とりあえず4台のDSを持ち寄ろう そこがパーティ会場でありスターを巡る戦場だ!:「マリオパーティDS」レビュー(1/3 ページ)
「マリオパーティ」シリーズ最新作のプラットフォームはニンテンドーDS。複数の本体が簡単につながるワイヤレス環境、多彩なミニゲーム向きのインタフェース、これらを考えれば「マリオパーティ」とニンテンドーDSは非常に相性がいいように思える。そして実際に相性がよかったね、ってのが、まさにこの「マリオパーティDS」なのです。
夏にも冬にも“マリパ”の新作が登場した、幸せな2007年
「マリオパーティ」シリーズは、任天堂の看板キャラであるマリオたちによる、スゴロクとミニゲームで構成された人気のパーティゲームだ。その最新作である「マリオパーティDS」が2007年11月8日に発売された。
本作「マリオパーティDS」は、読んで字のごとくニンテンドーDSで遊べる「マリオパーティ」。ナンバリングがないことからも分かるように、ニンテンドーDSでは初の「マリオパーティ」である。
NINTENDO64で初代「マリオパーティ」が発売されたのが1998年のこと。実に9年前だ。筆者の感覚ではもっと昔から「マリオパーティ」を遊んでいるような気がしている。それだけ定番ソフトとしてずっと慣れ親しんできたということだろう。なんせ据え置き型ハードでは通算8作目の「マリオパーティ」が7月にWiiで発売されたばかりなのだ。9年間で8作目。そう。ファンならご存知かと思うが、「マリオパーティ」シリーズは毎年のように発売されている。
NINTENDO64で1998年から2000年まで3年連続。2001年には発売されず、2002年から2005年まではニンテンドーゲームキューブで“4”から“7”までがリリースされた。2006年にも発売はなく、今年になって「マリオパーティ8」がWiiで登場した(関連記事参照)。
面白いのは“1”から“3”までは12月発売、“4”から“7”までが11月発売、それが“8”になって7月発売になった、という点だ。元々「マリオパーティ」シリーズには冬の定番ソフトというイメージがあった。7作目までは年末に登場し、スゴロクとミニゲームでにぎやかな年末年始を家族や友人と過ごす、というニーズに確実に応えてきたシリーズだったと言っていい。その当然だと思っていた流れが“8”で少し変わったようだ。夏に「マリオパーティ」。何だか、夏の歌ばかり歌っていたアーティストが、突然12月に冬っぽい歌を歌ってファンを驚かせるような、そんな意外性を感じるタイミングで発売されたわけだ。この「マリオパーティ8」は2007年11月中旬現在、かなりの売り上げを見せているようで、Wiiのソフトの中でもなかなかのヒット作となっている。夏にだって「マリオパーティ」の需要はある! という事実を示してくれたようだ。
さて。では今年は夏に出てしまったので、冬には「マリオパーティ」は出ないのか……。(分かりきったことではあるが)答えは「否!」である。今年の冬の「マリオパーティ」はニンテンドーDSを持ち寄って気軽に遊べてしまうのである。
ちなみにゲームボーイアドバンス用ソフト「マリオパーティ アドバンス」が、2005年1月に発売されている。ゲームボーイアドバンスと言えば、多人数プレイをするためには通信ケーブルをつなぐ必要があった。一方ニンテンドーDSは標準でワイヤレスでのプレイを実現しているので、持ち寄って遊ぶというスタイルがより成立しやすくなった。その要素こそがニンテンドーDSの爆発的な普及に一役買っていることは、周知の事実だと言っていいだろう。出るべくして出た感のあるニンテンドーDS版「マリオパーティ」について次項からお伝えしていこう。
誰よりも多くスターをゲットし、スーパースターを目指せ
本作のシステムは、従来のシリーズと基本的に変わらない。プレーヤーの目的は、最終的にスターを他のプレーヤーよりも多く手に入れ、スーパースターになることだ。
ボードマップの上で、マリオたちはランダムに出るサイコロの目に従ってマスを進んでいく。最大4人でのプレイが可能で(基本的に4人揃わない場合はコンピュータが相手を務める)、全員が一通りサイコロで移動し(これを1ターンとする)、ターンの最後には必ずミニゲームが発生する。
ミニゲームの内容は、各プレーヤーが止まったマスの種類によって1対3、2対2、4人対戦のいずれかが選択され、ミニゲームで勝利したプレーヤーはコインを得ることができる。このコイン20枚とスターが引き換えられる(例外も多々ある)ので、プレーヤーは皆コインを稼ぎつつ、マップ上のスターを目指していくことになる。「スターを手に入れたい!」という目的は皆同じなので、そこでし烈な争いが繰り広げられることになるわけだ。しかも誰かがスターを取った場合、マップ上のスターの場所が変わってしまうので油断ならない。猛然とスターを目指し接近していたのに、場所が変わって一番遠いポジションになってしまう、なんてこともある。
また、各ボードマップはそれぞれ一癖も二癖もあるものばかりで、プレーヤーはさまざまなラッキーやアンラッキーに見舞われる。コインの数、スターの数はターンごとに増減し、さっきまで1位だった人があっという間に4位に転落する、というケースも頻繁に起こり得る。この最後までどうなるか分からないハラハラドキドキ感が「マリオパーティ」シリーズの魅力の最たる例だと言ってもいいだろう。本作でもそのあたりはしっかりと継承されており、基本システムは同じなので、シリーズのファンはご安心いただきたい。
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