番組を知らなくてもレトロゲームが大好きな人ならよかですよ「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」レビュー(1/3 ページ)

1984年にアーケードから移植された「コズミックゲート」や、1985年の「からくり忍者ハグルマン」など、ゲーム史を彩った人気作品。これらのゲームが生まれた歴史的背景をひもといていく(注:これらは「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」のゲーム内ゲームです)。

» 2007年11月30日 12時30分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

※編集注:

 通常ですと連載「ゲイムマンのレトロゲームが大好きだ」を掲載する予定でしたが、“やっぱりこのソフトは外せない”ということで、今回は予定を変更して“番外編”の「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」レビュー記事をお届けしますことをご了承ください。


初期シューティング時代を彩った名作

 今回取り上げるゲームは、「コズミックゲート」(TOMATO)。ゲーム暦1984年11月8日、家庭用ゲーム機に移植された。

 この年、ファミコンにはハドソンとナムコ、2社のサードパーティが参入。そして11月8日はまさに、アーケードで大ヒットしたナムコのシューティングゲーム「ゼビウス」が、ファミコンに移植されたその日である。

 「ゼビウス」は、アーケード版にもあった隠れキャラ“ソル”の存在や、ファミコン版での無敵モードの発見などで、裏技ブームを作ったゲームの1つ。

 「ゼビウス」以外にも、ナムコは「ギャラクシアン」や「パックマン」、そしてこれ以後も、「マッピー」「ギャラガ」「ディグダグ」と、アーケードで人気だった作品を、ファミコンに多く移植した。

 「コズミックゲート」もアーケードからの移植。基本システムは「ギャラクシアン」や「ギャラガ」と同様、隊列を組んでビームや体当たりで攻撃してくる敵を、戦闘機で迎え撃つ形。

 だが、当時としては真新しかった要素がいくつか含まれていて、このゲームの個性となっている。

 まず、パワーアップシステム。光るボスを撃つとパワーアップアイテムが落ちてきて、これを取ると、2連射だった弾が3連射できるようになる。しかも3発めは貫通弾だ。

 アーケードではこの時期、すでに「スターフォース」(テクモ)が登場していたが、「コズミックゲート」は家庭用ゲーム機版でも、スムーズな3連射が再現され、気持ち良く攻撃できた。

 また、4ステージごとの“アステロイドゾーン”にも驚かされた。大小さまざまな隕石を撃つボーナスステージなのだが、いちばん大きな隕石がとにかく大きい。優に自機の10倍はある。

 隕石は、大きさによって堅さが違う。小なら1発、中なら3発で壊れるが、大を破壊するには15発撃つ必要がある。

 後半のステージでは、高速で接近する隕石が増えるので、ボーナスステージといえども油断はできない。

 そして「コズミックゲート」いちばんの目玉となっているのが“ワープゲート”だ。

 光るザコ敵を最初に撃つと、出現するワープゲート。これに弾を18発撃ちこむと、3つ先のステージへワープできるのだ。

 早く先へ進みたいならワープ、得点を重視するなら光る敵を撃たずにとっておく。プレーヤーはその目的によって、“ワープか、セーブか”を選択することになる。

 もっとも「マイティボンジャック」とは違って、ワープした後にミスしても、ワープ前のステージに戻されるわけではない。

画像 貫通弾でまとめて敵を倒すと高得点。縦一直線に飛んできたときが狙い目
画像 アステロイドゾーンでは、壊した隕石の数に応じてボーナス点が入る。また、大きな隕石を壊すと15000点入る
画像 ワープゲートは撃っているとだんだん大きくなる。さらに先へワープできる、特殊な色のワープゲートも存在

ゲーム魔王アリーノーからの挑戦

 ……えー、この「コズミックゲート」はもちろん、実際に1984年に発売されたゲームではない。「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」(バンダイナムコゲームス)に収録された“ゲームinゲーム”である。

 「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」を始めると、番組でおなじみ菅プロデューサーのナレーションで、ストーリーが語られる。

 有野課長が“有野の挑戦”に失敗したとき、その無念の思いがニンテンドーDSに宿り、“ゲーム魔王アリーノー”として実体化した!

画像 ゲーム魔王アリーノー。この顔を見て少年時代の有野さんはショックを受ける

 プレーヤーは小学生となって、少年時代の有野課長の家に飛ばされる。そしてもとの時代に戻るため、アリーノーが次々と出す挑戦(課題)をクリアしていくのだ。

 最初の挑戦は、「コズミックゲートのステージ5をクリアする」。挑戦といっても現在の“有野の挑戦”とは異なり、番組初期でたまに見られた、得点を稼いだり、あるアクションを成功させたりといったものが多い。

 「コズミックゲート」でアリーノーから出された挑戦を4つクリアすると、時代がちょっと進み、ゲーム暦1985年9月13日になる。この日はアクションゲームの「からくり忍者ハグルマン」の発売日で、今度はこのゲームを使って、4つの挑戦をクリアすることになる。

 さらに「ハグルマン」の挑戦を4つクリアすると、同年11月21日に進み、レースゲーム「ラリーキング」を使った挑戦に移る。こうして次々と新しいゲームに挑戦しながら、時代を進めていくのだ。

 昔はゲームが少なかったから、1本のゲームをいろんなやり方でプレイして、長い期間楽しむプレーヤーが多かった。高得点を稼ぐ、短時間でクリアする、あるアクションを封印してプレイする、etc.

 「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」の“挑戦”システムは、それを再現しているといえるかもしれない。

気軽に遊べるアクションゲームとレースゲーム

画像 ハグルマンは敵の攻撃を1回だけ耐えられる。ポンコツ状態になるが、元に戻る手段もなくはない

 さて、すでに紹介した「コズミックゲート」以外のゲームを見ていくことにしよう。

 ゲーム暦1985年9月13日発売の、アクションゲーム「からくり忍者ハグルマン」。くしくも「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂)と同日発売である。

 珍幻斎にさらわれたほおずき姫を救うため、からくり忍者ハグルマンが妖怪と戦う。ハグルマンの攻撃手段は、手裏剣と踏みつけ。さらに、ステージにある扉を回して、敵を倒したり、敵の攻撃から逃れたりできる。

 扉を回すと、画面内にある同じ色の扉が全部回転する。これを使って離れた所にいる敵を倒すことも可能。

 続いて登場するレースゲーム「ラリーキング」。見下ろし型の画面で、車は基本的に画面の上方向へ進んでいく。当時のゲームだからコースは回転しないが、この時代は、画面がドット単位でなめらかにスクロールすること自体が新しかった。

画像 Aボタンの操作でドリフトブースト! 変な所で発動させると、思い切りガードレールに当たるんで注意

 Aボタン(アクセル)と十字キー(ハンドル)を巧みに操作することで“ドリフトブースト”が発動し、爆発的に加速できる。また、各コースにショートカットが設けられており、うまく使うと順位がジャンプアップする。

 あまりシビアなコーナリングは要求されず、かなり遊びやすい。ただし、一瞬の気の緩みが大きなタイムロスを招くので、油断はできないが。

 裏技を使うと、車が他車やガードレールにぶつかってもダメージが蓄積しなくなり、さらに走りやすくなる。

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