数十人を殺した「ツァボの人食いライオン」が人を食べたのはなぜ? 米大学が研究
歯の疾患を抱えていたため、人間の方が狩りやすかったのではないかと研究者は述べています。
1898年にケニアでライオンが数十人を食べたとされる「ツァボの人食いライオン」事件。ライオンが人を食べたのは歯の疾患のためではないかとする研究結果が発表されました。
この事件は、ケニアのツァボ地方で鉄道敷設工事に従事していた労働者を、2頭のオスライオンが食い殺したというもの。被害者の数は9カ月で135人に上ったという説もありますが、最近の研究ではおよそ35人とされています。ライオンは射殺され、その剥製は米フィールド自然史博物館に展示されています。この事件をモチーフにした「ゴースト&ダークネス」という映画も制作されました。
研究では、米ヴァンダービルト大学と同博物館の研究者が2頭のライオンの歯を分析し、「当時ツァボ地方では干ばつや牛疫で野生生物が打撃を受けており、獲物が少なくなったためにライオンが人間を襲ったのではないか」という説を検証しました。
獲物が少なくなっていたのだとしたら、ライオンは被害者を骨までかじっていたと考えられます。しかし歯の摩耗状態を調べたところ、牛肉など柔らかいエサを食べている動物園のライオンと似た摩耗パターンであることが判明しました。
過去の研究で、ツァボのライオンのうち多く人間を食べていた方は、深刻な歯の疾患を抱えていたことが分かっています。「ライオンは通常、シマウマやバファローのような獲物をあごを使って捕らえ、窒息させる。このライオンは(歯の疾患のため)もがく大きな獲物を押さえつけて殺すのが難しかったのだろう。人間の方がずっと捕まえやすかった」と研究者は説明しています。またもう1頭のライオンも、あまりはっきりとはしていないものの、歯とあごに損傷があったとのこと。
「ムフウェのライオン(1991年にザンビアで6人以上を殺した)もあごに深刻な損傷があった。この事実は、人食いを引き起こす上で歯の問題が影響しているという見解を補強する材料となっている。インドにおけるトラやヒョウによる多数の人食いの報告で、同様の問題が指摘されていることもだ」と研究者は述べています。
研究結果は「Nature: Scientific Reports」に掲載されています。
関連記事
- もしかして共食い……? イカがイカを捕える瞬間が南極海で撮影される 体当たりしながら触手でがっちりホールド
深海調査の準備中にたまたま撮れたもの。 - 食べたクラゲの触手を武器に使う!? 深海の大ダコ「ハリフロアトランティカス」の研究が発表
とらえたクラゲを抱えて泳ぎつつ、その触手を武器に使うとみられています。 - 約70キロのハイエナを捕食するアフリカニシキヘビ、ケニアで発見 大きな口で頭から丸飲みに
異例の出来事で、研究団体も驚きの反応。 - 何かの儀式か……? 死んだ猫の周りを七面鳥がグルグル回る謎の動画が話題 専門家の見解は?
何かの儀式にも見える七面鳥の不可思議な動画が話題に。しかしその理由はシンプルでした。 - サメが路上に打ち上げられ……オーストラリアを襲ったサイクロンの影響がすごい
オーストラリアを襲ったサイクロンは、サメが路上に打ち上げられるほどの猛威を振るいました。 - アナグマが自分より大きい子牛を埋める動画が完全にプロの犯行 貯蔵して数カ月食べ続ける
偶然、初めて観察されました。 - どっちが勝つんだ……? ヒョウの親子と巨大なヘビのバトルが南アフリカで目撃される
ヘビはヒョウも捕食できるほどの大きなアフリカニシキヘビです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」