とうとう表紙に! 役立たずのお調子者脱獄王「ゴールデンカムイ」白石は結構すごい、はず:あのキャラに花束を
アシリパさんにだけは迷惑かけるんじゃないぞ
マンガ「ゴールデンカムイ」で1巻からの常連にもかかわらず今まで表紙になっていなかった白石由竹がついに表紙になった! 作者の野田サトルさんも「白石がいつ表紙になるか」注目してほしいと言っていたのが、ついにやってきました。
白石が出ると大体話がおかしくなる「ゴールデンカムイ」
「ゴールデンカムイ」の物語の軸になるのは、血なまぐさいハードアクション。日露戦争後の北海道。囚人に彫られた、金塊の地図ではないかといわれる入れ墨を巡って、人々が殺し合い、人皮を剥ぎ、争奪戦を繰り広げます。
アイヌ少女アシリパさん(リは小文字)が加わることで、地の利を生かした狩猟方法や、独特なアイヌ料理を紹介するグルメ漫画としての側面も完備。
入れ墨を巡る人たちは変人ぞろい。自分が最高の方法で死にたい殺人鬼や、人の皮を使った衣装作りが大好きな剥製(はくせい)師など、ビックリ人間大集合。
そこに加えて白石が絡むと、一気に話がおかしな方向へ。移動や戦闘の際、主人公の元軍人・杉元&アシリパさんの邪魔をする。金・酒・オンナ・ギャンブル大好き。一応は杉元の命を救ったこともあるけれど、それを忘れるくらいのトラブルメーカー。物語を回す役目として、作者が「『サザエさん』でいうところのカツオ」というのに納得。
この作品での愛され度合いは恐らく、トップレベル。ヒンナなアイヌ料理を再現したコラボレストラン「ゴールデンカムイ軒」でも度々ネタにされ、白石スタンプが作られるほど。
スーパー脱獄囚・白石の超絶能力
出てくるキャラはみんな、チート気味。特に「不死身」の杉元、不敗の柔道王・牛山、百発百中のスナイパー尾形、一刀必殺の土方あたりは、人間離れしている上に倫理のネジ数本抜けている。
一方で白石も、桁外れの能力者です。通称脱獄王。入れられた監獄は全て脱獄している、という妖怪。身体中にあらゆる脱獄道具を隠し持っています。カミソリの刃を油紙に包んで、歯に馬の毛で結んで飲み込んでおく。肛門の中に隠しておく。
彼の身ぐるみをはぐと、本当にアメしかもってません。一応は食べる用。こんなおちゃらけている風ですが、彼の身体のどこに何があるか、わかったもんじゃない。針金やクギも、どこかに隠しています。
彼の特異能力の一つが、身体の関節を外せること。頭さえ入れば、どんな穴でも入ってぬけだせる。百戦錬磨の杉元も、さすがにこれには驚きました。どんなにがんばって鉄格子を曲げても、こんな幅じゃ普通は抜け出せない。監獄にいた時も、あらゆる穴(トイレなど)を通って脱獄しています。この能力、諜報活動などに使ったら相当ヤバイ。
クマですらも柔道技で投げ飛ばす怪人・牛山に完全に関節を決められた時、白石は骨を外してにゅるりと逃げだしちゃう。攻撃力は皆無な白石ですが、近距離戦での脱出能力は極めて高いです。
昭和の脱獄王、白鳥由栄
現実の日本の、1930年代。「昭和の脱獄王」と呼ばれたのが、白鳥由栄。関節を自由に外せる特殊体質と、気の遠くなる努力を重ねられる人物でした。
秋田刑務所では、天窓のブリキ片でのこぎりを作り、それを絨毯のヒモでくくりつけて隠し、1日のうち看守が交代する10分だけ削っていった末に脱獄。青森では鍵穴に指を押し当てて穴を写し、針金一本を鍵穴に何度も差し込んで合鍵を作成し、脱獄。網走監獄では味噌汁で手錠と鉄格子を錆びさせ、ちょっとずつゆすって3カ月かけて外し、逃げたという。なお博物館 網走監獄では、ふんどし一丁で脱獄する彼の人形が飾られています。
吉村昭の小説「破獄」では彼をモデルにしたと思われる人物(名前は違います)の脱獄物語が描かれており、その超人っぷりを見ることができます。
白石は白鳥の脱獄方法とは大分違う術で逃げていますが、負けず劣らずの珍妙っぷり&努力っぷり。粘土を看守のカギに押し当て、便せんに使う和紙とご飯粒と亜麻仁油を混ぜて合鍵を作成。執念です。
なにより、「一度も失敗していない」「脱獄のためなら手段を厭わない」のが、怖い。加えて彼の身体能力は、ずばぬけて高い。走るスピードは速く、自由にあちこちを飛び回り、穴だって掘ってしまう。
彼の逃走シーンは「トムとジェリー」のごとく冗談っぽいですが、冷静に考えるとこの動きができる人間はかなり危険(ちなみに白鳥由栄は、一日120キロメートル走ることができたそうな)。戦場を走り抜けたおっかねー人たちですらも、彼の身体能力と知恵には一目置いており、気を張っています。監獄での「あんたが当直の時に脱獄しちゃうよ?」という、冗談みたいな白石の決めゼリフ。100%脱獄してきた彼だからこそのスゴみがある。
スーパー役立たず白石
運動神経も知恵も人並み外れているのに、本当に役に立たないのが白石。だまっておとなしくする、ということができない。
例えば、アシリパさんと杉元がキツネを捕まえるためのワナを作った時。そのワナにかかっていたのは白石でした。なんなの、邪魔したいの。
また、アシリパさんから借りたお金を競馬で全部スッたり、お酒を買ってしまったりと、あまりにも行動がクズ。ほんとよく殺されなかったもんです。アシリパさんに謝れ。
大切な爆薬を台無しにしてしまう、ころんだはずみでアシリパさんの貴重な弓を折ってしまう、獲ったタヌキを逃してしまうなど、足手まといっぷりは近年まれに見るレベル。彼は脱獄の神様に魅入られていると同時に、厄神にたたられているんじゃないでしょうか。取りあえずアシリパさんにマジで謝れ。
そこが彼の憎めない面であり、彼の不気味な部分です。
ネズミ男・白石
このずうずうしさとだらしなさ、「ゲゲゲの鬼太郎」のネズミ男にも似ています。
なんだかんだいっても犯罪者。彼は今まで脱獄の際、自分のためなら人を見捨てるような行動を取ってきた。今までも杉元とともに行動しながら、別で動いている土方歳三に内通していました。どっちに対してもペコペコくっついてまわる調子のいい男。
現時点では杉元にも土方にもとてもかなう感じではないので、どちらかの怒りを勝った瞬間殺されるでしょう。でもここまで「役立たず」なのに殺されていないということは、ちょっとやそっとじゃやられなさそう。「信頼」の逆で、「信頼されていないし気にもされていない」から、ひょうひょうと動けている。これってひょっとして演出なのかな?
この後彼は、超重要な潜入ミッションのキモになっていきます。「ほんとうに残念なことだが…やはりこの男に頼るしか無い」「この役立たずが最重要人物になるとは……」心底信頼されていない。
白石は今のところ、まだまだちゃらんぽらん。だからこそ、食えない人間。
……いや、やっぱりただのバカかも。洋画だとこういう人間がしれっと生き延びるものですが、果たして。
(たまごまご)
関連記事
あのキャラに花束を:北の味わいを満喫しよう 「ゴールデンカムイ」アシリパさんのときめきレシピ
あー、ヒンナヒンナ。北海道の釣具屋になぜ金属バット? 「サーモンメタルバット」の使い道にネット民が震える
サケ「ア゛ア゛ア゛〜〜〜〜ッ」全てが生きた証 漫画「ゴールデンカムイ」の料理を再現するレストランが1日限定で渋谷にオープン!
ヒンナヒンナ(食べながら)。ヒンナ! 「マンガ大賞2016」大賞は野田サトル「ゴールデンカムイ」に
「このマンガがすごい!2016」では「ダンジョン飯」の後塵を拝していましたが……!「マンガ大賞2016」ノミネート作品が発表 「とんかつDJアゲ太郎」「僕だけがいない街」「BLUE GIANT」など
大賞は二次選考の後、3月29日に発表されます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
24歳のグラドル「3年間、脇毛を生やしてヘアカラー」 女性ファンから熱い支持受ける リリー・フランキーも太鼓判
使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
裁縫歴2カ月の女性が1000円で生地を購入→縫い合わせていくと…… これからにピッタリなアイテムが「すごーい!」「可愛いいい」
大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
「視線が怖い…」「盗んだら呪われそう」 盗難防止のため、ビニール傘に貼った“まさかのステッカー”が300万表示
高3男子、髪を切る間も惜しんで受験勉強を頑張って…… カット後の“別人級の変化”に称賛「コレはモテる」
出先でハンカチ忘れ→急いで調達したら…… 偶然買った“めちゃくちゃ良いハンカチ”に400万表示の反響「夢いっぱい!」「私も欲しい!」
- 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
- 愛猫が見つめる先にいるのは……? “まさかの来訪者”に思わず仰天 「うそっ?」「お庭に来るんですね!!」
- 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
- 壊れて捨てるしかないバケツをリメイクしたら…… 想像もつかない大変身が830万再生「想像力がすごい」【海外】
- そうはならんやろ ヤマト運輸公式とLINEで遊んでいたら…… 突然訪れた“予想外の展開”に28万いいね
- 「ウソやろ」 松屋の“530円丼”、衝撃的なビジュアルにネット騒然 「コレで良いんだよ丼」「開き直り感がすごい」
- ダイソーのセルフレジが「身に覚えのない商品」を認識→“まさかの正体”に大仰天 「そんなことあるんですね」
- 余ってるクリアファイル、半分折ってカットするだけで…… 目からウロコな便利グッズに「天才すぎる!」「素晴らしいアイデア」
- 「マジで天才」 無印良品から新発売の“350円文房具”に絶賛の声相次ぐ 「便利すぎる!」「これはいい」
- 「スト6」の公式世界大会で福島県のチームに所属する「翔」が優勝 賞金100万ドル獲得
- 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
- コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
- パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
- 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
- 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
- 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
- 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
- “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に