チア部はモテるって本当ですか『青高チア部はかわいくない!』高校デビュー目指す新入部員・安達杏の憂鬱:あのキャラに花束を
「かわいい」ってなんだろう?
「かわいい」って言われていやな女子学生は、ほとんどいないと思う。でも「かわいい」って何を基準に言ってるのかわからないから困っちゃうよ。背が高いとかと違って、数値化できるものじゃない。
高校の部活の中でも「かわいい」へのアプローチが大きいチア部を描いた『青高チア部はかわいくない!』(pixivコミックで4話まで試し読み可能)から、迷走する新入部員・安達杏をご紹介。部活経験者なら、きっとなにかしら共感できちゃうキャラです。
高校デビューに命をかけて。
とってもポップでビビットな表紙が目印。作者のconixさんがイラストレーター出身なだけあって、全編に渡ってぷにっとまとめた、すっきりした線のセンスがいい。
作品自体は青高チア部を舞台とした群像劇です。読んでみると女子部独特のギスギスだったり毒があったり、かなりリアルな部分が盛り込まれた作品。絵柄で、絶妙に緩和されています。
今の3年生部長・真泉舞(真ん中の金髪の子)は熱血馬鹿先代にひどい目にあわされたため、なんとか「モテ」をアピールできる、明るく楽しい部活を目指します。青春謳歌するぞ! と意気込みまくり。
そこに入ってきた1年生は、3人。
右から、野球大好きすぎるけど不器用でクビになった元野球部マネージャー・満田まり、モテるためならなんだってする安達杏、ぽっちゃり気味で背が大きくおどおどしたオタク・露木つぐみ。バラバラにもほどがある。
つぐみとまりは、わりと目標が形として明解なので、成長ははやいです。ところが杏は、やる気はあるんだけど「かわいくなる」という漠然としたイメージで動いているため、なかなかうまくなりません。落ちこぼれ一直線。
スパルタの価値観の差異
卒業した先輩は、これまた横暴で正反対なやり方でした。
先代は「我々の応援が野球部を甲子園に導く」とか「あんたの腕が真っ直ぐ伸びてないからアウトとられたんだよ」とか平気で言っちゃう人。ばかなの?
……まあそのくらいの気持ちで挑まないとだめだ、という気合入れなのでしょう。「自分をアピールしたい」になってしまっては、応援にならない。もっと全身全霊をかけないと、と考えればわか……わからないわ。いやだよこんな先輩。
3年生の舞は「ああはなりたくない」という考えのもと、ゆるふわを目指しました。ところが自分たちが3年間で身体に染み付いた「チアの当たり前」と、1年生の中にあるチア以前の未熟な捉え方で、すぐに衝突してしまいます。
1年生の中でも下手な杏。もうくそみそです。先輩の発言なにもかもがナイフのように刺さる。
「つか他の1年ダシ抜いてかわいく目立とーとか思ってんなら鏡見ろよ?」
図星。つらい。いじめではないです、「かわいくなりたいなら、まずは自分を見ろ」ってことです。ぶさいくだ、とは決して言っていません。
かわいいの在り方
「『ちょっとかわいい』くらいしかとりえのない女子高生」。ここでいう「かわいさ」は、見た目だけじゃなく、もっと別な部分。
この作品、容姿の良し悪しはそれほど問題にしていない。キャラ全員がかわいらしい絵柄で描かれているので、ほとんど差がつけられていない。
じゃあどこでプラスアルファするか。補助するものの一つがチア服です。
まりは野球の録画を見て気持ちをあげる。つぐみは野球マンガや懐かしのアニメ曲を聞いてテンションを保つ。杏は……「かわいい」のモチベーションを保ちようがない。そこで、カンフル剤・チアユニフォームを借りて着ます。「やばいどうしようコレ今あたしめっちゃかわいいやばい」テンションあがりまくるよね。
ユニフォームは心を補強し、普段と違う自分に切り替え、勇気を持つため背中を押すためのもの。杏の様子を見ていると、人に見せるためだけじゃない、自分のためなんだ、と感じさせられます。
かわいいの自信は、応援する力につながる
先輩の舞たちは、かわいい。笑顔が、決めポーズがかわいらしい。ダンスを含めて自信を持っているからです。
この作品での「かわいい」と「自信」は相互関係にあります。かわいければ自信が出る。自信があればさらにかわいくなる。つまり「かわいさ」のジャッジをするのは、他人ではなく「自分」です。
実際の応援に行った時、ぽっちゃり気味の1年生つぐみは、おびえてトイレにこもってしまいます。彼女は自分の容姿に自信がない。
先輩があっさりと「つぐみんちょーかわいいのに~」と何気なく言った一言で、つぐみの考え方はがらりと変わります。先輩に髪を上げメイクをしてもらい、違う自分に生まれ変わった時、彼女の中の恥じらいと恐怖は少しずつ消えていきました。「かわいい」が彼女の背中を、押したのです。
すごく美人じゃなくていい。「ちょっとかわいい」で十分。自分のためのプラス思考が生まれれば、人前に立って声を出せるようになります。
「かわいい」をモチベーションにしてきた杏。モテるとか忘れて、本番で闇雲に頑張っていました。そこに声をかけてきた野球部の子の感想が、これです。
頑張っていたら、「かわいい」はついてくるよ! 必ず伝わるんだよ。その「かわいい」を胸に、自信を持ってさらに応援ができる。青春のステキなループだ。
この作品では、いろいろな音楽にあわせたダンスを紹介しています。絵柄とのマッチもあって、心底キュート。もっともそれぞれのダンスへの感想がバラバラなのが面白い。
杏はまだまだ今のところ、下手度ナンバーワン。でも自信がたまっていけば、トップクラスのチアリーダーになれそう。どんどん本来の意味でかわいくなりそう。『青高チア部はかわいい』になるよ。
でも多分どっかでなんだかんだあって、やっぱかわいくない! になるんだろうなあ、青春は傷ついてなんぼだぞ。全部乗り越えたらきっと「かっこいい」になるよ。
(たまごまご)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
一般家庭で暮らすワニ、“ご飯だよ”の合図を聞いた瞬間 400万再生の予想外すぎる顔に「温室育ちの純粋な目をしてて草」
-
「押すなよ、絶対に押すなよ」なポーズの猫ちゃん→次の瞬間…… 笑っちゃうほどの展開が200万再生「爆笑しました」
-
生後2カ月で迎えた保護たぬき、犬に囲まれて育ち5カ月後…… 見事な“オラオラ俺様モード”に「愛嬌の塊みたい」「可愛すぎて虜」
-
母「昔は男性からモテまくりだった」→娘は信じられなかったが…… 当時の“説得力ある姿”が260万再生「なんてこった!」【海外】
-
「許されると思ってんの?」 スマホのアラームを設定→翌朝…… “絶望の通知内容”が430万表示 「ほんとこれ」
-
「目を疑った」 “8割引”も……恵方巻の「大幅値引き」目撃相次ぐ 「予約購入は少数派」消費者との温度差も
-
【編み物】彼氏のために、緑と黄緑の毛糸を正方形に編んでつなげると…… 圧巻のおしゃれな大作完成に「息をのむほどすばらしいよ」
-
27歳女性がひとりで営む“おにぎり屋台”が話題沸騰中 必死にリヤカー引く姿に「なんだか泣けました」「見かけたら必ず買う!」400万再生
-
真冬なのに“様子がおかしい木”を発見→近付きよく見てみると…… まさかの正体が200万表示「初めてみた」「マジで存在するんだ」
-
妻「おはぎ教室行ってくる!」→持って帰ってきたものは…… 妻が作った“衝撃のおはぎ”が400万表示 「知ってるおはぎと違う」
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
- スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
- 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
- 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
- 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
- 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
- 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
- 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議