FPSの対戦プレイを堪能してみたい人にオススメのスタンダードタイトル「アンリアル トーナメント 3」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年09月25日 14時41分 公開
[松井悠,ITmedia]
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シングルモードはオマケに近い、メインはオンラインモード

 本作に用意されているゲームルールは、多人数のバトルロイヤル形式の「デスマッチ」、「チームデスマッチ」、1対1の「デュエル」、旗を取り合う「CTF」、乗り物が使用できるCTFの「ビークルCTF」、陣取り戦の「ウォーフェア」の6種類。シングルプレイモードは、これらのルールでコンピューターとの対決を行う。ストーリーモードでは、基本的にCTFやウォーフェア、チームデスマッチをさまざまなステージでプレイしていくのだが、途中にCGムービーが入ったりするものの、どのマップでもおおむねやることは同じ、コンピューターが操るチームメイトの力量も微妙(自分1人の実力ではなんともならないシチュエーションにはまりこむこともしばしば)と正直なところやや不満が残る。これらはオンラインに出る前の練習モードだと割り切っておこう。ちなみにストーリーモードではオンライン協力プレイが可能なので、コンピューター操る味方チームでは心許ないときにはオンラインで誰かの助けを借りるのもいいだろう。

 オンラインモードは、ランクマッチとプレイヤーマッチの2つに分かれており、さらにそれぞれのゲームルールごとに検索することが可能。筆者が遊んでみた感覚では、ビークルCTF、ウォーフェアの人気が高かったようだ。

 また、ゲームセッションを作る際にホスト側が「ミューテーター」を設定することで、「低重力(ジャンプ力が上がり、落下速度が遅くなる)」や「キャラクターのアタマがでかくなる」、「ゲームスピードアップ」、「ゲームスピードダウン」など、様々な要素を付加して遊ぶこともできる。

 個人的には広大なマップの中で、常にゲームの核となる戦場が移動し続けるウォーフェア、1vs1の緊張感が楽しめるデュエルがかなりオススメ。一般的なFPSでは、戦闘する場所=敵と出会った場所になり、広いマップでは「戦っている時間よりも移動時間の方が長かった」ということもしばしば。その分、常に「次に攻めるべき場所」と「次に守るべき場所」が明示されるウォーフェアはプレイヤーたちがその地点に集中するため、常に戦線が維持される。結果としてマップの隅々まで使用してテンポよくゲームが進んでいくためプレイしていて中だるみを感じることが少ない。

 一方、1vs1でプレイするデュエルは、ホストがプレイするマップの設定さえ間違えなければ(1vs1なのに、広大なマップを選択していたりすると目も当てられない事態になる)非常に緊張感のあるゲームを楽しめる。家庭用ゲームでは、1vs1で楽しめるFPSがほとんどないため、なかなかこの魅力にスポットが当たらないが、索敵、立ち回り、武器のチョイスなど、敵が一人しかいない状態での緊張感、敵を倒したときの達成感は複数人数でのプレイではなかなか味わえない。家庭用で様々なFPSをプレイしている人にぜひとも体験してもらいたいモードになっている。

Xbox 360版では画面分割による協力プレイができ、さらにその状態でオンラインプレイに突入することも
ゲームのバランスとしてはさておき、いろいろな遊び方が考えられそうなミューテーター
CTFでは相手の旗を取る、ベースを守る、中盤で敵をせき止める、などの様々な戦術が考えられる

自軍のノードをリンクさせ、敵のコアを攻撃していくウォーフェア。状況に応じた臨機応変の行動が重要
巨大兵器で敵のノードに殴り込みをかける、オーブを持った味方をつっこませる、など戦術はさまざま
1対1による、純粋な戦闘が楽しめるデュエル。自分の実力の真価が問われるルールだ

1vs1でも8vs8でも楽しめる希有なFPS、もう少し人がいれば……

マルチプレイヤーやインスタントアクションでは、試合が始まる前にカメラを自由に動かしてマップ内を探索できる

 「アンリアル トーナメント 3」は、キャラクターグラフィック、武器のバランス、マップデザイン、ゲームモード、すべてが高水準でそつなくまとめ上げられた非常にスタンダードなFPSだ。逆に言うと「これ!」というセールスポイントが見つけにくく、さまざまなFPSを渡り歩いてきた人から見ると細かな不満点が目につくが、「FPSの対戦プレイを堪能してみたい」と思っている人には非常にオススメしやすいタイトルといえるだろう。

 少人数でのプレイから、最大で16人までの多人数プレイをカバーしていること、マップの種類が豊富(全モードあわせて選択できるマップは50種類以上。Xbox 360版は、PS3版よりもさらに5つマップが増えている)であること、武器のバリエーションが多いこと、乗り物が多いことなど、これ1本あれば、ずいぶん楽しめるだろう。また、PS3、Xbox 360ともにボイスチャットに対応している(デフォルトでは方向キーの右を押しっぱなしにして会話する)ので、多人数でわいわいと会話しながら遊ぶのも楽しい。

 ただし、1vs1のプレイは、当然ながら腕の差がもろにでるため、強い相手にあたると完封されてしまうこともしばしば。何度挑戦してみても、ボコボコにされるだけではなかなか練習する気にもならないだろう。Xbox 360の人気ゲーム「Halo 3」のようなプレイヤーレベルにあわせたマッチングシステムや、自分や相手の立ち回りを研究できるリプレイファイル保存サービスなどがあればいいのだが……高望みしすぎだろうか。オンラインモードをメインに据えるゲームデザインならば、「オンラインプレイをまたやりたくなる仕組み」をもっとメーカー側で用意するべきなのかもしれない。

 PS3版、Xbox 360版ともに、現時点のオンライン対戦モードは「対戦相手を見つけるのに困るほどではないが、ちょっと少ないかな……」という印象を受ける。ただし、オンラインの協力プレイモードはかなり人がいるので、その人たちがストーリーモードをクリアして、徐々に対戦モードにシフトしてくれば対戦も徐々に盛り上がってくるだろう。

「THE WANTED」を倒せば賞金10万円を獲得できるが、相手はかなり強いプレイヤーらしいので、一筋縄ではいかないだろう

 また、現在日本の販売元であるエレクトロニック・アーツのサイトでは「THE WANTED」キャンペーンが11月19日まで開催されている。デュエルモードに現れる凄腕プレイヤー「THE WANTED」と戦い、勝利を納めるとなんと賞金10万円がプレゼントされるというもの。ハードはPS3、Xbox 360のいずれとも対象になっている。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

「アンリアル トーナメント 3」
対応機種プレイステーション 3/Xbox 360/Windows XP/Vista
ジャンルFPS
発売日2008年9月18日
価格(税込)7329円(PS3)/7140円(Xbox 360)/実勢7485円(PC)
プレイ人数1〜16人
CEROD(17歳以上対象)
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