映画「アントマン&ワスプ」の世界を文房具で表現! ミニチュア写真家・田中達也の作品制作に密着(2/2 ページ)
――制作お疲れさまでした! 学習机は幅がそんなにないのに、作品では奥行きが感じられて不思議でした。
田中:特撮などでもよく使われる技法ですが、手前に背の高いものを、奥に低いもの(小さいもの)を配置すると遠近感が感じられるんです。今回もそのテクニックを使っています。
――そもそもミニチュア写真を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
田中:もともと広告制作会社にデザイナーとして勤めていたのですが、Instagramを始めたのがきっかけで写真を撮ることが趣味になり、フィギュアなども好きだったのでミニチュアを使った写真を発表するようになりました。
――写真やミニチュアに関しては専門的な勉強をされたのでしょうか。
田中:完全に独学です。大学では教育学部だったのですが、ミニチュア写真にしても教育にしても「子どもたちに伝える」という部分に関しては同じなので、教育実習での経験などは役に立っています。
――前作「アントマン」では室内で大きくなったり小さくなったりを繰り返していたアントマンですが、「アントマン&ワスプ」では外の世界に飛び出しました。
田中:前作では「きかんしゃトーマス」が“小さくなったアントマン”を危機に陥れたり、身近なものが脅威になるというのがとても面白かったですよね。今回もホットウィール(アメリカの玩具メーカーのミニカーブランド)が大きくなったり小さくなったりする場面がありますが、僕は車の仕組みが知りたくて(笑)。あれはホットウィール風に作った車を小さくしているんですかね……?
――実際に手に触れたことがあるものが登場すると面白いですよね。今回だと予告編で流れていたキティちゃんのPEZ(ペッツ)も話題になっていますし。他にも気に入っているポイントはありますか。
田中:序盤にスコットが娘と段ボールを使って遊ぶところがあるのですが、あそこは子どものころを思い出すというか、ワクワクしました。あとは、スコットにある人物が憑りつくシーンがあるのですが、あのシーンのポール・ラッドさんの演技は本当に素晴らしかったですね……!
――あのシーンは強烈でした(笑)。田中さんはもしアントマンになれたらどんなことをしてみたいですか。
田中:今作は1.5センチになったり、10メートル越えの巨人になったりと、体長が変わるのが大きな特徴です。なので、小さくなったときにはどんな風に世界が見えるのか、大きくなったときには物がどういう風に見えるのかを見てみたいです。そしてそれをミニチュア制作に生かせたらと思います。
――作品は主演のポール・ラッドさん、ワスプ役のエヴァンジェリン・リリーさん、監督のペイトン・リードさんが出席する「アントマン&ワスプ 東西ファンミーティング」でも展示される予定だそうです。
田中:すごいですよね。ポールさんたちにもしっかりと作品を見ていただけるとうれしいです。
田中さんの作品は、8月9日から新宿バルト9で9月6日まで展示される予定(東西ファンミーティング開催時には一時展示が休止)。肉眼で作品を楽しむ他、魚眼レンズを付けたカメラ越しに作品を見てみるのもオススメです。
(Kikka)
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