ボンバーマンの次なるフラッグシップへ――「ボンバーマンオンライン Japan」オープンβテストへ向けて「ボンバーマンオンライン Japan」インタビュー

ハドソンとショックウェーブエンターテインメントは、「ボンバーマンオンライン Japan」のオープンβテストを8月27日に開始する。

» 2008年08月25日 15時43分 公開
[加藤亘,ITmedia]

これからのスタンダードとなるために

ハドソンよりゼネラルマネージャーの斉藤祐志氏(中央)、そして佐藤昭洋氏(右)、ショックウェーブエンターテインメントより岡山博紀氏(左)に話をうかがった

 ハドソンとショックウェーブ エンターテインメントが展開するオンラインアクションゲーム「ボンバーマンオンライン Japan」(以下、BOJ)のオープンβテスト開始日となる8月27日が近づいてきた。

 「ボンバーマン」はさまざまなプラットフォームで発売された、爆弾を使って相手を倒すアクションゲーム。BOJは、これまでハドソンが発表してきたすべてのボンバーマンをベースに、さまざまな要素を追加、コミュニケーション部分を強化している。

 BOJでは、各キャラクターに設定されているコストを元に、アイテムをゲーム内に持ち込むことができる「パネルデッキシステム」や、相手の動きを止めたり一発逆転できる必殺技の「ボムワザ」、相手に倒されてもバトルに復活できる「みそボン」システムなどを実装。各種アバターなどを用意している。

 まもなくオープンβテストということで、今回ハドソン ネットワークコンテンツカンパニー オンラインサービス事業推進部ゼネラルマネージャーの斉藤祐志氏を中心に、同部長佐藤昭洋氏、ショックウェーブエンターテインメント メディア部マネージャー岡山博紀氏に話を聞いてみた。

 本作は、“ボンバーマンの新たなフラッグシップとなる”べく、従来のボンバーマンの概念を覆す仕様が施されている。そこには、なるべくライトユーザーを多く取り込んでいきたいという希望がある。そのためにも、前例のないアイテム持ち込みというシステムも実装することになった。すべてはさまざまな人に遊んでもらうために、ハードルを下げることを考えてのことだ。セーブデータが3つあるのも、低スペックのPCで遊べるだけでなく、1台のPCにダウンロードしたら家族みんなで遊んでもらえるようにしたいからと斉藤氏。ゲーム内マネーとなるCPは共通で、父親がチャージしたものを子どもが使うこともできる。

まずはステータスを設定

 とかくこの手の対戦アクションでは、プレイヤーのスキルによって強弱の差が埋まらず、結局ヘタなプレイヤーは敬遠していく傾向にある。また、オンラインゲームではコミュニケーションの円滑化が重要視されるのだが、本作もそれは同様だった。そこで、まずはゲーム最初に地域や性別などのステータスを入力し、地域限定バトルや同年代バトルなど、会話の糸口を用意。これは、アイテム持ち込み禁止などのローカルルールを、ルームによって決めたりと、遊び方の幅を作ることにつながった。そして、強弱の差があまりないようなマッチング調整を重要視した(後述)。

 このような、ライトユーザーのための施策を斉藤氏にいくつか紹介していただいた。本作は、ゲーム開始当初、ステージや機能、バトル人数などにロックがかけられている。できるだけ初心者に余計なことを考えさせず、バトルボタンひとつ押すだけで遊べるようにした。プレイが進むに従って、モードのロックが解除されていくのだが、ロック解除はバトル勝敗数に限らず、チャットの回数やフレンド登録数など、バトルに限らないのが特徴。さまざまな条件を設けることで、最初は悩まず遊びやすく、知らず知らずのうちに長くやりこんでもらえるように、という計らいだ。

 クローズドβテストを行った際には、アイテムを持ち込むことに関して、「強さをお金で買わせるのか?」という反対意見もあったと斉藤氏は明かす。しかし、ボンバーマンのシステムなら、アイテム持ち込みによって強弱の差が緩和はされることはあっても、完全に逆転するものではない。新しいボンバーマンを創出する際に、ゲームサービスという観点からも、「アイテム課金」と「アイテム持ち込み」は必須と判断したという。単に持ち込めるだけなら、アイテムを多く購入した人が有利なだけだが、コストという概念のおかげで無限に持ち込むことができず、コスト内でいい組み合わせを見つけていくという、各プレイヤーの戦略性が重視されるようになった(アイテムはそれぞれ火力や爆弾数など属性があり、1つの属性には1つしか持ち込めない)。これはボンバーマン上級者にとっても奥深さにもつながっている。

アイテム一覧
デッキにそれぞれ属性ごとにコストに見合ったアイテムを組み込んでゲームスタートとなる
こちらがモードロック。それぞれロック解除の条件が異なる

 前述したとおり、キャラクターによって性能が異なるので、火力が低い場合はアイテムで補うなど、個人の戦い方やステージによって見極めることが大事となる。なお、アイテムはオープンβテスト開始時にはまずは20個ほど用意。今はまだ明かせないが、遊ばれ方の状況を見ながら順次追加していくとのこと。ちなみに、正式サービス開始時にはボムウェポンは3種類に、キャラクターはボンバーマン族を1種類とすると、4種類用意。ステージも、2ワールド合計20ステージが遊べる。

 斉藤氏は、「ボンバーマン」というゲームは競技性が高く、対戦こそ真価を発揮すると考えていた。対戦でのマッチング調整に今でも苦労しているとのこと。マッチングは、プレイヤーの偏差値ともいえる「レート」を基準に行われる。レートは勝敗によって上下し、基本的には自分と同じ強さの人とマッチングされる。レートは、高い人に勝つと大きく上がり、低い人に負けると大きく下がる仕組み。なお、ゲーム開始当初は前述したモードロックによって初心者同士でしか戦えず、しばらくレートも変動しない。しばらく戦い勝っていくことで、ロックが解除されレートが付与されるとのこと。当然、対戦では、さまざまなルールが変更できる。

ボムウェポン
条件が整うまでは初心者として練習してもらう

 「対戦が主体のゲームなので、みんなが勝てるわけではありません。でも、うまい人が楽しめるだけではゲームとして問題があります。10回のうち、せめて2回くらいは下手な人でも勝てる運とスキルのさじ加減が必要だと思います。バトルはテクニックだけでなく、もう少し勝利の可能性を感じられるものにしました」(斉藤氏)

実際にオープンβテスト直前のBOJを、4人対戦でのデモプレイしてくれたのだが、斉藤氏が接待プレイを要求するなど、コミュニケーションが楽しい

 開発でも当初、アイテムを持ち込めることには懐疑的だったという。特に過去作を知っている人は顕著だった。しかし、大事なことは幅広い層が遊べること。うまい人だけが遊べるタイトルでは駄目と、あえて入れることにした。クローズドβテストでは、爆風範囲を表示してくれるアイテムなども初心者に好評で、今後も幅広い層に対応できるようアップデートをしていくことになる。なお、クローズドβテストのアンケート結果が公開されているので、そちらも確認してもらいたい。

 今年は日本で予選を行い、東京ゲームショウ2008のハドソンブースにおいて決勝戦が行われる。今後は、配信国を増やしていき年に1回世界一決定戦を開催していきたいと、世界展開をにらんでいる。その意気込みは、先ごろ公開されたプロモーションムービーでも見られる。

 「もちろん無料でプレイできますので、まずは遊んでみてください。そしてどんどん意見をください。BOJはプレイヤーの皆さんと一緒にサービスを作って行きたいと思っています。そしてBOJこそ、今後のボンバーマンのスタンダードであり、フラッグシップにしていきたいと思っています。また、ボンバーマンワールドカップ2008(BWC)も9月10日の正式サービスと同時に開催します。こちらも参加無料ですし、豪華賞品も用意していますので、お気軽にご参加ください。このBWCがバンバーマンのナンバー1を決める戦いになります」(斉藤氏)

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