デジタルでもアナログでも、楽しいものは楽しい――ボードゲーム交流会ってなに?日々是遊戯

去る2月7日、ゲーム業界関係者を中心としたボードゲームイベントが秋葉原にて開催された。開始当初はメーカーの会議室や、近所の公民館などを借りて行われていたという同イベントだが、気付けば参加者は150人近くにまで膨れあがり……。

» 2009年02月12日 16時43分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

アナログとデジタルの挾間で

会場では、各テーブルに分かれてさまざまなボードゲームをプレイすることができた

 先週の土曜日、秋葉原UDX内「東京フードシアター5+1」で行われた、ちょっと変わったボードゲームイベントに参加してきた。

 “ちょっと変わった”と書いたのは、参加者が「ゲーム業界関係者」限定だから。もともとはメーカー内のボードゲームサークル同士が交流を深める目的でスタートしたイベントだが、回を重ねるにつれて開催規模が膨れあがっていき、第4回目となる今回は、当初の予定を大幅に超える約150人が参加。デジタルゲーム開発の最先端に携わるクリエーターたちが、そろってボードゲームやカードゲームといった“アナログゲーム”に興じるという、なかなかユニークな光景が繰り広げられていた。

 イベントは午前と午後の2部に分かれており、午前中はアナログゲームをテーマとした講演会、そして午後からはボードゲーム大会&フリープレイ、という形で進行。特に講演会部分は今回から新たに設けられたものだったが、アナログゲームの視点から語られるゲームデザイン論、開発者自身が明かす苦労話などはかなり新鮮で、デジタルゲームの開発現場にもフィードバックできそうな部分が多かったのではと思う。デジタルゲームがアナログゲームから学ぶべきことはまだまだ多い――ということを個人的にも再発見させられた内容だった。

アナログゲームサークル「なかよし村とゲームの木」設立者であり、数々のアナログゲーム開発に携わってきた草場純氏
草場氏は、アナログゲームの構造を「収束と発散」「解析と平衡」「対立と独立」という3つの視点から分析
元ゲームリバブリックの池田康隆氏は、アナログゲーム「Shadow Hunters」ができるまでの苦労を生々しく披露

 休憩を挟んで、午後からはいよいよメインのゲーム大会&フリープレイがスタート。ここからは各テーブルごとに分かれ、大会に参加する人は手加減ナシの真剣勝負、参加しない人は適当に集まって好きなボードゲームでわいわい遊ぶ――といった感じで、それぞれのスタイルでゲームを楽しむことができた。アナログゲームの中には、ある程度人数が揃わないと遊べないものも多いが、ここではそうした心配は一切不要。また知らないゲームでも、親切に遊び方をレクチャーしてくれるため、普段遊ばないようなゲーム、日本ではあまり見かけないようなレアなゲームに触れられるのも嬉しいところだ。

大会の賞品、使用するアナログゲームなどは基本的に参加者による持ち込み。中には見たこともないようなレアなゲームも……
こちらは大会テーブルの様子。今回は日本でも比較的メジャーな「カタン」「ブラフ」「6ニムト」の4ゲームが公式種目に
海外のボードゲームは、日本のものに比べて駒やボードのデザインに一工夫あるものが多く、見ているだけでも楽しい

個人的にツボだった「クリカド」。中央にぶらさがった磁石に、落っこちないよう棒をくっつけていく
メイドカジノ「アキバギルド」も特別参加。本格的なカジノゲームをメイドさんたちと楽しむことができた
こちらは「art maid cafe シャッツキステ」さんのテーブル。こちらもメイドさんとボードゲームがプレイ可能

 というわけで、丸一日がかりのイベントはアッという間に終了。海外に比べ、日本ではそれほど盛んではないアナログゲームだが、こうして実際に触れてみると、そこにはデジタルゲームにないさまざまな魅力と楽しさが詰まっていることが分かる。すでに次回の開催も決定しているとのことなので、まだ参加したことがない人、そもそもイベントの存在を知らなかったという人は、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがだろうか(ただし、やはりゲーム業界関係者限定)。

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