ディズニーランド「音が出る木箱」、迷惑撮影に伴い撤去か 広報部「改修の一貫 撤去は進行次第」
トゥーンタウンの奥にある、取っ手を引っ張ると動物の鳴き声が出る木箱。SNS人気に伴い、載っかるなど撮影でマナー違反する利用客が増えていました。
東京ディズニーランドの「トゥーンタウン」エリアの奥にある、取っ手を引っ張ると音が出る“木箱のオブジェ”が積まれた一角――11月に植栽が設置されて立ち入れなくなった上に、今現在はオブジェそのものが撤去されているのですが、この理由が「SNSに写真をあげるために木箱の上に乗るゲストが後を絶たなくなったから」だと、一部の利用客のマナーを批判する声がTwitterで注目を集めています。
同園を運営するオリエンタルランドの広報部に植栽や撤去の経緯について取材しました。
音を鳴らして楽しむ木箱が足台に
立ち入りができなくなっているのは、1996年4月に開設した「トゥーンタウン」のアトラクション「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」のすぐそばに設置されているコーナー。90年代半ばのハリウッドのような建物の前に運搬用の木箱のオブジェが10個ほど積まれており、うち6個は取っ手を引っ張ってフタを開けようとすると、牛のような動物の鳴き声が中から聞こえてくる仕掛けが施されていました。
ここ数年はスマートフォンやSNSのブームに伴い、木箱のコーナーも撮影スポットとして人気に。しかし一部には凝ったポーズを取ろうと木箱の上に載ったり寝そべったりする利用客もおり、SNSでもこうした写真を見かける機会が増えてきていました。ある木箱には「NO STEP(乗らないで)」と注意文まで書かれていますが、それでも乗る人は絶えず、「本来は音を鳴らして楽しむものなのに壊れないか心配」「子ども向けのコーナーを高校生や大学生たちで独占しないでほしい」とマナー違反を問題視する声があがっていました。
その流れの中、11月後半に木箱コーナーの前に植栽が設けられて入れぬようになり、「とうとう木箱が撤去された」とうわさが一気に広がるように。「非常識なやつのせいで完全撤去。何がインスタ映えだよふざけんな」と、マナー違反が原因で撤去されたと怒りをあらわにしたツイートは4万回以上リツイートされ、「インスタ映えよりディズニーそのものを楽しめばいいのに」「一部の人のせいでなくなるのはとても残念」と怒りや悲しみの声が寄せられています。
広報「撤去について詳細は控えます」
木箱のコーナーが立ち入りできなくなっているのはなぜなのか、そもそも木箱は永遠に撤去されてしまったのか――オリエンタルランドの広報部に取材したところ、次のように回答しました。
「ディズニーリゾートの園内ではゲストの皆さまが気付かないだけでさまざまな場所で小さな改修を多くやっております。理由は修繕や安全性の向上などさまざまですが、今回の木箱の一角も改修の一貫です。残念ながら、改修工事の個別の目的、工事期間については答えを控えさせていただきます」(広報部担当者)
木箱は撤去されたままになるかどうかについては、「修繕の進行によって、最終的にどのようにするのか決定していくと思いますが、詳細はお控えさせていただきます」とのこと。撤去されたと決まったわけではないですが、このまま無くなる可能性も現時点では残っているようです。
また今回の木箱のコーナーに限らず、一部のゲストがSNSの投稿用に本来入ったり載ったりしてはいけないところで撮影に及ぶ事例はパーク全体で増えてきている様子。こうした変化にパーク側で対策は講じているか広報部に聞いたところ、次のように答えました。
「確かにSNSに園内での記念写真を投稿される方は増えていますが、開園当初からゲストの皆さまに思い出づくりとして写真を撮っていただいております。撮影マナーとして、他のお客さまのご迷惑になる行為、安全面に差し支えのある行為を見掛けた場合はキャストからお声がけさせていただいており、その方針に変わりはございません」(広報部)
SNSでは今回の話題を受けて、「あらためて個人でルールを理解して楽しく過ごしたいなと思えました」「今まで悪気もなく撮っていたので、悲しく恥ずかしく思います。また行くことがあれば節度のある楽しみ方をしたいです」と反省の声も見受けられました。夢の国はパーク側だけでなくゲストも一緒に作っていくもの。はしゃいで周りへの配慮を忘れがちになるかもしれませんが、節度をもって行動したいところです。
(黒木貴啓)
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オリエンタルランド広報部に取材しました。
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