ニュース
» 2016年04月21日 10時30分 公開

「被災飯テロ」が元気と空腹をお届け 熊本の被災地で作った料理をネットに投稿する人たちが前向きでたくましい

「『被災者』ではなく『復旧者』になったら『被災飯テロ』も終わり」。なんて前向きで力強いハッシュタグなんだと話題に。

[ねとらぼ]

 地震活動が続く熊本県では、今も被災者が避難生活を余儀なくされている。そんな中、Twitterで拡散するハッシュタグ「被災飯テロ」が、見る者に元気を、被災者にはポジティブになれる力を与え、そして皆のヨダレを誘うと話題だ。

被災飯テロ じゅるり(写真:Dark=Kochangさん)

 「被災飯テロ」タグがついたツイートには、被災地の限られた食材を使い簡単で無駄なく効率的に調理された、そしてなによりおいしそうな料理の写真が並んでいる。写真だけなら普通の“飯テロ”と何ら変わりはない。“飯テロ”とは夜食テロや夕食テロとも呼ばれる、食欲をかき立てるおいしそうな料理や食べ物の画像をSNSやブログにアップして、見てしまった者を空腹感で悶えさせる行為のことを指す。

 熊本県阿蘇市に在住の魔王Dark=Kochangさん(以下、Kochangさん/@dark_kochang)がこの「被災飯テロ」ハッシュタグをはじめて使用したのは17日のお昼すぎだった。電気が止まり冷蔵庫で解凍されてしまった七城豚肩ロースを焼いてローズマリーとタイムを添えたポークソテーの写真を投稿した。

 Kochangさんは日頃から主に燻製(くんせい)食品を中心に食事時を狙って飯テロを仕掛ける常連だった。ニコニコ動画やYouTubeでも丁寧で親切な解説をモットーに、日夜手作り燻製を広めるべく活動している。Kochangさん自身も被災し、自宅がある地域に避難指示も出たこともあり、まだ被害が少なかった近くの実家に身を寄せている。自宅は基礎部分にひびが入り柱もゆがみ、家財道具も散乱したままだという。幸い家族は全員無事だったが、本震発生の16日は車に避難し夜を過ごした。

被災飯テロ 自宅のIH化により封印されていた鉄の中華鍋を復活させた世を忍ぶ仮の姿をしたDark=Kochangさん。パパかっこいい(写真:Dark=Kochangさん)

 そんな時、「ごく普通の平常心で通常営業のつもり」で飯テロ写真を投稿した。ねとらぼの取材に対して「(被災しているからこそ)まさかの不意打ちみたいになるのでテロ効果は高いだろうという目論見はありました」とKochangさん。ダメになってしまう前に冷蔵庫の食材を回収し、計画をもって処理していこうと思ったという。

 投稿はまたたく間に拡散し、同じく被災した人々の「被災飯」写真も次々とアップされた。東日本大震災や阪神・淡路大震災の経験者からも食事に関する情報が寄せられる流れも生まれ、togetterにもまとめられた。

被災飯テロ たくましいと話題に(写真:Dark=Kochangさん)

 電気やガス、水道が止まり今すぐそこで解凍されていく食材を前に調理しない手はない。Kochangさんによると、被災飯とは「天災などの被害で電気、ガス、水道、などのライフラインが全部、あるいは一部が止まった状況で作る食事のこと」で、基本アウトドア料理だが冷蔵庫が使用できない中で食材を足の早い順から計画的に消費していくことが重要とのこと。ちなみにインスタントやレトルトをそのまま食べるのは被災飯の概念から外すというこだわりだ。Twitterには被災飯で便利なものや料理の方法もまとめられている。

 被災して何より困っているのは水の確保だとKochangさん。「調理する水だけじゃなく、洗い物する水も貴重なので、まず野菜を使うのがめんどくさくなります」とのこと。「洗うときに洗剤を使わない鉄のフライパンを使ったり、まな板と包丁を(洗う手間を考えなるべく)使いたくないので食材を丸ごと焼いて、出来上がりをフライパンの上で切ったり」と省略化を考えた。「火はカセットコンロや炭さえ備えとけば大した問題じゃなかった」と、日頃の準備が生きたようだ。保存食や水は常に用意しておきたい。

被災飯テロ カセットコンロや保存食は用意しておこう(写真:Dark=Kochangさん提供)

被災飯テロ 万が一の時でも調理は工夫すればできる(写真:Dark=Kochangさん提供)

被災飯テロ 基本焼けばOK(写真:Dark=Kochangさん提供)

 被災飯のオススメを聞いたところ、「基本的に肉を焼いてりゃなんとかなります。あと卵は常温でも2週間くらい腐らないので目玉焼きも鉄板です(生ではなくちゃんと火を通す)。保存がきく燻製肉と掛けあわせると……ほら! みんな大好きなベーコンエッグの出来上がり」と教えてくれた。

 現在は流通もだいぶ回復し、普通に買い物ができるようになり食材には困らなくなりつつあるようだ。電気も復旧し、食材は再び冷凍されているという。「今は(ライフラインが)復旧した実家にいるので被災飯テロはしていません。避難指示が解除されて自宅に戻ったときにまたやると思いますが、その後は『被災者』ではなく『復旧者』になるので(「被災飯テロ」は)終わりですね」。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2205/25/news162.jpg この写真の中に1人の自衛隊員が隠れています 自衛隊が出したクイズが難問すぎる……「答え見ても分からない」と人気
  2. /nl/articles/2205/28/news020.jpg 「トップガン」はなぜ「トップガン」なのか? 「トップガン マーヴェリック」でオタクが悲鳴を上げ歓喜した理由
  3. /nl/articles/2205/28/news071.jpg 幸せそうな顔だ! 久慈暁子、結婚発表後初のインスタ更新で夫・渡邊雄太見守る観戦中の笑顔ショット公開
  4. /nl/articles/2205/27/news130.jpg 鳥居みゆき、キャンプを楽しむ1枚に青白い顔 “ホラー風”ショットに「全く知らずに見たら怖すぎる」
  5. /nl/articles/2205/27/news012.jpg 利害が一致した柴犬&子猫コンビ “ごはん”のときだけ息が合う姿に「見事なシンクロw」「笑っちゃいました」の声
  6. /nl/articles/2205/28/news068.jpg 胃がんステージ4のバレー代表・藤井直伸、清水邦広&福澤達哉と再会ショット つらい治療の中で「最高の薬です!」
  7. /nl/articles/1809/23/news019.jpg 炊飯器いっぱいに炊けまくった米…! 「5.5合炊いて」が生んだ悲劇に「全米が泣いた」「笑いすぎてしんどい」
  8. /nl/articles/2205/28/news065.jpg 漫画家急病でセクシーな女性がサツマイモの画に 「単行本では必ず修正します」
  9. /nl/articles/2205/27/news033.jpg 禍々しい136体の妖怪像が話題 学芸員が「なんのために作れられたのか不明」「類例は見つからず」という造形物が謎すぎる
  10. /nl/articles/2205/28/news063.jpg ともさかりえ、「キンキーブーツ」応援で“一方的な攻撃”受ける 根拠もないうわさで「金田一の頃も苦しめられた」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 誰にもバレずに20年 別荘を解体中にバスルームから“とんでもないモノ”が見つかる 「わけがわからない」と困惑
  2. 「チコちゃん」マナー講師が炎上で、エガちゃんの株が上がってしまう 「エンタメの見本」「エガちゃんはやっぱり偉大」
  3. 「だめだお腹痛い」「大爆笑しました」 榎並大二郎アナ、加藤綾子に贈った“ガチャピン人形”が悲惨な姿になってしまう
  4. ジャガー横田、愛車・BMWが高速手前でエンスト 九死に一生も原因不明の故障に「新車でまだ一年半なのに…」
  5. 「志摩スペイン村」微塵も人がいないのに突如トレンド入り 「にじさんじ」周央サンゴの“正直すぎるレポ”で話題に
  6. キンコン西野、“勝手に出された婚姻届”にまさかの展開 証人欄にはお世話になっている「森田一義って名前が」
  7. 「ゆっくり茶番劇」商標取得者の所属コミュニティーが声明 商標権の完全放棄を要求
  8. 中村江里子、174センチの長女&181センチの中学生長男に驚く声 「足ながっ!!」「モデルになれそう」
  9. 「志摩スペイン村」がトレンド入り→公式ホテルの予約が急増とさらなる展開へ 広報「すごいことが起こっているぞと思った」
  10. 華原朋美、デザイン手掛けた黒ミニドレスを披露 「本当に痩せて綺麗になって」「全てが可愛すぎました」と反響