次のイベントこそ早割入稿! 同人誌を早割入稿するための“7つのルール”(1/3 ページ)
早割入稿は夢じゃない!
同人オタクの多くは熱いパッションで萌えを同人誌として発行するために、机に向かい続ける日々を送っておられると思います。でも気付いたらいつも入稿ギリギリ! 印刷料金割増のせいで推しにささげるお金がない……! なんてことになっていませんか?
筆者はメジャージャンル内のマイナーカップリングで活動している30代の同人女です。同人サークル歴は数回のブランクがありますが、かれこれ10年以上やっています。昨年は数度目の復活を遂げた年だったので発行した同人誌は5冊でしたが、活動しているときの年平均発行数は7冊前後、いずれも全て早割入稿で新刊を発行し続けています。
友人にはギリギリ入稿組が多く、「どうやったら毎回早割入稿できるの……?」と真顔で質問される機会が増えています。大丈夫です、早割入稿は不可能ではありません! 早割入稿をするために心がけている“7つのルール”を紹介します。
まずそっとプロフィール(読み飛ばしてもOKです)
筆者はIT系企業でWebライター兼エンジニアとして日々デスクワークをしています。残業はあっても月に10時間程度、基本的にほぼ定時で上がれる上に休日出勤やサークル活動はまったくなしという、業界の中でも珍しい環境なのもあって、同人活動やライター業をこなせています。
さらにこれ幸いなことに実家住まいなので、家事担当は「外部の仕事の合間に1週間分の食事のおかず作り」「風呂掃除」で、そこまで重くはありません。また、家族は同人活動に理解があるどころか、締切が近いと「無理は禁物だ!」という言葉とともにおやつの増援などをしてくるという、ありがたいことにオタク気質ばりばりな家。
学生時代はマンガ描きとして同人活動をしていました(6年ほど)。社会人になってから仕事や同人以外の趣味で多忙となり、4年ほど前に文字書きに移行しています。現在絵は全く描いておらず、イラストを描くときなどに得たスキルは表紙や内容の装丁を考えるときに生かされています。
1:1日にできる作業量を把握する
まずは1日にどのくらい作業が可能なのかを把握していきましょう。1日の作業量を把握することで、日々の原稿にかけられる時間を管理することは、遠回りなようでいて早割入稿への最短ルートです。
作業量を把握するために割り出してほしいことが2つ。
作業可能時間
まずは作業可能時間を見直しましょう。1日どのくらい作業ができるのかを仕事の日と休みの日ごとに、どのくらい時間を設けられるかを見ていきます。でも、突然のリスケとかあるじゃん! どうするのさ! となりますよね。そうなってもいいように、作業可能時間は必ずもっとも忙しい時期で計算しましょう。
繁忙期など忙しいときって、多くのタスクをこなせるように冷静に仕事の優先順位を決めていませんか? もっとも忙しい時期で計算する理由はそんな冷静さを得るためです。あらかじめ忙しい時期で原稿できる時間を考えておけば、どんなことが起きても冷静にどう巻き返せばいいか計算できるようになります。
各作業の割合
2つ目は各作業の割合です。1日の作業可能時間を洗い出し、どの作業&行程が一番苦戦しているのかを割り出していきます。筆者の場合はこのように見直していきました。
- 小説の場合
ネタ出し:日頃空いたときにできるので1日と換算
プロットを切る:早ければ1日、遅ければ2日
タイトルロゴ作成:ラフから完成まで半日
本文作成:1000〜2000字/1時間
添削作業:1日
事務ページ(中表紙、前書き、後書き、奥付)作成:2時間
表紙作成:1日から2日
- マンガの場合(36ページの例)
ネタ出し:日頃空いたときにできるので1日と換算
ネームを切る:2〜3日
タイトルロゴ作成:ラフから完成まで半日
下書き:1週間
ペン入れ:1週間
ベタ・トーン処理:3〜4日
事務ページ(中表紙、前書き、後書き、奥付)作成:2時間
表紙作成:フルカラー3日、多色・単色は2日
筆者は作業を細分化するタイプだったのでめちゃくちゃ多いですが、大まかでもどのくらいかかっているかがわかることが重要です。ファーストステップは「ネタを考える」「本文作成」「表紙作成」で見直してみても大丈夫です。ただし、細かいほうが把握は正確になります。
こうして書き出してみて見直すと、「作業時間は仕事の日は1時間が限界、休みの日は5時間作業できる」「文字・マンガいずれも本文と表紙に時間がかかるけどそれ以外は早く終えられる」「表紙作成はネタが降るまでが長い」「誤字脱字が多い上に添削作業は苦手」という傾向が見えてきました。ついつい締切日までの単純な割り算で1日の作業時間を割り振りがちですが、実際は休みにしか動けないというのを再実感します。
自分の作業や時間を把握したところで、ルールを決めました。仕事の日は「ネタ出し、プロットを切る、タイトルロゴ作成、事務ページ(中表紙、前書き、後書き、奥付)作成などの早く終わる作業メイン、いずれが終わったら本文作成や表紙作成をやる」。休みの日は「本文作成や表紙作成など時間かかる作業をやる」。さらに個人的に苦手で時間がかかってしまう添削作業は「第三者に依頼する(私の場合は姉)」と決めたのです。このルールに基づいて作業をしたら、原稿がむちゃくちゃ早くなりました。
「早割入稿にしたい!」と思ったときは、一度自身の作業可能時間や各作業の割合を見直すことを強くお勧めします。現に友人にこのアドバイスをしたところ、「目から鱗だった」「原稿めっちゃ進められるようになった!」という声を多くもらいました。どんなときでも自己分析は大事です。
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