何度も言いますが、連邦のMSはバケモノです!!──ギレン総帥のすごさが骨身にしみました:「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威」レビュー(2/3 ページ)
「アライメントシステム」が“if”の歴史を紡ぎ出す
本作の最も大きな特徴は、「系譜」における「外交」を廃し、新たに「アライメントシステム」を導入したことだろう。これはプレイヤー勢力のアライメントゲージ(評判)を表すもので、イベント中の選択肢や各種コマンドによって、「ロウ(Law=秩序)」と「カオス(Chaos=混沌)」の間を行ったり来たりするのだ。
アライメントゲージは毎ターンわずかずつロウの方向へ傾いていくが、例えば苦しい資金繰りの中でつい頼ってしまう「臨時資金徴収」なんてコマンドを使うだけで、自然変化数ターン分が一気にカオスへ傾いてしまう。
カオスに傾くと周囲への評判は悪くなり、例えば暴動が起こって鎮圧するまで敵エリアへの侵攻ができなかったり、貴重なパイロットが離脱したりするなどのデメリットがある。一方、より非人道的ながらも強力な作戦が実行できたり、逆に参入してくるキャラクターがいたり……と、デメリットばかりでもないのが面白いところ。このあたりに、単純に「善・悪」ではなく「混沌・秩序」と設定した意味合いが見て取れるだろう。戦争や国家というものは、単純な善悪二元論では語れないものなのだ。
集団運用・各個撃破こそ勝利のカギ
「行動設定フェイズ」は、六角形のマス目(ヘックス)で区切られたマップ上にて、味方ユニットを動かし敵を撃破していくというオーソドックスなスタイル。侵攻した場合は敵勢力の殲滅、もしくはマップ内に点在する拠点を全て制圧すれば勝利となり、防衛戦の場合は敵の殲滅、もしくは敵の全退却が勝利条件だ。
拠点間はラインで結ばれ、これがいわゆる「補給線」を意味する。MSなどの各ユニットには「耐久力」の他に「物資」というパラメータが設けられており、移動したり攻撃することで減っていくが、先の「補給線」や「拠点」のヘックス上であれば補給が受けられ、また拠点の上であれば耐久力も回復できるのである。
そんなわけで侵攻は補給線をたどるように進めるのが常套手段のように思えるのだけど、このラインが敵のいる拠点までまっすぐたどれることの方が少なかったり、また補給線上に山岳地帯があったりするため、常に補給線の上を進むことは難しい。どの場所で補給線を外れて進行するか、というのが1つのポイントになってくる。逆に、いかにこれを維持しつつ戦うか、あるいは補給部隊を投入するか、というのも駆け引きの大きなポイントだ。
戦闘はまず部隊同士の射撃戦から始まり、後に前衛同士の格闘戦が実行される(格闘可能なユニットのみ)。これらはアニメーションで描かれ、また戦闘の前後で搭乗しているキャラクターのカットインが時折入り、おなじみの名台詞が流れたりすることも。「オルテガ! マッシュ!」の掛け声は、いつ聞いても血湧き肉踊るのだ。
また、原作の中で関係のあるキャラクター同士を接近させると、会話イベントが発生することも。これらの多彩なイベントを眺めるだけでも、ガンダマニアにはたまらないのだ。
そうそう、スタック(同一へクスに重なっている部隊のこと。3部隊まで)へまとめて指示を出せるよう改良されたのもポイント。ユニットをスタック単位で運用するのは基本的な戦術の一つであり、地味ながらもかなりうれしいポイントだ。
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