銭湯を流行らせるには「ウニ推しおじさん」になれ―― 銭湯神ヨッピーが語る、ネットで「水風呂推しおじさん」が増える理由【特集】ネットと銭湯サウナ(3/3 ページ)

» 2019年01月11日 19時00分 公開
[ヨッピーねとらぼ]
前のページへ 1|2|3       

インターネットと銭湯

 そんなわけで「水風呂」の存在は銭湯・サウナにおける一番のストロングポイントでありつつも、その特性から同時にボトルネックにもなっている事を書いた。しかしながらそのボトルネックを乗り越え、徐々に銭湯、そして水風呂が広まりつつあるのにはインターネットの役割が大きいように思える。

 「ウニ推しおじさん」「水風呂推しおじさん」に実際に遭遇するとうっとおしい事この上ないけど、そういったおじさん達がインターネットにおいて好き放題「ウニの良さ」「水風呂の良さ」を書き散らすぶんには誰の迷惑にもならないからだ。

 そう、インターネットにおいて「好きなものを好きなだけ語る」のは誰の迷惑にもならないし、むしろ推奨される事でもある。飲み会の席で「いかに水風呂が素晴らしいか」という演説をはじめたら相手は終わるまで聞いてなければいけないし、おそらく次からは飲み会に呼ばれなくなるけど、ネットで書くのであれば問題ない。「そもそも読まない」「途中でやめる」という選択権を読者側が持っているからである。そうやって、今までは「対面だとウザがられるし控えめに推すくらいにしとくか……」くらいのテンションだった水風呂推しおじさんが、インターネットの普及と共に喜々として「水風呂の良さ」みたいなものを長文でゴリゴリ書きはじめたのである。

 僕ももちろんそのうちのひとりだ。そしてそのおっさんの影響で水風呂に目覚めた人は、新しい「水風呂推しおじさん」として爆誕するのだ。水風呂に対するネガティブイメージをひっくり返された人ほど、「水風呂、いいぞ!」と人に言いたくなるのは想像にたやすい。

 それに、「情報の充実」という観点でもインターネットの功績は大きい。「どこに良いサウナがある」「あそこの水風呂は天然水だ」なんてニッチな情報は、サウナ愛好家、銭湯愛好家が増えた今では雑誌なんかで特集される事も多いのだけど、愛好家人口がそこまで多くなかった頃にそういったニッチな情報の欠落を埋めてくれたのはやはりインターネットである。サウナイキタイに代表されるように、サウナの温度、水風呂の温度まで詳細に記載してあるサイトまで出来た。水風呂ジャンキーのQOLを上げるためにインターネット、SNSの存在はもはや不可欠なものである。

 実際僕も、新しい水風呂を開拓する時はネットの情報を参考にすることが多く、テレビ雑誌新聞なんかから情報を得る事はほとんどない。インターネット万歳、である。


銭湯コラム ヨッピー サウナレビューサイト「サウナイキタイ」も便利なサイトの1つ(「銭湯神ヨッピーが語る!東京都内のおすすめ銭湯&交互浴のススメ」より)

一過性で終わらない

 そして最後にもう一度言っておきたいのだけど、「銭湯ブーム」「サウナブーム」などと言われているけれども、僕はこれを決して「ブーム」だなんて思っていない。まだまだ足りてないし、もっと多くの人に体験して欲しい。

 それに一過性のものではありえないとも思っている。何故かと言うと、一度水風呂にハマれば完全に中毒になるからだ。交互浴をしたあとの、あの体の軽さを体験すると、2〜3日銭湯に行けないだけで体が重く感じてしまい(元通りに戻っただけとはいえ)、行きたくて行きたくて仕方がなくなる。それに、東京都であれば1回あたり460円という金額もそこまで大きな負担ではない。2日に1回行っても月あたり7000円くらいである。

 健康にもいい。とは言え、「じゃあ健康にいいっていうエビデンスを出せ」と言われたら僕は研究者ではないので困ってしまうので「あくまで個人的な感想です」という文言を付け足しておきたいのだけど、「本当に効くのかなぁ?」と思う人は試しにTwitterでヨッピー 交互浴で検索をかけてみて欲しい。恐らくは絶賛する書き込みが何百件というレベルで出て来るのでその辺を見てから判断して頂くのが良いかもしれない。

 とにかく、騙されたと思って一度水風呂と熱いお湯に交互に浸かる「交互浴」を試してみて欲しい。もちろん「やってみたけどハマれなかった」という人は残念ながら居るのだけど、ハマった人は割とみんな「疲れが取れる!」「寝付きが良くなった!」「仕事頑張れる!」などポジティブな言葉を僕に送って来る。冒頭で、「国民全員が銭湯にハマればみんな健康になって医療費が減って、仕事の生産性があがってGDPが3倍になる」とか書いたのだけど、僕は割とマジで、国民みんなが銭湯にハマれば近い未来にそうなるんじゃないかって思っているのだ。

(ヨッピー)


「第4回ウェブメディアびっくりセール」出展のお知らせ

 ねとらぼでは1月19日に二子玉川ライズで開催される「第4回ウェブメディアびっくりセール」で、初の同人誌「ねとらぼん」を頒布します。

 テーマは「ネットと銭湯サウナ」。昨今人気に火がつき始めた銭湯とサウナ、そのブームの広がりにネットがどのように関わっているのか、コラムやエッセイ、インタビューなどさまざまな記事で見つめる一冊となっています。


銭湯コラム ヨッピー銭湯コラム ヨッピー

 総括コラムはヨッピーさん、銭湯サウナをテーマにしたエッセイは中川淳一郎さん、姫野桂さん、ちぷたそさんなど、ねとらぼがお世話になってきたライターが寄稿。インタビューには初のサウナポータルサイト「サウナイキタイ」の創始者2人に開設経緯と「ネット×サウナ」について語ってもらいます。

 約50〜60ページ(まだ作成中につきアバウト)で、1冊500円。ねとらぼのサイト上でも一部の記事をピックアップして連載形式で掲載する予定です。



前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」