あえてちぎれやすくなっている? レースを安全に行うための秘密が詰まったパイロン内部に潜入:レッドブル・エアレース千葉2018(2/2 ページ)
そしていよいよパイロンの内部へ。土台部分には屈めば人一人が入れるほどの穴が開いているのでそこから中に入ります。中は送風機の音が「ゴーッ」と響く空間となっており、そこからさらにハッチを通ってパイロン内部に入っていきます。
内圧が下がってしまうので急いで内部に入ると、足触りはトランポリンのよう。安全のため「絶対に飛び跳ねないで!」と言われているのでそーっと歩く必要がありますが、10人程度であれば余裕で入れる広い空間となっています。またパイロンを内側から触ってみると張りがあるのも分かります。
ここからマッセルさんが専用の機材を操作して内圧をあげていきます。中にある送風機からブワーッとさらに大きい音がして一気に試合時のテンションにしていくのです。このとき耳が若干キーンとして圧が加わっていくのが体感できました。
エアレースでパイロンヒットが発生した場合には、いったん内圧を下げてしぼませ、先端部分のパーツ交換ができたら再びテンションをあげてピンとパイロンを立たせるわけです。
「でも25メートルもあるパイロンが一気に膨らめば、周囲にいるスタッフにぶつかったりして危ないのでは?」報道陣からそんな質問がでましたが、マッセルさんによると、そうならないために、最先端にスタッフがつかまり、「スタッフの身体が浮くか浮かないかのギリギリのところで手を離す」と真っすぐにパイロンが立ち上がって安全とのこと。
こうした方法はこれまでのレースで研究されてきた職人の技なのだそうです。安全にレースを行うためにたくさんのスタッフが支えているレッドブル・エアレース。来年も幕張にこのパイロンが立つことを多くのファンが望んでいます。
(撮影:Ryo Tajima/撮影・文:Kikka/撮影:ゴトウ)
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