酔っぱらいでマイペースでだらしないお姉さんは好きですか? 「落ちてるふたり」女子大生明石さんの魔性あのキャラに花束を

こういう年上女子に、少年は弱いんだよなあ…。

» 2018年07月22日 20時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 雑で、だらしなくて、自由すぎる20代女性キャラって、ほんとずるい。心底めんどくさい相手なのに、一回の笑顔でかわいく見えてしまう。実際昨今の漫画・アニメでは「酔っぱらい女子キャラ」がプチブーム中。男心がくすぐられるツボが、間違いなくあります。


画像 表紙にだまされろ! (C)Rika Nishihara 2018/講談社

 1巻が発売された西原梨花「落ちてるふたり」は、高校生の少年と、隣の部屋に住む女子大生の話。甘酸っぱい恋というより、どっちかというと酒臭い。距離を置くべきかもしれないけど、心がふわふわしてしまう男の子心、わかって。


お隣さんは女子大生

 高校生の少年・鹿島くん。彼の隣の部屋には、大学3年生の女性・明石さんが住んでいる。ベランダ越しに会話するくらいには仲がいい。

 極端にズボラな彼女。お酒の空き缶が山のようにあり、生活空間は強度の汚部屋。鹿島いわく「大学生の成れの果てなのかもしれない」。キラキラ感は皆無です。でも、早朝にラフな格好でベランダにいる女性に気さくに話しかけられたら、思春期の少年ならコロッといっちゃうでしょ。ずるいわ。


画像 ベランダ越しにお姉さんと会話したい人生だった(1巻P6)

 鹿島は非常に真面目でマメな子です。きちんと学校に通い、忙しく働く母のために、家事をこなしている。そんな彼の生活を乱すのが、明石。起きられないからか目覚まし時計を何個もかけていて、やたらうるさい。黒いのが部屋に出たからと騒ぎ立て、退治させられる

 そして泥酔して絡まれる。これが一番厄介。


画像 ああもうこれだから酔っぱらいは(1巻P14)

 鍵を無くした明石は、カバンの中をひっくり返しながら大騒ぎ。しかも思い出したら思い出したで「ああ〜!」と深夜に叫びだす。あと酒と生ゴミ臭い。もう面倒くさいったらない。

 でもほんと困ったことに、こういう少し年上の女性のダメなところって、少年をにしてしまうもの。自分の色気を知っているタイプのお姉さんが持つ魔性と、別種の魔性の持ち主です。この作品の中で、明石は自由奔放な飲んだくれのまま、一切成長していません。悩んだり苦しんだりという一面もほとんど見せない。一応「留年した」という悩みはあるものの、逆に言えばその程度。本人もその後ケロッとしたもんです。


画像 これで恋に落ちるなって方が無理(1巻P26)

 酔っぱらい女子が人気な理由の1つは、自分には全てをさらけ出してくれているという安心感でしょう。酔った時に話す言葉には、ウソがない。その姿を気軽に見せるってことは、信頼してくれているということ。明石の酔った姿を見る度に、鹿島はついつい世話をしてしまいます。

 気付かないうちに、あなたのこと信頼してるよとばらまく女子大生。しかも彼女、ちゃんと覚えている上で、彼を頼っている。


画像 一緒に献血にいきたい系女子(1巻P32)

 今の所、明石の心理は具体的には描かれていません。何考えてるのかよくわかりません。でももしかしたら、鹿島のことを本当に普段から頼っている、のかもしれない。好意は持ってそう。そう考えたら「面倒くさい」よりも「好きだ」が先にくるのも、無理はないよー、ずるいよー。

 男女ともに愛される天真らんまんさを持っていると同時に、男女ともにめんどくさくてドン引きするレベルのだらしなさを兼ね備えている彼女。こういう子ほど、ガチ恋してしまうと抜けられない。


年上の彼女はぼくの前でいつも笑顔だから

 酒癖が悪いの(っていうかわいさ)をさっぴいたとしても、おそらく鹿島は明石のことを好きになっていたであろう描写満載。


画像 あーこの女子大生はーっ!(1巻P68)

 汚部屋描写と泥酔描写が本当にひどいのでドン引きする読者も多いはず。冗談抜きで、好きな人なのに部屋に入りたくないほど、汚い。けれどもそれを補って余りあるほど、明石の距離感の詰め方が強烈。この作品は鹿島の一人称視点で進んでいるため、鹿島のテリトリーに急に入り込んできてくつろぐ明石の迫力がすごい。犬っぽくもあり、猛獣っぽくすらある。

 この作品、ストーリーらしいストーリーはほとんどありません。鹿島少年が過ごす日々の中で、急に明石が自由気ままに行動するのを見てしまい、ほんとこの人はとあきれながらも惹かれてしまう、というシチュエーションの繰り返し。かといってずっと明石のことばかり考えているわけでもなく、他の人とのコミュニケーションも描かれます。あくまでも鹿島少年の生活を描くことに終始しているからこそ、女子大生・明石という異物に翻弄されてしまう。


画像 男子高校生には刺激が強すぎる。でもこれLOVEじゃないんだよなあ…(1巻P169)

 明石のコミュニケーションやスキンシップは、姉と弟のそれに近いんでしょう。とはいえ鹿島には刺激があまりにも強すぎる。惑わされる。

 途中、クラスメイトで映画の趣味がばっちりあう少女・洲本と意気投合するシーンもあります。映画オタクの洲本と二人きりで早口で語り合う様子を見ていると、むしろ普通はこっちにほれるんじゃないの? って気がしてならない。でもそこに恋が1ミリたりとも生まれないのが、明石の魔性引力の壮絶な強さ。鹿島君、今後どう転ぼうとも、ダメお姉さん属性は一生性癖として引きずるわ。


画像 あっ、好きだ……(1巻P52)

 「鹿島が明石を助けてあげている」状態として描かれている作品ですが、実は真面目すぎて少しネガティブ気味な鹿島を明石が救い出している話とも読めます。

 本編では一切描かれない明石の心理が、番外編でちょっとだけ描かれます。ん? これはひょっとして。

 ただ、1巻の時点では明石さんに落ちる読者が多いのはわかった上で言います。今後洲本派が増える


(C)Rika Nishihara 2018/講談社

たまごまご


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」