Wii Uの原点はドリームキャスト? 「コントローラに画面を付ける」という発想日々是遊戯

E3 2011のカンファレンスでついにその詳細が明らかになった、任天堂の「Wii U」。最大の特徴はやはり、コントローラに6インチのタッチスクリーンを搭載している点ですが、アイデアそのものについて言えば、実はWii Uがはじめてではありません。

» 2011年06月09日 10時19分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

技術革新とコストダウンにより、ようやく現実的に?

 6月8日のカンファレンスで正式に公開された、Wiiの後継機「Wii U(ユー)」。かねてから予想されていたとおり、コントローラに6.2インチのタッチスクリーンを搭載し、テレビと組み合わせることで新しいゲーム体験を提案しています。またテレビ側で遊んでいたゲームの続きを、そのまま手元の画面に引き継いで楽しめるなど、据え置き機でありながら、コントローラ自体がなかば独立した「携帯ゲーム機」になる点も大きな特徴です。

 でも一方で、これらの発表を見ていて「あれ、どこかで見たことあるな」と感じた人もいたのではないでしょうか。実はこうした「コントローラに画面を付ける/携帯機と据え置き機の連動」というアイデアって、以前にも任天堂や他のメーカーによって提唱され、実際に商品化されたこともあるアイデアなんです。

ドリームキャスト+ビジュアルメモリ

 「コントローラに画面を付ける」というアイデアを聞いて、真っ先にドリームキャストを思い浮かべた人も多かったのでは。ドリームキャストでは、セーブデータを保存しておく「ビジュアルメモリ」に小さな液晶画面が付いていて、コントローラに差し込むと、ビジュアルメモリの液晶が「サブモニタ」になるというギミックがありました。

 またビジュアルメモリにも独立した方向キーやボタンが付いており、ビジュアルメモリ単体でちょっとしたミニゲームを遊ぶことも可能。翌年SCEが発売した「ポケットステーション」とともに、「テレビの続きは携帯機で」の先駆けとなりました。


ニンテンドーゲームキューブ+ゲームボーイアドバンス

 ゲームキューブでは、専用の「GBAケーブル」を使うことで、GBA本体をゲームキューブにつなげて遊ぶことができました(一部対応ソフトのみ)。

 GBAケーブル対応ソフトでは、GBAで育てたデータをゲームキューブで引き継いで遊んだり(例:「ポケモンコロシアム」)、GBAをコントローラとして使うことで、手元の液晶画面をサブモニタとして使ったり(例:「ゼルダの伝説 4つの剣+」)することが可能。GBA本体をそれぞれ持ち寄って遊ぶ「ゼルダの伝説 4つの剣+」の対戦モードは、筆者のまわりでも一時大いに盛り上がりました。

iPad+iPhone+テレビ

 もうひとつ、Wii Uのプレイ映像を見て思い出したのがiPad(+iPhone)でした。例えば「The Incident」というゲームでは、iPadとiPhoneを連動させることで、iPhoneをiPadのコントローラとして使用することが可能。さらにこの状態でiPadの映像をテレビに出力すれば、Wii Uのように「手元のiPhoneをサブモニタ+コントローラとして使いつつ、大画面でゲームを楽しむ」こともできます。こうしたプレイスタイルがもっと普及すれば、iPad+iPhoneでもWii Uのようなゲームが楽しめるようになる……?

動画が取得できませんでした

 ――このほかにも、ニンテンドウ64とゲームボーイカートリッジをつなぐ「64GBアダプタ」や、DSとWiiの連動機能など、小さなものを含めれば同じようなアイデアは意外にたくさん見つかります。そういう意味では「コントローラに画面を付ける/携帯機と据え置き機の連動」という発想そのものは、昨日今日になってポッと出てきたわけではなく、古くから任天堂やゲーム業界が向き合ってきた普遍的テーマのひとつと言えるのかもしれませんね。そういえばPS3とPSPの「トランスファリング」や、PlayStation VITAの「据え置き機と携帯機の(スペック的な)境界をなくす」という発想も、Wii Uとは根本部分で共通しているように感じられます。

 ただ上で紹介したアイデアの多くは、これまでずっと提唱され続けてはきたものの、いまだ爆発的な成功にまでは至っていません。ビジュアルメモリの場合、48×32ドットのモノクロ液晶という表現上の制約が大きく、またゲームキューブとGBAの場合、両方のハードを持っている人でなければ楽しめず、ユーザーにとってはコスト的な負担が大きかった。ある意味では、技術革新とコストダウンによって、これらの問題点をクリアしたのが「Wii U」と言ってもいいかもしれません。

 これらのアイデアが、タッチスクリーンやジャイロセンサーといった現代の技術と融合し、当たり前の技術として浸透したとき、私たちと「ゲームとの付き合い方」はどのように変わってくるのか。まだ発表されたばかりのWii Uですが、これからの発表に期待したいですね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」