列車を降りたら100画面分の広い島「チャレンジャー」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
意味深なトラップが次々と
4つめの洞窟へ向かう途中の橋を過ぎれば、かなり楽になる。モーリンが出現するからアイテムが出やすいし、お助けキャラの「まっとうくじら」が現れる確率が高い。
でもその先には、文字どおりの落とし穴がある。「ミステリーゾーン」と名づけられた場所に迷い込むと、そこから出られなくなってしまうのだ。ミステリーゾーン内には4つの穴があるが、入ってしまうとミスとなり、チャレンジャーの残り人数が減ってしまう。ある程度敵を倒して、ある条件を満たせば脱出できるらしいが、タマがいっぱい襲ってきてすぐやられてしまうので、その条件が確認できなかった。
こういうワナはこの先にもある。入ると即ミスになる偽物の洞窟。考えなしに歩いているとそこへ行きついてしまうので、途中で抜けられる道を探さなくてはならない。こう書くと何となくアドベンチャーゲームっぽい。
あと、終盤にある巨大なアリジゴク。近づくとどんどん中心の穴に引き込まれ、落ちてミスとなってしまう。ただしパワーソードを取れば、チャレンジャーがスピードアップするので、抜け出せる可能性がある。
そして灰色のピラミッドに入り、シーン4へ。シーン4は固定画面のアクションゲーム。岩から岩へ飛び移り、ドン・ワルドラドにナイフを4発たて続けに撃ち込めば、倒すことができる。
その後、マリアのもとへ駆け寄ればシーン4クリア。このときジャンプすると下に落ちてミスになるので注意。エンディングは特になく、すぐに2周めが始まるところも、この時代のゲームらしい。
いまだにミステリアスなゲーム
「チャレンジャー」は、“4ステージでループする”という従来のアクションゲームの枠組みを残しつつ、100画面分のマップを入れたため、アクションとRPG、アドベンチャーを混ぜたような、独特な雰囲気の作品になっている。「リアルタイムアクションアドベンチャー」というキャッチフレーズは、言い得て妙である。
ゲームが“得点重視”から“シナリオ重視”へと移りつつあった時代ならではのゲームといえる。それだけに、似たタイプのゲームがあまり存在しない。だから今でもよく語られるのかもしれない。
裏技も多い。わたしは「ゲームセンターCX」の本の第2巻で知ったが、例えばシーン1で列車の先頭に立ち、BGMに高い音で「カンカン」と鳴ったらすぐ、敵に当たらないようにナイフを投げる。これを4回繰り返すと、空にクジラが出現し、チャレンジャーがシーン1の間だけ無敵になる。
ほかにも、シーン1でマリアの頭上でジャンプするたびに100点入るとか。シーン2で同じ敵を16匹倒すと出現する、空飛ぶクジラを倒すと残り人数が1人増えるとか。モーリン、オジーズ、ピタロボの順に倒すと、次に洞窟に入るまでパワーソードを持った状態になるとか。シーン3でタイムを80秒以上残してクリアすると100000点入るとか。
今ではネットを調べると、たいていの裏技は載っている。ただし、やり方や効果、あるいは技そのものの有無までが、いまだ正確に分かっていないものもある。発売から22年も経っているにもかかわらず、まだ謎が残っているという点が、このゲームの神秘的な香りを強めている。
「チャレンジャー」に続編は出ていないが、ゲームボーイアドバンス用ソフト「ハドソンベストコレクションVol.3」に収録されている(「迷宮組曲」とのカップリング)。携帯電話にも移植されており、さらに、Wiiのバーチャルコンソールや、i-revoでダウンロード販売されている。入手しやすくなったので、かつて挫折した方も、もう一度クリアを目指してプレイしてみてはいかがだろうか?
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