようなマス目に、文字やら図形を書いてモンスターを再生させる方法。○、△、×といったシンプルな図形のみならず、複雑な図形や文字にも反応する。自分の名前や家の家紋を元にモンスターを再生すれば、きっと愛着が湧きまくること受けあいだ。たとえ、それが「○○もどき」系の、ちょっとダメなコだったとしても。
筆者はちょっとした好奇心で、魔方陣の右半分だけを塗りつぶした場合と、左半分だけを塗りつぶした場合で再生されるモンスターを比較してみた。生まれたモンスターは、系統こそ近いものの、別の種類のモンスターであった。つまり、同じ図形であっても、白黒反転するだけで、違うモンスターが再生される可能性があるということだ。
なお、本作の初回予約特典である「魔方陣プレート」は、この再生方法で使用する。これは9つの穴が開いたプレートで、タッチパネルに重ねて使用するモノ。塗りつぶし方の組み合わせは全部で512通りあり、中には超レアなモンスターが再生されるパターンもあるのだとか。手に入れている方はぜひいろいろと試してみて欲しい。すでに手遅れな方は……何事も諦めたらそこで終了、自力で頑張ってみるのだっ!
しゃべって再生する“呪文再生”
“呪文再生”は、DSの音声認識を利用した再生方法だ。マイクに向かって何かしゃべる、つまり実際に“呪文”を詠唱すると、それに対応した様々なモンスターが再生される仕組みだ。特定の“呪文”からは特定のモンスターが再生される、という法則性があるようだが、テキトウに奇声を発しても何かが再生されるようだ。
ふとテレビを見ると、テレビのバラエティ番組で某超有名お笑いタレントがその特徴的な笑い声を上げていたので、試しにスピーカーにニンテンドーDSのマイクを近づけて“呪文再生”してみた。すると、妖精系のモンスター“ピクシー”が再生されたのだ! 見た目はかわいい妖精なのだけれども、そのお笑いタレントにちなみ、その場のノリで“さ○ま”と命名してみた。そうそう、再生したモンスターには名前を付けることができる。これで愛着もよりいっそう深くなるってもの。
ただし、一度決定した名前は変更することができないことに気をつけたい。筆者がその後のプレイで、少々後悔したのは言うまでもない。名前はちゃんと考えてつけてあげよう。育成すると決めたモンスターとの付き合いは、そう短くはないのだから。
GBAカートリッジから再生する“石版再生”
これまでのシリーズに近い再生方法と思われるのが、この“石版再生”だ。本体をお持ちの方には言うまでもないことだが、ニンテンドーDSにはGBAのゲームソフトに対応したスロットがあり、ニンテンドーDSのソフトと同時に挿しておくことが可能だ。“石版再生”は、このニンテンドーDS本体にささったGBAのゲームソフトを元に、モンスターを再生するのだ。
ゲーム内で“石版再生”を実行すると、まずその状態でゲームがセーブされ、いったん電源を切るよう指示される。電源を切り、「MFDS」のソフトはそのままに、GBAソフトをスロットにセット。この状態でゲームを再開することで、“石版再生”が実行されるという手順だ。言うまでもないが、電源を入れたままの抜き挿しは禁物なので注意されたし。
こんな感じで再生したモンスターは、図鑑に登録される。一度図鑑に登録したモンスターは、以後“図鑑再生”という機能を利用すれば、いつでも好きなタイミングで再生させることが可能だ。ちなみに、収録されているモンスターは約200種類。再生方法をアレコレ試行錯誤し、新たなモンスターを見つけ出すことが、本作の醍醐味であろう。
ただし、プレーヤーの分身たる主人公の、ブリーダーとしてのレベルによっては再生できない場合もある。そんなモンスターが出てきた場合は、ゲームをある程度進めてから再挑戦するといいだろう。
新米ブリーダー、その第一歩を記す
先述のように、さまざまなモンスターを再生し、コレクションしていくことが「モンスターファーム」シリーズの醍醐味のひとつだが、しかしそれはあくまでゲームの一部に過ぎない。ここではゲームの進行に沿って、その世界や大まかな流れを紹介していこう。
舞台となるのは、人間とモンスターが共存する世界のとある小さな国・ボーゴン公国。そこに新しく設立されたボーゴンモンスターバトル協会(BOMBA)に、主人公がブリーダーとして、助手のルリルとともに登録するところからゲーム開始。
まずは育成するモンスターを再生するわけだが、ここでは筆者のペンネーム「しの」にちなんだものにしてみようと事前から決めていた。なにせ最初のパートナーだ。それにより今後のブリーダー人生が左右されると言ってもいいだろう。そんな存在が自らの名前から再生されるのであれば、愛情もひとしおに違いない。とはいえ、絵心がないというか字があまりキレイではない筆者ゆえ、最初の再生は“呪文再生”にしてみた。“モッチー”みたいなかわいいコが生まれることを期待して。
管理官のお兄さんプラン(最近までお姉さんだと思ってたのはここだけの話だ!)の指示に従い、マイクに向かって呪文を唱えると……光の中から現れたのは、凶悪そうな角のある犬のようなモンスター“バーゲスト”だった。説明文にも「ジゴクに生まれた時から……」だの「くらやみの中、ニブくひかる目が……」と、物騒な文言が並ぶ。鳴き声もなんだか図太い。うーむ、自分の名前はそういうイメージなのだろうか?
とはいえ強そうなその姿にひと目で気に入ってしまった筆者、彼を育成することに決めた。名前は“ポチ”、犬っぽいゆえ。
“協会”のある街には、他にもアイテムの売買ができる“ショップ”や、寿命の近いモンスターを冬眠させたり、モンスター同士を合体できる“工房”、修行や探検をする時にお世話になる“案内所”といった施設が並び、ここと自らのファームを行き来することになる。街を訪れると時折、モンスターの再生やゲーム内のヒントになる“街のうわさ”を耳にすることもできるので要チェックだ。
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