どうやったら「シャドバ」「ハースストーン」のプロになれるのか? 新人プロゲーマーElsaの日常(2/2 ページ)
――「ハースストーン」の前には他のカードゲームもやられていたのでしょうか。
Elsa:僕は今年で24歳ですが、「遊戯王」「デュエルマスターズ」「ヴァンガード」などなど、この世代がやってそうなカードゲームは一通り触ってきたかなと思います。個人的に一番やってたのは「ガンダムウォー」で、大会とかにも出てました。変わり種でいうと「サイバーワン」が好きでした。
「サイバーワン」は2011年にサービス開始したオンラインカードゲームの先駆け的なタイトルで、当時とても新鮮でした。変わったシステムで、デッキを組んで登録しておくと勝手に対戦してくれるんです。現在やってるゲームでもデッキの有利不利があって、大会でも相手のデッキ傾向を読んで対策を立てていかないと勝てません。「サイバーワン」は一見ハチャメチャでしたが、そのときの経験は確実に今に生きてますね。当時ランキング上位に行くまでやり込んだんですが、「サイバーワン」自体はそれほど人気が出ず、2年ほどでサービスが終了してしまって寂しかったですね。
――オンラインカードゲームとの出会いがそこだったんですね。紙のカードゲームとの一番の違いは何だと思いますか?
Elsa:紙のカードはどうしたってお金が飛んでいきますよね。「ハースストーン」や「シャドウバース」ではちゃんと情報を集めて準備していけば無課金でも上位ランカーと渡り合えるので、頑張りがいがあります。課金すれば自由度は上がりますけど、無課金でもかなり遊べる。ただどちらにせよ、本気でやるとなると相応に時間は吸い取られますけど(笑)。
――ちなみにご自身では結構課金する方ですか。
Elsa:新カードセットが出ると「取りあえず5000円分」とか、気になるカードは買っちゃいます。せっかく楽しんで遊ばせてもらってるので、そのお返しという気持ちもありつつ。ただ継続プレイしていると無課金でもゲーム内通貨がたまってくるので、そちらと合わせるとそれほど高額にはなってないです。
――プレイする時はスマホとPCどちらがメインですか?
Elsa:スマホでもプレイしますが、基本PCです。本当はいつもまとまった時間プレイしたいところなんですが、スマホでもできるので隙間時間についついやってしまいますね。腰を据えてやるときは、夜22時に初めて朝方5時まで、というようにガッツリやります。「ハースストーン」は月末にランキング争いが過熱するので、最終日付近は朝からご飯も食べずに、気付いたら日が暮れてるときもしょっちゅうです。基本的にはシーズンを意識して時間を調整してます。
――Twitchで実況配信もやられてるとか。
Elsa:まだまだ視聴者数は少ないですけど、固定で見てくれてる人がいてとても励みになってます。配信ではプレイ内容の解説がメインで、なぜそういうプレイをしたのかとか、どういう選択肢があって、選択肢によって戦況がどう変わるのかなど、極力自分の思考を言語化して視聴者のスキルアップにつながるよう意識してます。配信を自分で見返せばプレイ内容を再検証するのにも役立ちますし、配信は良いことづくめです。
――ゲーマー同士の横のつながりというのはあるのでしょうか。「格闘ゲーム」だとゲーセン文化を起点に、集まって楽しむのが根付いていたり。「RTS」など、チームでプレイするゲームではシェアハウスのような環境があったりと、なんとなくプロゲーマーは横のつながりが強いイメージがあります。
Elsa:強豪プレイヤーの配信を見たりすることはありますが、僕自身あまり他のプレイヤーとの交流はない方です。オンライン環境前提という特性上、横のつながりは必須ではないですが、もちろん大切にしているプレイヤーも多いです。
――最後に、あらためて今後の目標を聞かせてください。
Elsa:実は現在ゲーム一本で食べていけてるわけではなくて、自営業をしている家族のマネージャーとしても活動しています。子どもの頃から変わった職業の人が多い環境で育ったので、プロゲーマーになると決めたときも「やれるところまでやってみたらいいんじゃない?」と、家族から後押ししてもらえたのは大きかったです。今は「ハースストーン」がオフシーズンで、「シャドウバース」は大型大会に抽選で落ちてしまったので、できるだけ今のうちに力を付けてまずは次の大会につなげ、ゆくゆくはゲーム一本でやっていけるくらいになりたいですね。
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