ハチミツが原因とみられる乳児ボツリヌス症で男児死亡 各省庁が1歳未満の乳児にハチミツを与えないよう注意喚起
乳児ボツリヌス症の死亡例は全国で初めて。
「1歳未満の乳児にハチミツを与えないで!」――厚生労働省や消費者庁、東京都などが注意を呼び掛けている。
東京都足立区の生後5カ月の男児が、離乳食として与えられたハチミツの摂取が原因とみられる乳児ボツリヌス症による死亡事例を受けてのもの。乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児に特有の疾病で、経口的に摂取されたボツリヌス菌が増殖し、その毒素により発症する。乳児ボツリヌス症の死亡例は全国で初めてとのこと。
死亡した男児は2月中旬からせきや鼻水などの症状が見られ同20日にけいれんと呼吸不全などの症状から医療機関に救急搬送。約1カ月後の3月30日に死亡した。
検査の結果、男児の便や自宅に保管していたハチミツ(開封品)からボツリヌス菌が検出され、発症の約1カ月前から離乳食として市販のジュースにハチミツを混ぜたものを飲んでいたことが分かった。保健所は発症から死亡に至る経過などを精査した結果、7日に死亡原因がボツリヌス菌によるものと断定した。
これを受けて厚生労働省や消費者庁は公式Twitterアカウントなどで注意喚起。ボツリヌス菌の芽胞(がほう=耐久性の高いカビの胞子のようなもの)は100℃程度で長時間加熱しても殺菌できないとして、ハチミツのほかにもコーンシロップや野菜ジュースにも含まれている可能性があるとして、これらの食品を1歳未満の乳児に与えないよう呼びかけている。
ネットで「離乳食」を検索すると、1歳未満には与えないようにとする注意喚起がないのにもかかわらずハチミツを使用したレシピがいくつか見受けられる。母子手帳には離乳食のポイントとして、「はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない」旨が記載されている。
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