神社にパンダのかぶり物した宮司、シュールな光景が話題に 中の人「神社の優しい心を知ってほしい」

なぜこんな奇妙なことに……有鹿神社の担当者に取材しました。

» 2017年07月26日 22時12分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 神社をより多くの人に知ってもらおうと、パンダのかぶり物をかぶって境内に立つ。そんな健気かつシュールな宮司さんが、ここ数日Twitterで注目を集めています。飛鳥時代から記録が残っている、相模国最古の神社・有鹿神社(神奈川・海老名)です。

パンダ 宮司 神社 有鹿神社パンダ 宮司 神社 有鹿神社 神社に……パンダの宮司!?(写真提供:@bomberuneuneさん)

 本殿前で白い装束で凛(りん)と佇んでいるのに、顔はまんまるふっくらのパンダ。お堅いイメージの神社に紛れ込んだ動物園の人気者、違和感とかわいさがシュールな笑いを誘います。

パンダ 宮司 神社 有鹿神社 違和感がすごいけどほっこりもする(写真提供:@bomberuneuneさん)

 Twitterユーザーの@bomberuneuneさんが「神奈川で一番古い神社なのに、あまり知られていないから頑張っているみたいなのです」と写真を投稿したところ、「なぜ鹿じゃなくてパンダ」「健気……!」と戸惑いと衝撃をもって9万回以上リツイートされました。

 なぜこんなことになってしまったのか、神社ってここまではっちゃけていいのか、疑問が沸いて止まらないパンダの宮司。中の人を務める禰宜(ねぎ)、有鹿神社の小島実和子さんに話をうかがいました。

――いつからパンダのかぶり物を始めたんでしょうか。

小島さん: 6月末に神奈川テレビさんから取材されたのがきっかけです。5月くらいからTwitter(@arukajinja)で神社の情報を発信するとき、形式張った堅苦しいイメージを和らげたいなということで、パンダのパペットが神社を紹介する写真を投稿していたんです。

パンダ 宮司 神社 有鹿神社 今も有鹿神社のSNSに登場する、パンダのパペット(写真提供:有鹿神社)

 その試みを面白がったテレビスタッフさんが取材を依頼してくれたところ、打ち合わせのときにパンダの小ささに驚かれて。どうもパンダの中に人が入っていると勘違いされていたみたいなんです。残念がられていたんで、こちらから「当日までにかぶり物を用意します」と申し出て、パンダのかぶり物をした宮司が誕生した、という感じですね。

パンダ 宮司 神社 有鹿神社 爆誕

――サービス精神がすごい。それからいつもかぶっているんでしょうか。

小島さん: いえいえ、神事のときはかぶりません。そもそも小さな神社である上に事務所が離れているので、神社にいつも宮司がいるわけではなく、ご祈祷や朱印の依頼があったときにこちらから出向くのが日常です。そこでご祈祷後にお願いされたり、見学に来た団体客をお見送りしたりするときにかぶっていますね。

――しかし、なぜパンダなんでしょう? 有鹿神社なら“鹿”と考えてしまいますけど。

小島さん: 宮司である父がパンダに似ていることから“パンダ宮司”と呼んでいたのがきっかけです。「思いやりや優しい心がある神社だと感じてほしい」と考えていたので、優しそうでかわいいパンダはぴったりですし。一応設定としてパンダのパペットやかぶり物は、パンダ宮司(父)がいないときに神社を紹介する「パンダ宮司代理」というキャラになっています。

 SNSで「なぜ鹿じゃないの」って聞かれることが多いのですが、鹿のかぶり物だと細身の神職さんじゃないと似合わないんですよね……。パンダだと自分の体型でも似合いますし(笑)。

――ちなみになかなかのはっちゃけ具合だと思うのですが、神様には失礼には当たらないのかでしょうか?

小島さん: 神社には神様を楽しませる「神賑行事」というのがあります。面をつけて舞って楽しむ神楽や、お神輿(みこし)や山車(だし)もそうです。パンダ宮司もその位置付けで、神様に楽しんでもらえたらなと。

――地域や参拝客の反応はいかがでしょう。

小島さん: 交通の便も悪い場所にあるので近場の人が来る程度なのですが、「なんで鹿じゃないの?」「パンダ?」とつっこみながら笑ってくださいますね。子どもには「でも体は人間じゃん」と受けが悪いですが(笑)。最近では「パンダ宮司いらっしゃいますかー?」と訪ねに来てくださる人もたまにいますね。

パンダ 宮司 神社 有鹿神社

――ネットではかなりの反響がありましたね。

小島さん: 善意ある方が広めてくださって本当に感謝しています。「知名度のない神社ががんばっている」と応援のツイートも見かけて、みなさん優しくてありがたいです……。必ずパンダ宮司代理に出会えるわけじゃないのですが、神社にはいつも神様はいらっしゃいます。実は灯籠の中にも小さいパンダがいるので、よかったら探して「何だこれは」と笑って元気を出してください。その元気を神様に受け取ってほしいです。

<神社情報>

有鹿神社 (あるかじんじゃ)

〒243-0434 神奈川県海老名市上郷1-4-41

TEL:046-234-4763

黒木貴啓


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」