ニュース
» 2013年11月21日 10時14分 公開

艦これ艦娘“艦歴的”プロフィール「比叡」編“練習”戦艦から“実験”戦艦へ

え、なに、 なんか思いっきり容姿が変わってしまったって? さすが、近代技術。なんとなく、あの“大和型”に似ているかも! そうでないかも!

[長浜和也,ねとらぼ]

たったひとりでいってしまったのね

 戦艦「比叡」は、金剛型2番艦にして1914年8月4日横須賀海軍工廠の生まれ。1914年とは大正3年のこと。進水は大正元年の11月21日で即位したばかりの大正天皇が臨席している。そして、建造開始は1911年、なんと明治44年までさかのぼる。竣工して第一艦隊第三戦隊に編入した直後に比叡は第一次世界大戦の作戦行動として出撃している。超ベテランの“老嬢”だ。

11月20日のアップデートで二段階目の改造が可能になった比叡。左がアップデート前、右がアップデート後の比叡・改二。「別人!?」とか言われてるけど、それにはちゃんと理由があった?

 第一次改装が始まったのは1929年。しかし、途中で“とある事情”から廃棄処分となったところを、練習戦艦として生きながらえることになった。第4砲塔を降ろして装甲板も外し、速度が18ノットしか出なくなった比叡。 しかし、「お召艦」となる工事も行い、観艦式や遠方行幸では昭和天皇が座乗して比叡のマストトップにひるがえる天皇旗に全艦隊が敬礼した。

 練習戦艦比叡は、1937年の第二次改装によってほかの金剛姉妹と同じ高速戦艦に生まれ変わった。日本の戦艦は最古参の金剛から最も新しかった長門、陸奥にいたるまで、近代化改装を行っているが、比叡はそのなかで最後に行っているため、ほかの戦艦とは変わった役割も果たしている。それが、当時設計を進めていた「大和型」で導入する新技術の「実験」だ。そういう意味で、比叡は大和型の「実験戦艦」でもあったといえる。

 その実験の中で、最も重要な課題の1つが「新形式艦橋の実用検証」だった。新しい艦橋を開発する場合、その有効性や利便性は実際に使わないと分からないことが多かった。例えば巨大な艦橋を採用した高雄型では、実際に建造している船体に実物大の模型を組み立てて、実用性の検証をしているが、大和型は戦艦1隻を実験用として使ってしまったことになる。

 そのため、比叡の艦橋デザインと内部レイアウトは、後の大和型とほぼ同じとなり、比叡の主砲射撃装置と射撃盤(遠く離れた目標に向けて主砲の向きと仰角を計算する巨大な歯車式計算機)では、大和型で採用する予定の九八式方位盤照準装置と九八式射撃盤を搭載したほか、ほかの戦艦では別ユニットになっていた方位盤照準装置と測距儀では一緒に重ねるレイアウトを採用した。その実績は良好で、その機能と性能は大和型に次ぐものと連合艦隊司令部でも評価するほどだった。

 太平洋戦争中は、真珠湾攻撃から、ラバウル、ジャワ南方、インド洋、そして、ソロモンと、ミッドウェーを除くほとんどの作戦で正規空母を主力とする機動部隊と行動を共にする。比叡が空母を守った海戦ではすべて負けていない(ミッドウェー作戦は水上打撃部隊として参加)。そういう意味で、比叡は正規空母部隊における“勝利の女神”だったのかもしれない(俺提督以外にそういう妄言を言うものはいないが)。

 ソロモン海域で第二次ソロモン海戦、南太平洋海戦という2度にわたる激しい空母戦が終わった後、守るべき空母部隊は搭載機を消耗して後退し、比叡も水上打撃部隊として行動する。11月にはガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を砲撃すべく夜間に突入し、待ち構えていた米艦隊と夜間の乱戦となる。これが、第三次ソロモン海戦第1次戦闘だ。比叡は、飛行場を攻撃する直前に米艦隊を発見したため、基地攻撃に効果の高い“三式弾”をすでに準備していたが、そのまま“サーチライトを点灯して”全艦隊に目標を示しつつ戦闘を開始する。敵防空巡洋艦に有効な砲撃を行ったが、わずか2回撃っただけで、比叡のサーチライトを目標にした敵の集中砲火を浴びて艦橋を中心とする指揮系統に大損害を受けて戦闘能力を失ってしまう。

第三次ソロモン海戦第1次戦闘の戦況をボードウォーゲーム「アイアンボトムサウンド」で再現する。比叡は2351の砲撃開始から(写真=左)わずか10分で戦闘能力を失った(写真=中央)。主砲と機関室は健在だったのに、わずか1発の貫通弾(しかも不発)で舵が使えなくなって行動不能になった比叡は逃げることができないまま翌日の航空攻撃で沈没する(写真=右)

 主砲や機関室は無事だったが、運悪く船尾を貫通した不発弾が舵を動かす機械の入った部屋に浸水を起こして比叡は行動不能に陥る。そして、夜が明けると砲撃で破壊するはずだったヘンダーソン基地から襲ってくる航空機の攻撃によって、11月15日の夕方、見守る日本の軍艦もいない鉄底海峡に、ただひとりで沈んでいった。その最後を日本軍のだれも目撃しておらず、沈んだ時間は記録に残っていない。

関連キーワード

艦隊これくしょん | ゲーム | 戦争


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10

  1. この写真の中に“ドラえもん”が紛れています 難易度の高さに「ギブです」「ドラえもんは僕の心の中に」と諦める人続出
  2. 坂口杏里さん、「離婚は成立」と投稿 金銭貸し借り巡るDMさらし「これで終わり」「家族対1ってあまりに酷すぎる」とぶちまけ
  3. がん闘病の秋野暢子、手足の浮腫みで“見たこともない体重”に 抗がん剤の副作用を「しっかり受け止めます」
  4. HIKAKINさん、イベント中に不審者に絡まれマイク奪われる 視聴者から「ガチの放送事故」「無事でよかった」の声
  5. 愛犬に「僕の子猫がいないんです」と呼ばれた飼い主 必死に探すワンコの姿に優しさと愛情があふれている
  6. マックのハンバーガーを食べる娘に「今日のお昼ごはん何?」と聞かれ…… 青ざめる父の1コマに「うちも言う」と反響続々
  7. ダレノガレ明美、韓国でお気に入りのホクロを“ゴミ”だと除去されてしまう 「ドS Dr. ありがとう!」
  8. 笑福亭鶴瓶、背中いっぱいの「昇り鯉刺青」にファン仰天 “悪瓶さん”の貫禄あふれる後ろ姿が「迫力ハンパない」
  9. 娘が路上で子猫を発見→近づくと、突然倒れてしまい…… 保護子猫とのかわいすぎる出会いに「感動した」の声
  10. がん闘病の秋野暢子、激しい副作用とポジティブに格闘 治療で真っ赤な首筋に心配の声も「痛々しい」「見ていて辛い」

先月の総合アクセスTOP10

  1. 安倍元首相、銃で撃たれて意識不明か 事件時のものとみられる映像投稿される
  2. 野口五郎、20歳迎えた娘と誕生日デート 家族同然の西城秀樹さん長女も加わり「楽しい時間でした!」
  3. 「大阪王将」店舗にナメクジやゴキブリが発生? 元従業員の“告発”が衝撃与える 大阪王将「事実関係を調査中」
  4. この画像の中に「さかな」が隠れています 猫に見つからないように必死! 分かるとスッキリする隠し絵クイズに挑戦しよう 【お昼寝編】
  5. ダルビッシュ有&聖子、ドレスアップした夫婦ショットに反響 「ハリウッド俳優やん」「輝いてます」
  6. 「auの信頼度爆上がり」通信障害でも社長の“有能さ”に驚く声多数 一方で「まだ圏外だぞ…」など報告続く
  7. スシロー、“ビール半額”で今度は「ジョッキが小さい」との報告? 運営元「内容量に差異はない」と否定
  8. スシロー「何杯飲んでもビール半額」開始前にPOP掲示 → 注文したら全額請求 投稿者「態度に納得いかなかった」 運営元が謝罪
  9. TKO木下、海外旅行先で総額270万円のスリ被害に エルメスの財布奪われた“瞬間映像”も公開「くっそ〜……」
  10. パパが好きすぎて、畑仕事中も離れない元保護子猫 お外にドキドキしながら背中に乗って応援する姿があいらしい