大軍を率いて大軍と戦え! ド迫力の戦闘が楽しめるRPGのニューカマー「ラスト レムナント」レビュー(1/2 ページ)

スクウェア・エニックスの「ラスト レムナント」は、軍勢VS軍勢によるバトルが面白いRPG。何十人もの敵味方が入り乱れて戦うさまは、もはや戦闘ではなく戦争だ!

» 2008年12月15日 14時36分 公開
[仗桐安,ITmedia]

スクウェア・エニックスの新規RPG、Xbox 360に見参!

photo

 冬は、こたつとみかんと……RPG! というRPGファンは結構いるのではないだろうか。夏と比べアウトドアなイベントが少ない冬は、家の中でじっくりたっぷりゲームに取り組める季節といっていいだろう。この冬も多くのゲームが各社からリリースされているが、ここではXbox 360で発売された「ラスト レムナント」についてお伝えしよう。

 本作は、スクウェア・エニックスが放つRPGの新規タイトルだ。スクウェア・エニックスが多くのRPGシリーズを有していることはファンにはおなじみかと思うが、ラスト レムナントはどのシリーズにも属さない完全なる新作である。

 本作には、Epic GamesのUnreal Engine 3というゲームエンジンが採用されている。このUnreal Engine 3は、「Gears of War」「バイオショック」「ロストオデッセイ」などにも使用されているもので、グラフィックやサウンドの向上に対する恩恵は大きいと言っていい。なお、このたび発売されたのはXbox 360版なのだが、本作は今後、プレイステーション 3とPC向けにも発売が予定されている。Xbox 360を持っていないユーザーであれば、そちらを待つというのもありだろう。


photo いざ、レムナントを巡る戦いの世界へ!

ラッシュ・サイクス、かく冒険せり――レムナントを巡る壮大な物語

 ラスト レムナントというタイトルを見て、筆者がまず思ったのは“レムナントって何なのさ?”ということだ。これはプレイをしているとだんだん分かるようになってくるのだが、大まかに言ってしまえば「世界に巨大な力をもたらす謎の物体」の総称だ。

 例えばゲーム中に登場するアスラムという都市は“ヴァレリアハート”というレムナントによって守られている。ヴァレリアハートは、街の中央の建造物に斜めに突き刺さった大きな剣だ。大きいといっても規模が半端ではない。天にも届かんとするその姿は神々しく、まさしく神が扱う剣であることを想起させるほどに、その存在感は圧倒的だ。

 また、ゲイ・ボルグというレムナントは、アスラム領主であるダヴィッドが契約したレムナントで、戦闘中に兵器として登場する。一口にレムナントと言っても、その大きさも形状も性質もバラバラだということになる。

photo ヴァレリアハートはアスラムの中心に屹立している
photo ダヴィッドのゲイ・ボルグが発動!

 そんなレムナントが各地に存在する本作の世界には、ミトラ、ヤーマ、クシティ、ソバニという4つの種族がいる。ミトラはいわゆる人間型、ヤーマはごつくて腕っぷしが強い獣人、クシティは知性の強いカエルのような種族、ソバニは4本腕で猫のような姿をしている。

 本作の主人公はミトラの青年、ラッシュ・サイクスだ。レムナントの存在しない果ての島・ユラム島で、妹のイリーナと静かに暮らしていたラッシュだったが、謎の組織にイリーナをさらわれてしまったことで、ラッシュの冒険が始まる。

photo ラッシュ・サイクス
photo イリーナ・サイクス

 ラッシュは物語の冒頭で、アスラム領主のダヴィッドと、アスラム四将軍(エマ、トルガル、ブロクター、パグズ)に出会う。彼らの力を借りながらイリーナを探すラッシュ。やがて強大な敵“覇王”に遭遇し、壮大な展開を見せていく。

photo アスラムの領主・ダヴィッド(写真左)
photo 四将軍のトルガル(写真左)とエマ(写真右)
photo 四将軍のパグズ(写真中央)とブロクター(写真右)

 完全なるファンタジー世界を描いているわけだが、ほかのファンタジー作品と類似する点もありつつ、本作独自の世界観もちゃんと描かれている、と筆者は感じた。RPGの世界観において重要なのは、もちろん基本設定やディテールだったりするわけだが、それらを絵としてユーザーに提示するグラフィックデザインも作品を大きく左右する。本作のグラフィックは、さすがにUnreal Engine 3が採用されているだけあって、緻密(ちみつ)かつ重厚で迫力のある絵ができ上がっている。

 各種族が行き交う街並みは活気があって、移動していて気持ちがいいし、後述するが、戦闘時の迫力ある演出もまた、高精細なグラフィックの恩恵を受けている。倒すべきモンスターの造形も凝っていて、本作独特の雰囲気を形成している。この世界観にハマれれば、それだけでもプレイする価値はあるというものだ。

photophoto 街にはさまざまな人が行き交う。会話できるキャラには吹き出しがついているので、一目瞭然(りょうぜん)だ

photo 街から出るとシティマップになる
photo シティマップから出るとワールドマップに。移動が簡略化されているので、戦闘や探索に集中できる

photo フィールドやダンジョンでは敵と遭遇する。シンボルエンカウントなので、戦いたくない時は、敵に捕まらないようにうまく逃げよう
photo ラッシュの特殊能力「エイムタイム」を使えば、一度に多くの敵と戦うことができる。同時に戦うモンスターが多ければ多いほど、勝利時にもらえるアイテムが良いものになるので、積極的に狙っていこう

 グラフィック回りで残念だったのは、ロード直後のムービーで描画テクスチャが一瞬遅れるなど、大容量のグラフィックに処理が若干追いついていないような点が見受けられたことだ。戦闘時にもっさりカクカクすることもあり、全体的にロードも長めの印象を受けた。ただ、これらの問題は、本体設定の解像度を落としたり、データを本体にインストールしてプレイすることである程度は改善できる。完全に解消されるわけではないため、この点については後続のPS3版やPC版でのさらなる改良を期待したい。

photo 街のパブでは有益な情報を得たりクエストを受けたりすることができる
photo ギルドではユニオンのリーダーを雇えるほか、ギルドアドベンチャーと呼ばれるやり込み要素もある
photo ロード時にはプレイに役立つ情報が表示される

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた