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» 2015年06月13日 12時00分 公開

ディズニーシー「ストームライダー」終了に反対の声 裏側にあった綿密なストーリー設計、オリエンタルランドの見解は (2/2)

[黒木 貴啓,ねとらぼ]
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「ストームライダーはほかのテーマポートと関連がある」はあくまで非公式

 ちなみにネットでは、ストームライダーとつながりを持つテーマポートはポートディスカバリー以外にもいくつもある、という説も飛び交っていました。

画像 ストームライダーとつながりがあるとの噂があった漁村「ケープコッド」(東京ディズニーシー公式サイトより

 例えば1つは、「アメリカンウォーターフロント」にある、ダッフィーと会えるスポットで有名な漁村「ケープコッド」。「ケープコッドは嵐が多く訪れる土地で、村人たちはいつか嵐がなくなることを心から願っていた。この村人たちの想い描く未来を叶えたのが、ストームライダーだった」という説が浮上していました。こうした噂が本当だとすると、ストームライダーのクローズは同園全体のストーリーを崩す、より深刻な問題に思えてきます。

※当初「ケープコッドの嵐を打ち消したのがストームライダーだった」という書き方をしていましたが、これは実際のファンの考察内容とは異なるものでした。お詫びして訂正いたします
画像 ダッフィーに会えるスポットとして有名(関連記事

 噂についてオリエンタルランド広報担当者に尋ねたところ、「『ケープコッド』のストーリーに『ストームライダー』が出てくるというのは出所は分かりませんが、こちらから正式にお伝えしているものではございません」と回答。さらには「エリアとアトラクションは、それぞれ独立したテーマやストーリーを持っています」と、各アトラクションにはエリアを越えたストーリーがないとコメントしました。どこまでが公式のストーリーなのか混乱していた人は、判断の拠り所となりそうです。

ポートディスカバリーの世界観は崩れる? オリエンタルランドの見解

 ストームライダーとポートディスカバリーに密接な関連性があるのは事実。クローズによってこれらのストーリーが崩れてしまうことについて、オリエンタルランドはどのように考えているのでしょう。

 「『ポートディスカバリー』の自然と科学の調和という世界観を大きく変更することは、現時点では考えておりません。しかしアトラクションの改廃にともない、ストーリーについては調整をする可能性がございます」と広報担当者。

 「当社では『パークは永遠に完成しない』というディズニーテーマパークのフィロソフィ(哲学)に基づき、順次さまざまな施設の導入、改廃を行っています。今回も施設の改廃によってパークの魅力を高めることを目的に、『ストームライダー』のクローズと新規アトラクションの導入を決定しました」とのこと。過去にもアトラクションの改廃などにともない、同園のストーリーを調整したことはあったそうです。

 導入される新規アトラクションは、映画「ファインディング・ニモ」と「ファインディング・ドリー(原題)」(2016年公開予定)をテーマにしたもの。ストームライダーのようなライドシステムの動きを融合させることで、映画の海底の世界を体験できる屋内アトラクションとなります。魚サイズに縮むことができる潜水艦に乗り込んだゲストは、ニモやドリーたちと同じ目線で広い海の世界を冒険する、というストーリーです。

画像 新アトラクションのストーリーに登場する潜水艦イメージ

画像 アトラクション内観イメージ

 この新規アトラクションのコンセプトも、ポートディスカバリーの世界観にそぐわずさらなる崩壊を招くのでは? と疑問の声も上がっていました。広報担当者は「ゲストは魚たちと同じ目線で海の世界を冒険します。自然と科学の調和をテーマとする『ポートディスカバリー』の世界観でお楽しみいただけるアトラクションであると考えています」と見解を示しました。

 クローズについて署名運動など反対の声が起こっていることについては、「『ストームライダー』のファンの皆さまにもご満足いただける、さらに魅力的な体験をお届けできるよう、努めてまいります」と表明。新規アトラクションの映像制作には「ファインディング・ドリー(原題)」映画制作スタッフが参加するなど期待も大きいので、“パークの魅力を高める”施設になることを信じて完成を心待ちにしたいです。

 ストームライダークローズの決定は覆りそうにないとなると、2016年中旬までとことん楽しむのが吉。ポートディスカバリー一帯のバックグラウンドストーリーも変わってしまうかもしれません。表面上だけ体験していたというゲストは、これを機にストームライダーを中心とした現在の世界観にどっぷり入ってみましょう。嵐を消すミッションの臨場感や、水上を回るヴィークルに乗り込む際の心境など、新たな冒険が待ち受けているはずです。

6月26日 追記

 記事初出時、ストームライダーとケープコッドの噂について、「ここは嵐が絶えず訪れ住民を悩ませていた地域だったが、その嵐を打ち消したのがストームライダーだったという説が浮上していました」と記述しておりました。

 公式の設定だと、ストームライダーがあるポートディスカバリーは「20世紀初頭の人々が空想した未来の世界」で、ケープコッドは「20世紀初頭のニューイングランド地方にある静かな漁村」。ここから、20世紀初頭より未来で生まれたストームライダーが、過去のケープコッドの嵐を打ち消すわけはなく、そのような噂は本当に実在したのか、という指摘が読者の方から複数上がっていました。

 改めてネットにある噂をいくつも当たってみたところ、ほとんどが「ケープコッドは嵐が多く訪れる土地で、村人たちはいつか嵐がなくなることを心から願っていた。この村人たちの想い描く未来を叶えたのが、ストームライダーだった」というものでした。記事中で、ストームライダーが同じ時系列にあるケープコッドの嵐を直接打ち消したような表現は誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。

6月26日 追記

 一部のファンから、「キャストや広報担当者から、やはり各テーマポートはバッググラウンドストーリーでつながっていると聞いた」との指摘をいただきました。

 これを踏まえてあらためてオリエンタルランド広報に確認しましたが、「正式なものとしてお伝えしているテーマやバックグラウンドストーリーについては、エリアやアトラクションはそれぞれ確立されたテーマやストーリーを持っており、お互いを関連付けているものではございません」と、やはりストームライダーと他のテーマポートとの関連性はない、というのが公式な回答でした。ただし「ゲストとキャストのやり取りの中で、想像を膨らませ、さまざまな解釈をしてお楽しみ頂いた可能性はございます」とのことです。


黒木貴啓


参考文献

東京ディズニーシー物語 東京図鑑編」(講談社、2007年発行)

Disney in Pocket 旅する東京ディズニーシー」(講談社、2013年発行)

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