列車を降りたら100画面分の広い島「チャレンジャー」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

今回は「チャレンジャー」(ハドソン)を取り上げてみました。列車に飛び乗るシーン1と、広大な島を巡るシーン2。まったく違うゲームシステムが共存していたゲームです。Wiiのバーチャルコンソールにも登場しています。

» 2007年12月17日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

メタモルフォセスください

画像 上野公園にて。後ろの建物は、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館。世界遺産候補

 今回は上野にやってきた。

 かつて東北・北陸方面へのターミナルだった上野駅。今ではその機能の多くを東京駅などに譲っているものの、常磐線は現在も上野始発・終着だ。

 その常磐線を走る特急、フレッシュひたちに使われているのがE653系電車。1997年に登場し、2007年で10周年を迎えた。

 登場時は斬新なデザインだったこの車両だが、わたしはどこかでこれに似た車両を、見たことがあるような気がしていた。

 最近気づいたが、「チャレンジャー」(ハドソン)の1面(シーン1)に出てくる、メタモルフォセス号にそっくりなのだ。

画像 上野駅に停車中のE653系。すその色は編成ごとに異なるが、偶然にもメタモルフォセス号に似たピンク色の車両を撮影できた
画像 こちらが「チャレンジャー」のメタモルフォセス号。国鉄がJRになる前のゲームとは思えない斬新なデザインだ

 「チャレンジャー」が発売されたのは1985年で、もちろんE653系はまだなかった。メタモルフォセス号の先頭部に、運転士がいないことから察するに、モデルとなったのは名古屋鉄道のパノラマカーか、小田急ロマンスカーのNSEかLSEと思われる(ロマンスカーと違って連接構造ではないが)。

 ただ、どれも架線の下を通る電車なので、チャレンジャーのように屋根に飛び乗ると、感電の危険がある。よい子は絶対にまねしないように(いや、そもそも、走ってる列車の屋根に乗ること自体が非常に危険だけど)。

 わたしが「チャレンジャー」の画面を初めて見たのは、確かテレビ東京の「おはようスタジオ」。当時レギュラーだった高橋名人が紹介していたそのゲーム画面には、疾走する列車の屋根に飛び乗って敵と戦う、主人公の姿が映っていた。

 画面の3分の1を占める大きさの列車が動くというのは当時、非常にインパクトがあった。そしてその列車の上で戦うという、映画のようなアクロバチックな設定。色づかいの明るさも印象的。

 さらに、列車の先頭にある展望室には、助けを求める女性と、悪の親玉。当時は「スパルタンX」、「ドルアーガの塔」、「スーパーマリオブラザーズ」など、さらわれた女性を救うゲームがいくつか登場したが、このシチュエーションは個人的にかなり好きだった。(その頃からこういうラブロマンスっぽいのが好きだったのに、なぜいまだに彼女ができないのかと思うと哀しくなる)

 あとは、軽快なBGMもすごく印象に残っている。クラシックの曲(シューベルトの「軍隊行進曲」)がベースになっていることは、後から知った。

画像 列車内では、キャラクターがちゃんと車体の陰に隠れる。初期のファミコンでこの表現ができる技術力はすごい

 高橋名人のブログによると、シーン1だけは「暴走特急SOS」というPCゲームからの移植だそうだ。だからシーン2以降とは雰囲気が違ったのかもしれない。

 ちなみに、「おはようスタジオ」の司会・志賀正浩さんは、後に「ファミっ子大作戦」、「ファミっ子大集合」の司会も務めた。また、映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」に、進行役として出演。ここでも高橋名人と共演している。

難易度レベル1がすごく難しい

 これだけ印象に残っているゲームでありながら、わたしは当時ファミコンを持っていなかったので、このゲームを買うのは、かなり後のことになる。

 で、買ってみた。プレイしてみた。でも全然進めなかった。

 「チャレンジャー」では、難易度が16段階で調整できる。わたしは最も簡単なレベルでプレイしたのだが、ナイフが敵にまったく効かず、シーン2で敵に囲まれて、ゲームオーバーになってしまっていたのだ。

 実は、最も簡単なレベルにすると、ナイフの通用しない火の玉「タマ」しか出てこなくなる。通常のレベルなら、敵を倒すことで出てくるアイテムの力で、タマも倒せるようになるのだが、簡単なレベルではこのアイテムを出すのがほぼ不可能となるため、タマからは逃げるしかない。

 当時はそんなことなど知らなかったわたしは、「簡単なレベルでこの調子なら、その上のレベルは相当難しいだろう」と思い込み、以来このゲームを長いことほったらかしにしていた。

 再プレイする気になったのは、「ゲームセンターCX」の本(第2巻)を読んで、攻略法を知ったから。番組の方でも有野さんが挑戦していたらしいが、その頃わたしは番組自体を知らなかったし、この回はDVDにも収録されていないので、映像の方は残念ながら見ていない。

画像 タイトル画面で難易度調整が可能。緑のバーが長いほど難易度が高くなる
画像 最も簡単なレベルのシーン1。タマ以外の敵は出てこないので、連結部分をジャンプするだけで最後尾まで行ける

 「チャレンジャー」は、全4ステージ(シーン)から成るアクションゲーム。悪の秘密組織ブラッディワッカーの首領、ドン・ワルドラドにさらわれた、ロスマリー国の王女・マリアを救うため、考古学者のチャレンジャー(これが彼の名前である)が、ブラッディワッカーの妨害を乗り越え、マリアの捕えられているプレシオドランドのピラミッドを目指す。

 全4ステージのアクションゲームという点は「ドンキーコング」(任天堂)みたいだが、ゲームシステムはまったく違う。というのも「チャレンジャー」の4つのシーンは、それぞれ異なるシステムのゲームになっているのだ。

 まずシーン1は、横スクロールアクションゲーム。前述のとおり、列車の屋根に乗って、敵をジャンプでよけたりナイフで倒したりしながら進む。

 最後尾の車両から車内へ入り、先頭車両へ。そこにはマリアとドン・ワルドラドがいるが、ドン・ワルドラドは列車の2両めから後ろを切り離した上、連結面にチャレンジャーを追い込んで、外へ放り出してしまう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた