黒磯駅の名物駅弁だった「九尾釜めし」、あの有名な釜めし駅弁との意外な共通点とは?:黒磯「復刻版・九尾釜めし」(2/3 ページ)
おや「陶器の入れ物」があの有名駅弁とそっくりです。その理由は……。
【おしながき】
- 茶飯 錦糸玉子 紅しょうが
- 鶏肉煮
- 筍煮
- ごぼう煮
- 椎茸煮
- うずらの玉子
- 栗甘露煮
- 香の物(なす漬け、らっきょう醤油漬け、大根味噌漬け)
ずっしり重みを感じる益子焼の釜に、ぎっしり茶飯、たっぷり具材が載った「九尾釜めし」。販売休止期間が短かったこともあり、伝統の味はしっかりと継承されています。ちなみにいまから20年前の2002年に「駅弁膝栗毛」で九尾釜めしをいただいたときは、釜めしの蓋にも装飾が施された丁寧な作りに感動を覚えた記憶があります。黒磯駅弁に由来する栃木の味として、これからも次の世代へ受け継いでいって欲しいお弁当です。
電気の直流・交流の切り替え駅として機関車の付け替えに伴い、列車の長時間停車が発生し、駅弁文化が大きく花開いた東北本線・黒磯駅。駅弁の販売終了から20年近く経ち、黒磯駅に乗り入れる車両も世代交代が進みましたが、駅弁が生んだ伝統の味は、いまも変わらずフタバ食品の手によって守られ、宇都宮の駅ビル内で買える日もあります。改めて昔の駅弁に思いを馳せて、東北本線で白河の関を越える旅に出たくなりました。
(初出:2022年11月2日)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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