漢字「とめ・はね・はらい」で減点はおかしい? 文化庁「骨組みが同じなら誤っているとはみなされない」(2/2 ページ)
「とめ・はね・はらいで減点されたらどうすれば?」文化庁に聞いてみた
取材に応じてくれた担当者によると、「常用漢字表の字体・字形に関する指針」については、すでに各都道府県の教育委員会等に通達済みで、そこから先は教育委員会が各学校などに通知しているそうです。
またもしも学校などで「とめ・はね・はらい」に関する減点さを受けてしまった場合には、採点した先生が指針の存在を知らないという可能性があるので、指針について知っているかどうかを質問してみると良いのではとのこと。またもしもそれでも納得がいかないという場合には管轄の教育委員会などに相談してみると良いでしょうとのことでした。
長野県教育委員会は独自の資料を作成して周知
続いてお話を伺ったのは長野県教育委員会の高校教育指導主事担当者。長野県教委では239ページある指針の内容についてA4用紙5枚程度に要約した独自資料を添えて各学校にに通達したといいます。
――独自で制作されたという資料の内容を教えてください。
担当者:文化庁の指針を元に、「漢字のとめ・はね・はらいに関しては評価の段階でこだわりすぎなくても良い」という内容をまとめました。また手書き文字と印刷文字との歴史的な背景や違いについても簡潔に触れています。
――分かりやすくいうとどういうことでしょうか。
担当者:そもそも手書き文字は多様なものですから、評価に際して(とめ・はね・はらいなどを)厳しくやりすぎる必要はないということです。
――教育委員会から学校へ伝えられた指針についてはどのようにして各教員へ伝わるのでしょうか。
担当者:基本的には教育委員会から各学校の教頭先生などに資料を送り、「校内研修会を開いてください」とお願いをします。そしてその研修会で「指針を踏まえた評価をしてください」というお話をしていただくことにより、情報を共有していただきます。こうすることによって、各先生方の意識を統一することへつながります。
――これまで「とめ・はね・はらい」を重視してきた先生からの反発はありませんでしたか。
担当者:今のところ、私は聞いたことがないです。この指針による影響を一番うけるのは入試関係の採点ですが、校内テストの評価に際しても同様のスタンスでぜひ妥当な採点をお願いしたいと思っています。
「とめ・はね・はらい」についての評価は軟化するものの、正当な評価を受けるためには「その字特有の骨組みが読み取れる」ことが重要です。必要以上に字を崩したりしすぎると減点される可能性も考えられるので、できるだけ美しい文字を書きたいですね。
(Kikka)
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