レビュー
» 2008年08月26日 13時35分 公開

プレイヤーの心のゴールに突き刺さる「イナズマイレブン」レビュー(1/2 ページ)

レベルファイブが贈る新タイトルは、なんとサッカーゲーム! その内容は、現役小学生も往年の熱血サッカーまんが世代もみんなが楽しめる夢のサッカーゲームだった!?

[立花裕壱,ITmedia]

 エースストライカーの豪炎寺が抜け出す。ここでシュートだ。出たぁ、必殺のファイアトルネード!! うなる剛球がキーパーを吹き飛ばす……。今勢いに乗っているレベルファイブの新作はなんとサッカーゲーム! その内容は、現役小学生も往年の熱血サッカーまんが世代もみんなが楽しめる夢のサッカーゲームだった!?

サッカーゲーム界に新風が巻き起こる!

 王道の「ウイニングイレブン」や「サカつく」もいいが、筆者はサッカーゲームの可能性を広げてくれるという意味で、斬新な切り口を持つサッカーものに目がない。

 かつては1998年、フランスワールドカップの際にエニックス(現スクウェア・エニックス)から「日本代表チームの監督になろう! 〜世界初、サッカーRPG〜」なんてゲームも発売された。一般的な評価はさておき、これもなかなか革新的で筆者は気に入っていた。また、なんとノベルゲームとサッカーの試合を組み合わせた「ドラマティックサッカーゲーム 日本代表選手になろう!」なるソフトもあった。ボールのごとく文字が画面外から飛んでくるシステムには度肝を抜かれたものだ。最近では、ヒーローインタビューに答えたり、結婚したり、マイホームを買ったりと、1人のサッカー選手の人生に着目した「サッカーライフ」シリーズにもハマった。スマッシュヒットになり続編も出たので覚えている読者も多いだろう。物好きと言われればそうかもしれない。でも、広大なフロンティアを見つけるのは常に挑戦者なのだ。

 この「イナズマイレブン」も、新たな可能性を切り開くパイオニア。ジャンルは「収集・育成サッカーRPG」。テーマはサッカー少年の青春ドラマだ。振り返れば80年代、まんがの世界では、主人公とライバルたちが数々の必殺シュートを繰り出し、燃えるような試合を行っていた。ド派手な必殺技の興奮、勝利に向かってひた走る熱血さ、チームメイトたちの爽やかな友情……。そうした少年まんがテイストをギュッと詰め込んだ、どこか懐かしさもあるサッカーゲームが「イナズマイレブン」だ。主人公と年齢が近い小中学生はもちろん、サッカーまんがに燃えて、出来もしない必殺技を練習していた三十路世代も、童心に帰って夢中にさせてくれる。

オープニングを始め、アニメムービーが随所に入る作り。アニメ制作は「ポケモン」のOLM。ムービーの分量は多く、質も高い
舞台となるマンモス中、雷門中学。プールや陸上用トラック、文化部室棟なんかもあって本格的だ。冒頭の仲間集めにはこのマップを駆け回ることに
必殺技もありの超ド派手サッカー。3Dグラフィック演出は見もの! 2人の協力技、友情のツープラトンシュート「イナズマ1ごう」が炸裂する!! なんか不思議と懐かしいノリだ

 「イナズマイレブン」の開発・発売は福岡に拠点を置くレベルファイブ。レベルファイブといえば、「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」の制作や、大ヒットした「レイトン教授」シリーズでおなじみだ。今回「レイトン教授」シリーズに続く自社ブランド作品がサッカーゲームということで、筆者も正直驚いた。しかし、随所に見せるこだわりとゲームそのものの質の高さには、さすがはレベルファイブと思わされた。

 特に舞台となる雷門中学の丁寧な作りといったらない。普通のサッカーゲームなら、教室とグラウンドと部室くらいで、あとは省いてしまっても問題ないが、雷門中学には図書室もあれば教員室、放送室まである。外にはプールや野球場、テニスコート……。屋上では応援団が練習し、体育館裏には不良がたむろする。これだけ作り込まれた学校を、部員をスカウトするために走り回るだけでも学園ドラマ気分が盛り上がってくる。RPGというジャンルは、いかに世界観を構築し、プレイヤーを引き込むかが重要だが、この雷門中の作りに、ゲーム冒頭からワクワクさせられた。作品からパワーを感じるとはこのことだろう。

心が熱くなる青春サッカードラマ!

 さて、本作のポイントは大きく分けてふたつある。ひとつは先にも書いた、熱血で友情成分たっぷりのシナリオ部分。そしてもうひとつがタッチペンを使ったアクション性に加えて、カードゲームのような戦略性も兼ね備えた試合部分だ。

 まずはストーリーから見ていこう。

 ――マンモス中学、雷門(らいもん)中のサッカー部は、部員7人の弱小チーム。やる気があるのはキャプテンのGK円堂守だけ。あとのメンバーは部室でダラけていたり、携帯ゲームをしていたり……。そんなほとんど廃部寸前のサッカー部に、最後通告が突きつけられた。「最強校、帝国学園との練習試合に勝てなければ廃部!」。しかしキャプテンはあきらめなかった。

 「足りない部員はたったの4人だ! オレは、ゼッタイに部員を集めて帝国と試合をしてみせるぞ!」

 そこに、伝説のストライカーと呼ばれた豪炎寺修也が転校してくる。ここぞとばかりに部活に誘う円堂。だが「わるいな。サッカーは……もうやめたんだ」と冷たく断られてしまう。果たして部員は集まるのか? そして豪炎寺の心の氷は溶けるのか?

主人公の円堂の夢は、「フットボールフロンティア」で全国一になること。やる気のない弱小サッカー部は果たして生まれ変われるのか? 
廃部を賭けた練習試合の相手は、なんと40年間全国優勝し続ける帝国学園サッカー部。天才ゲームメーカーの鬼道を始め、桁外れのプレイヤーが集まる
有名なストライカーながらも、サッカーを辞めたという転校生の豪炎寺。彼を入部させることが、円堂の最初の目的になる

 弱小チームが主人公の熱意で強くなっていく青春ドラマはお約束ながらもすがすがしい。主人公の円堂はとにかくサッカーが大好きで前向きな熱血漢。さらに仲間思いでもあり、どんな状況にあってもチームメイトを信じることを忘れない。その姿勢が奇跡を呼んでいく。

 キャプテンの円堂もサッカー愛にかけてはかなりのものだが、雷門中学のチームメイトも負けず劣らず個性的。初期サッカー部のメンバーを何人か紹介しよう。

  • 円堂守(GK):サッカーを愛する不屈の熱血キャプテン。祖父が残した「大介のスゴ技特訓ノート」を大事にしている。最初に覚える必殺技は気合いと根性の巨大な右手でシュートを受け止める「ゴッドハンド」。相手の必殺シュートもなんなくキャッチ。
  • 豪炎寺修也(FW):クールな心に情熱を秘めた伝説のストライカー。彼が転校した理由とは……。ファイアボールをゴールに叩き込む「ファイアトルネード」は必見。
  • 風丸一郎太(DF):陸上部出身の快足DF。円堂の親友で、サッカー部の苦境を知って転部してくれた友人思いのいいヤツ。「しっぷうダッシュ」で抜き去れ!
  • 染岡竜吾(FW):見た目は不良だが実は努力家。最初は同じFWの豪炎寺に対抗心を燃やしているが……。日々、夜遅くまでの練習によって習得した「ドラゴンクラッシュ」では青いドラゴンが天を駆け、GKに襲いかかる!
  • 壁山塀吾郎(DF):アフロヘアのような独特の髪型と丸いお腹がトレードマークのディフェンダー。大地の力で地面が盛り上がる「ザ・ウォール」でFWの前に立ちはだかる。

 もちろん、雷門中以外のライバル校も変わっている。最初の帝国学園もすごかったが、次に戦う「尾刈斗(おかると)中学」もかなりキテる。頭にロウソクを差している八墓祟やジェイソン風のマスクをかぶったゴールキーパーの鉈十三など、怖い選手ぞろい。必殺技も、地面から手がわき上がってきてこちらの足を止める「おんりょう」や、体が動かなくなる「のろい」など怪しげだ。次から次へと現れる不思議なライバル校。今度はどんなヤツらが相手で、どんな技を使ってくるのか? 思わず先が気になってしまう。むろん、熱血漢の円堂少年は、どんなひきょうな敵が来ても、サッカーを愛する気持ちで正面突破していくのだが。

 ストーリーは1章区切り。ここぞという場面では美麗なアニメムービーも挿入されてドラマチック。涙を流すほど感動的とまでは言わないが、一生懸命何かをやるっていいな、と前向きな気持ちがわいてくる。

 現在「月刊コロコロコミック」で同名まんがの連載も始まっている。この秋からはアニメ放映の予定もあり、さらにはカードゲームや据え置き機向け「イナズマイレブン ブレイク!」の開発もすでにアナウンス済みだ。DSから生まれたサッカーゲームが、大きなムーブメントを巻き起こすかもしれない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/06/news020.jpg 柴犬「友達〜!!!」 お母さんの寝坊で散歩が遅れた柴犬、ワン友に会えず……→怒りMAXの拒否柴発動に母「スマン……」
  2. /nl/articles/2311/06/news041.jpg 素潜りでイソマグロを突いたら海に引きずり込まれ…… 水深25メートルの激闘が100万再生「怖い」「磯のダンプカー」
  3. /nl/articles/2311/05/news045.jpg カナダ留学中の光浦靖子、得意の手芸でまたしても力作を生み出す 「クオリティ高すぎ」「もープロですね」
  4. /nl/articles/2308/06/news018.jpg 柴犬がプールからあがろうとした瞬間……! 「何回見ても爆笑」「好きすぎる」コントのようなずっこけハプニングが発生
  5. /nl/articles/2311/06/news047.jpg 隣家にいった飼い主、ふと視線を感じると柴犬たちが……? じーっと監視するワンコきょうだいの圧に爆笑
  6. /nl/articles/2311/06/news117.jpg 「スト6」フランス大会決勝、モニターにペンキで中断 環境団体乱入で
  7. /nl/articles/2311/06/news068.jpg 村重杏奈の“最強遺伝子”な弟、7歳バースデーお祝いに黄色い声 姉とうり二つな姿に「幼さが抜けて更にイケメン」「可愛いしカッコイイ」
  8. /nl/articles/2311/04/news008.jpg 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. /nl/articles/2311/04/news016.jpg 突然現れた痩せて汚れた野良猫、「ごはんくだちゃい」と訴えてきて…… 距離が縮まっていく姿に「涙が出ます」と100万再生
  10. /nl/articles/2311/05/news052.jpg 「ここはあんたが座る席じゃないよ」 末期すい臓がんの叶井俊太郎、優先席に座るも高齢者から非難 妻・倉田真由美が明かす
先週の総合アクセスTOP10
  1. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  2. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  3. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!
  4. 「BreakingDown」出場の元プロボクサー、5人から一方的に暴行される 顔面数針縫うも「私は1発も攻撃してません」
  5. 「頭が大きい」「普通ではない」 パリス・ヒルトン、9カ月長男の受診勧めるコメントにぴしゃり「世の中には病んでる人がいるみたい」
  6. 「最期の最期まで闘って」 元「妄想キャリブレーション」水城夢子さん、27歳で病死 2年前には“しばらく療養が必要な病状”で休止
  7. 3児の母・杏、異次元スタイルのパンツスーツ姿が衝撃的 目を疑う脚の長さに「身長の半分股下」「えっ! 本当!? っと思っちゃうくらい」
  8. 志穂美悦子、68歳バースデーに鍛えられた筋肉バキバキの肉体美披露 「いろいろやりたいことがある」「まだ見ぬ自分へ」
  9. 柴犬と父のやりとりに「20分これ見て爆笑してます」「気持ちよすぎるいい返事」 お笑いコンビを超える関係性が100万再生
  10. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!