首相官邸サイトにゲームが登場だと? よろしい、ならば遊んでみよう:日々是遊戯
リニューアルされた首相官邸のホームページに、子供向けのミニゲームが新しく追加されている。これが流行りのシリアスゲームというやつか!
やっと日本にも本格シリアスゲームが!?
首相官邸のホームページのリニューアルに伴い、新たに子供向けコーナー「首相官邸 for Kids」がオープンしている。
トップページには「クイズやゲームでとっても楽しく」「首相官邸のことを知っちゃおう!」とあるが、これはもしかして、流行りのシリアスゲームというやつだろうか。ようやく日本にも本格的なシリアスゲームの波がやってきたか――と胸が熱くなる。よし、どんな内容なのかさっそく遊んでみようじゃないか。
「官邸」と付ければいいってもんじゃない
2種類あるゲームの1つ、「官邸カードコレクション 〜ミミズク博士からの挑戦状〜」では、クイズに正解するともらえる「官邸カード」を集めていく。
問題は「首相とも呼ばれる、行政の最高責任者はだれ?」「選挙は何歳から投票できる?」などいたってマジメなのだが、もらえるカードの絵柄が「階段くん」や「ソーラーパネルくん」「官邸裏の滝くん」など、中途半端にゆるキャラを目指して方向性を見失った感がすごい。あと子供向けコーナーなのに、漢字や難しい言葉がバリバリ使われているのはどうなのか……。
まさかのクイズ2本立て
もう1つの「まちづくり100マスクイズ」も遊んでみた。一見「シムシティ」風の街育成ゲームに見えるが、名前に「クイズ」とあるとおり、こちらもまさかのクイズゲームである。トップページには「クイズやゲームでとっても楽しく」と書いてあったけど、クイズしかないよ!
畑や建物を建てる時は、建てたい部分のマスをクリック。出題されるクイズに正解すると、住宅や水田、ショッピングセンターなどを建てることができる。ちなみにシミュレーション要素などは特になく、クイズに正解しても完成時の街の見た目が変わるだけ。建物による違いなども特にないため、シミュレーションゲームが苦手な人でも安心して遊ぶことができる。
これはシリアスゲームじゃない
だいたいこんなことだろうとは思っていたが、どちらもゲームというよりはただのオマケ付きクイズといった印象。これをシリアスゲームと呼ぶのは、全世界のシリアスゲーム研究者を敵に回すことになるような気がする。一瞬でも期待した僕がどうかしてたよ!
約4500万円と言われているリニューアル費用のうちどれくらいがこの「首相官邸 for Kids」に費やされたのかは不明だが、せめてもう少しちゃんとしたものを作って欲しかった、というのが正直なところだ。ゲーミフィケーションやシリアスゲームなど、ゲームを現実や教育に活かすのが世界的なトレンドになりつつある今、このサイトが「日本の顔」だと思われてしまうのはちょっと「うーん」という感じがする。
日本にシリアスゲームが根付くのは、まだまだ先になりそうだ。
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