「ボカロの名作クロスフェード」できる音楽サービス「Songrium」、産総研が公開
Web上の音楽コンテンツの関係性を可視化する音楽視聴支援システム。
「気になってるボカロPのマイリス、ぜんぶ見ていきたいけど時間なくて」「あまり知られてない中性的な声質の歌い手を発掘したい」「YouTubeにあがってる洋楽アーティストの歌ってみたを見たい」……といったことに対応できる、いろいろとすごい音楽サービスが公開された。その名は「Songrium」。VOCALOIDを人間らしく歌わせる「ぼかりす」、ニコニコ動画のボカロ曲をサビだけ再生できる能動的音楽鑑賞サービス「Songle」の生みの親、産業技術総合研究所(産総研)の情報技術研究部門が作り上げた「新しい音楽と出会うための仕組み」だ。
Songriumは、メディアインタラクション研究グループの濱崎雅弘主任研究員がプロジェクトリーダーとなり、デザインと実装で中核となった石田啓介インタフェースエンジニアに加え、後藤真孝首席研究員、中野倫靖主任研究員というぼかりすでおなじみの2人が加わったチームで開発・運用されている。
昨年発表された「Songle」が、基本的に楽曲1つひとつを分析し、その音楽的構造をビジュアルで示しながら再生し、音楽への理解を深めるというものだったのに対し、今回の「Songrium」は、大量の音楽データの関係性を分析し、可視化することで、視聴者が音楽と出会う機会をさらに広げることを意図している。
Songriumが収集、解析する楽曲データは膨大だ。10万曲以上のVOCALOIDオリジナル曲と、「歌ってみた」「踊ってみた」などの派生動画が54万本。さらに日々、自動的に収集・分析を続けている。毎月3000曲のボカロオリジナルが投稿されているため、この数字はさらに広がってくる。
これだけ楽曲が増えてくると、聴くほうもたいへんだ。信頼できる「聴き専」の楽曲評価を参考にしたり、タグ検索したり、投稿システムに組み込まれたレコメンデーションに従ったりする。それでも追いきれないの実情だ。それに対し、音楽的な関係性に基づいて視覚的に整理し、さまざまなインタフェースで見たり聴いたりできるような仕組みが、Songriumなのだ。
Songriumには3つのインタフェースがある。まずは「音楽星図」。オリジナルのボカロ曲を惑星と位置づけ、その周囲を巡る衛星として、歌ってみたなどの派生動画を配置(「惑星ビュー」)。人気度で惑星、衛星の大きさが変わる。さらに、ユーザーがそこから別の動画に矢印とコメントを付加することで、関係性を記述することもできる。配置としては、右上がアップテンポでノリのいいもの、左下がバラード的なものだ。アップテンポのものが人気なのが分かる。
次に「バブルプレーヤー」。これは、期間で区切ったボカロの歴史を短時間でまとめ聴きできるものだ。期間とニコニコ動画のマイリスから、再生数を基準として連続再生できる。例えば2007年8月から2013年8月まで、250万再生以上のボカロ曲は31曲、これを8分49分でサビだけをクロスフェードで連続再生してくれるのだ。これには、Songleで培われた「サビ出し機能」が使われている。この背景には、VOCALENDARという、ボカロ関係のカレンダーが対応しており、ボカロ界のさまざまなイベントと連動していて、「この頃にこの曲は出てきたんだね」といった感慨にふけることもできる。任意のGoogleカレンダーと対応させることも可能だ。
最後の1つは「歌ってみた」専用のインタフェース「歌声分析」。中野さんが開発した「男女度」を解析する技術を使い、歌い手の歌唱を「女っぽい」「男っぽい」でマッピングしている。画面の上のほうは女っぽく、下のほうは男っぽい。楽曲の中からボーカル部分だけを取り出し、その声を解析するという、高度な技術が実装されているのだ。この技術が発展すれば、ビジュアル系っぽいとか演歌っぽいとかいう歌い方で歌い手を選んでいけるかもしれない。
対応する投稿サービスはニコニコ動画とYouTube。現時点でニコニコ動画はボカロ曲のみ、YouTubeはアーティスト公式ページにある楽曲のみだ。YouTubeでは対応するインタフェースは「音楽星図」のみ。楽曲数は1万1000曲、派生動画はおよそ40万本ある。
SongriumにはChrome拡張もあり、ニコニコ動画やYouTubeにアクセスした場合に、その場でSongriumを使うことができる。また、スマートフォンでアクセスした場合には専用の画面が用意されている。

なお、今回からSongleもニコニコ動画とYouTubeに対応するように強化され、対応楽曲が6000曲から一挙に60万曲に拡大した。
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