ニュース
» 2017年09月27日 19時00分 公開

『とっても優しいあまえちゃん!』巨乳女子小学生あまえちゃんのバブみは、温かい天国か、無限回廊かあのキャラに花束を

妄想が過ぎるぞ(褒め言葉)。

[たまごまごねとらぼ]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

画像 (注)女子小学生です


 つい甘えてしまいたくなるような、幼い少女が持つ包容力を「バブみ」といいます。シャアに対するララァみたいなものです。

 バブみを理解することができる教科書的作品であり、おそらく今後オタク文化を語る上での問題作になるであろう『とっても優しいあまえちゃん!』より、バブみの権化あまえちゃんをご紹介。



人をダメにするあまえちゃん

 「おにーさん」は、挫折が続く漫画家志望の青年。しょんぼり人生の中、毎日マンションの隣の部屋に住む女子小学生がやってきて、いっぱい褒めてくれるというスーパー恵まれ生活を堪能中。

 とにかくどんなことでも褒めてくれる。マンガが描けなくても、ラフを描いたら褒めてくれる。ご飯を食べるだけで褒めてくれる、飲み物を買えただけで褒めてくれる。うまく甘えたら褒めてくれたりする。多分、生きてるだけで褒めてくれる。


画像 なでなでしてくれる女子小学生好き〜!(1巻6ページ)

 普段おにーさんの描いてる絵は、そもそも持ち込みや仕事用ではない。ネットにあげる用の絵です。

 ようは、趣味ですら辛い。知らない人とのコミュニケーション何もかもが怖い。頑張っていない人間、という領域にすら入らないと思う、本当に何もしていないもの。

 彼を全肯定してくれるのがあまえちゃん。心が痛んだ時(例・ネットで絵が評価されない)は必ず癒やしてくれます。そうじゃなくても抱きしめてくれます。


画像 辛い時はその胸の中で泣きたい(1巻13ぺージ)

 「人をダメにする○○」というネットスラングがあります。「人をダメにするソファ」は、心地よすぎて動きたくなくなる、という意味で使われます。そういう意味では、あまえちゃんは人をダメにする女子小学生。ほぼ無条件で受け止めてくれる彼女、成人男子を赤子に退行させてしまう。



あまえちゃんの胸は大きい

 あまえちゃん自体は小学生なのですが、とにかく胸が大きいです。ゆっさゆっさと揺れます。彼女のたわわは、着ているTシャツをぱっつんぱっつんにします。

 幼さを出すには真逆のベクトルの巨乳表現。作者いわく、自分が好きだかららしいです(参考・「小学生に甘えるという最高の甘えを味わって欲しい」『とっても優しいあまえちゃん!』作者・ちると氏が語るバブみへのこだわり)。

 あまえちゃんは巨乳じゃなければ成立しないキャラです。例えば『風の谷のナウシカ』のナウシカは、おっぱいがとても大きいです。これは谷に住む人たちを抱きしめて受け止める、母のような存在だから、と宮崎駿は語っていました(ロマンアルバムより)。

 あまえちゃんの胸も、母性の現れそのもの。おにーさんを抱きとめるのは、常に胸の中。もっとも慈愛の子というわけではないので、おっぱいに甘えさせるのはおにーさんだけです。


画像 絵面がアレだけど、これは「母子」だ(1巻34ページ)

 背が低いので、おにーさんがしゃがんで、あまえちゃんの胸に顔を埋めるのがこの漫画のベーシック構図。

 事案ですね。気持ち悪いって言われたら、うん、そうだね。けれどもこのコマだけ見ていると、菩薩というか、マリアというか、聖なる感覚に襲われます。この包容力あふれる顔、幼いころに感じた親のぬくもりが頭の中にちょっとだけ蘇ること、否定できないと思うんですが、どう?



あまえちゃんとおにーさんには性欲がない

 ものすごく「女性」を意識したデザインのあまえちゃん。ところがこのマンガ、性的な要素は極端に少ないです。胸に顔を毎回埋めて入るものの、そこからえっちな展開になることが一切ない。作者のポリシーのようです。


画像 お風呂シーンでも意外にも水着。優しさ多め、エロさは控えめです(1巻102ページ)

 「甘える」という行為への賛歌を描くことが大事で、ロリコン性癖は重要視されていない。おにーさんは「結婚したい」という思いはあるものの、あまえちゃんに性的視線を向けませんし、許可されない限り自分から触れることもしません。

 あまえちゃんも同様です。おにーさんを子どものようにあやすけれども、一人の男性として意識は全くしていない。

 二人の関係は、限りなく母と息子に近づいていきます。


画像 恥じらいを捨て、二人きりの時は全てあまえちゃんに身を委ねる(1巻136ページ)

 「バブみ」「あまえ」への憧れは、閉じた世界での心の昇華から起きるものだと思います。堕落したいのではない。二人だけの秘密として心の内を吐き出せる関係がほしい。信頼関係で結ばれたおにーさんとあまえちゃんのつながりは、ギャグを通り越して美しさすらあります。

 というわけであまえちゃんは、次の日頑張るために全てを浄化する、癒やしの究極形態キャラ……だと思ってたんだけどねえ。なんか違うっぽい。



あまえちゃんと共依存

 実に都合よくできた、至高の妄想キャラクターに見える彼女。ところが読み返すと、ところどころ違和感があります。

 あまえちゃんは、おにーさんが頑張っていると「ちょっと頑張りすぎじゃないかな……」と休ませようとします。おかしい。その分褒めてあげるならまだわかるけど。その時の彼女の感想は「おにーさん……かわいいなぁ……」

 どうもあまえちゃん側も「自分を必要とするおにーさん」にかなり依存している様子。だらしなくて甘えん坊なおにーさんには、私がいないといけないんだ。甘えさせてあげることが、自分の喜びなんだ、と。

 時折彼女は、おにーさんの逃げ場をなくす発言をすることもあります。


画像 突き落として、手を差し伸べるスタイル(1巻23ページ)

 「甘えてるときのおにーさん……すっごくかっこ悪かったね」「あんなこと言う人のもらい手……もう私くらいしかいないよね」

 あまえちゃんは、「イエスセット」と呼ばれる会話効果を無意識に使っています。相手に繰り返し「イエス」と言わせるうちに、自分への好意が強くなっていく、というテクニック。

 これだけだと相手(おにーさん)が自己肯定へも心が動いていくのですが、あまえちゃんは巧み。おにーさんの自尊心を徹底的にこそぎ取ることで、自分にひたすら甘えることしか考えられないようにしています。おにーさんの周りの視界を閉ざし、自分しか見えないようにする誘導。正直、催眠だと思う。


画像 本作屈指の名言であり、萌え文化に残る迷言(1巻20ページ)

 「大人だとか小学生だとか、関係ないよ。大人だって、小学生に甘えたいときあるもんね」

 なんてステキな言葉なんだろ……ん? この作品は端々に、いいのか悪いのかわからなくなるパワーワードが散りばめられています。あまえちゃんのこういう、飲み込んでいいのかわからない発言の数々が、いつの間にかおにーさんの自尊心を奪っていきます。「甘えてくれる」じゃなくて「甘えさせるように振り回している」という、サディスティックな面がちらっと見えます。

 おにーさんは「こんな僕でも受け入れてくれる……あまえちゃん好き〜〜!!」と、許容してくれたことに大喜び。赤ちゃん人間な彼のちっぽけなプライドは雲散霧消。

 他の作品だと、『NHKへようこそ!』の岬ちゃんが、自分より下だと感じている年上の青年に、同じような教育プログラム手法を使っています。気になる方は小説・アニメ・コミック全てオススメ。



まともなまともちゃん

 あまえちゃんが聖母なのか悪魔なのかわからないところに、するっと登場するあまえちゃんの友達、安貝まともちゃんの存在が、この作品を絶妙なバランスで救っています。

 砂糖菓子の牢獄にこもったまま死にかねない二人を、ズバッと第三者視点で斬る、唯一のキャラクターです。


画像 これまでの二人の関係、全ての否定(1巻40ページ)

 「大人なのに女子小学生に甘えてるんだって? それってすっごくキモいよね」

 このあたり前の発言を言ってくれる人間がいてくれて本当によかった。あまえちゃんにもきちんと友達がいたんだ、よかった。

 おにーさんもあまえちゃんも、お互いがいないと生きていけない状態なのが現在。それは共依存だ。基本的に舞台はおにーさんの部屋だけで、二人きりの時間しか描かれていない。だから一見優しく、一見不気味な関係が成立してしまいます。

 けれどもまともちゃんの登場で「それはおかしい」とリセットしてくれる。読者側を「妄想が過ぎるぞ?」という気持ちに引き戻してくれます。


画像 やっぱり聖母なのでは?(1巻114ページ)

 ギャグ漫画だし、閉じた二人のまま結婚して幸せになってもいいんじゃないの?と感じるのだけど、おにーさんがところどころ人間の負の側面(絵を描かない、など)を反映するキャラクターなので、どうにも引っかかってしまう。少しでも共感すると、「バブみ」の暗黒面が見えてくる。

 あまえちゃんとなら、堕ちてもいい、くらいの覚悟が必要そうです。

CHILT/KADOKAWA 2017


たまごまご


関連キーワード

癒し | かわいい | あのキャラに花束を


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2402/26/news043.jpg 生後1カ月赤ちゃん、ママが3時間抱っこで限界→バウンサーに座らせた瞬間 “激おこ”な表情に「かわいい」「ママ頑張りましたね」
  2. /nl/articles/2402/26/news040.jpg 1歳弟を寝かしつける4歳姉、2人の会話が「可愛すぎて泣ける」 “小さなお母さん”の活躍に「いつまでも仲良しでいてね」
  3. /nl/articles/2402/25/news065.jpg 「ほんと愛でしかない」「心から尊敬します」 “6男7女の大家族”うるしやま家のスーパーママ、“15人分のお弁当作り”が神業レベルで称賛の声
  4. /nl/articles/2402/25/news021.jpg 10人目妊娠中の妻、出張に行く夫から突然「疲れた時は冷凍庫を開けて」とLINEがとどき…… 優しいサプライズが140万再生
  5. /nl/articles/2402/26/news110.jpg 永野芽郁、ドラマ役作りで減量していた ミラノでの1枚に「足ほっそい!」「スタイルよすぎ」の声集まる
  6. /nl/articles/2402/25/news014.jpg 母が帰宅したと思って出迎えた猫、ふと顔をあげたら…… 想定外の事態へのリアクションに「いいねを一万個ぐらいあげたい」
  7. /nl/articles/2402/26/news122.jpg 石田ひかり、2人の娘たちが海外へ旅立ちしんみり 子どもの乗る飛行機を「朝まで追跡しておりました」
  8. /nl/articles/2402/26/news125.jpg 「時差投稿」宣言の北斗晶、ブログ写真をよく見てみると……? 白物家電の英語ボタンで示唆「円安だし」
  9. /nl/articles/2402/26/news049.jpg 着古したセーターがリメークで冬に大活躍の日用雑貨に超変身! 古着の意外な再活用が「とても懐かしい気持ちに」と話題に
  10. /nl/articles/2402/25/news007.jpg 【漫画】「愛犬の老いに直面した話」に「泣きました」「まさに同じ気持ち」と8万いいね 家族の老いと喪失に向き合う話に涙
先週の総合アクセスTOP10
  1. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  2. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  3. 宿題する8歳娘と、邪魔しつづける猫を1年記録したら…… 490万再生の愛がつまったやりとりに「最強の名コンビ」
  4. 真田広之の俳優息子、母の手塚理美がエール「彼なりに頑張ってる」 両親ゆずりのルックスに「イケメン」「男前」の声
  5. 野生の鯉を稚魚から育て4年後、判明した事実に飼い主「僕は今まで何を…」 激変した姿に「爆笑してしまいました」
  6. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  7. 食用でもらった車エビ、4歳息子に「育てたい」と懇願され…… 水槽で飼育した貴重な記録に「可愛い姿見せてくれてありがとう」
  8. 2歳娘とパパ、愛と平和しかないやりとりに「100億年分のストレスが消滅した」 涙が出るほど幸せな会話に称賛の声
  9. 3歳双子姉妹、17歳お姉ちゃんを修学旅行で見送ったら…… 寂しくて号泣する様子に「もらい泣きです」「愛されてますね」
  10. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「天までとどけ」長女役、芸能界の「負の連鎖」訴え 主演俳優の“お誘い”拒否し「他の演者やスタッフからも無視」「本当の事なんか誰も話さない」
  2. 田代まさし、南部虎弾さん通夜で“一団”に絡まれる騒動へ……にらみ合いの末に「ちょっと来い」「止めろよお前」
  3. 妊娠中の英俳優、授賞式での“金太郎”ドレスが賛否両論 「半裸の妊婦なんて見てられない」「ホットなママ」
  4. 「変わんないもん俺のと」 所ジョージ、ホンダ軽を超速カスタムで高級外車と“まったく同じ”外見に 「朝から楽しいよ」「完璧!」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「意識もうろう」「何も食べられない」 すい臓がんステージ4の森永卓郎、痩せた顔出しで“最悪の時期”告白 息子は「『死ぬ』が冗談に聞こえなかった」
  7. 授業参観の度に「かっこいい」と言われた父親が10年後…… 「時間止まってる?」と驚愕の声がやまない父子の姿が870万再生
  8. 65歳マドンナ、ワールドツアー中のダンスが“おばあちゃん”だと視聴者衝撃 「もうやめなよ」「こんなふうに終わりを迎えるなんて」
  9. 人気ブロガー医師が4年の闘病の末に42歳で逝去 夫が伝える「素敵な女性がいたということを皆様の心に残していただければ」
  10. 能登半島地震により海底が“隆起”→すさまじい様子を収めた写真に「自然の脅威を感じる」